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異世界転移したけど
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俺の名前は桜田和馬(サクラダカズマ)。
中学2年生14歳。
頭は悪い、性格は暗く友達もいない、彼女いない歴=年齢
軽いいじめも経験し、当然のように引きこもってゲーム三昧。
どれだけ母親に小言を言われようが、右から左に抜けていくだけ。
俺の自己紹介はこんなところか。
いや、もう一つ。
顔はちょっとイケメンだ。
メガネをかけているのでなかなかバレないが、実はイケメンなのだ。
ただの勘違い?
うるさい。
男はみんなそんなもんだろ。
現実から逃避して理想に浸り、淡い夢を抱きながら現実に引き戻され、打ちのめされる。
その繰り返しじゃないか。
さてさて、いくら好きなゲームと言えど7時間ぶっ通しは流石に疲れてきたな。
1週間前に発売されたLQ(ラストクエスト)の最新作にどハマりしている俺は、ボタンがすり減るほどテレビゲームにのめり込んでいた。
息抜きにコンビニでポテチでも買いに行くか。
重い腰を上げる。
母親と会うのは気まずいので、忍者のように息を殺し忍足で玄関に向かった。
5分ほど歩くとコンビニに着く。
大好物のポテトチップスのりしお味を手に取り、少し顔を俯けながらレジに向かう。
ピッ。
「165円です」
目を合わせれない。
あまりに引きこもり過ぎて店員さんの目を見ることもできなくなり、手だけを見つめて会計をするのがクセになっていた。
それにしても綺麗な手だ。
純白という言葉はこの子のためにあるのではないかと思うほど、透き通るような綺麗な白い手だった。
もちろんお顔も気になり過ぎるので、退店する際にバレないよう慎重に御尊顔を拝見した。
目を疑う美女、整った目鼻立ちにぱっちりとした二重、美と言わざるを得ない輪郭、白い肌。
天地がひっくり返っても俺とは釣り合わない。
そんなことは分かっているが、どタイプだった。
一目惚れと言っても良い。
-----------------
ぼーっとしながらあの子の事を考え、帰路についていた。
「あんな子が彼女になったらなぁ。俺を笑っていた奴ら全員見返せるのに。くそっ。」
と、1人で憎まれ口を叩いていると...
ぷぅううううううううううううっっっ!!
心臓が張り裂けそうな程強烈なクラクションの音が響いた。
幼い頃からの人生が脳裏に流れる。数秒で14年にも渡る人生を振り返る矛盾。これが走馬灯と言うやつか、と何故か冷静になりつつ、そして悟る。
(あっ、、俺死んだ、、、)
目の前が暗くなる。ゆっくりと、海の底に沈んでいくような感覚。あぁ、死ぬってこんな感じなんだ。
ラストクエスト、全クリしときたかったなぁ、、
-----------------
目を開ける。
……いや、おかしいだろ。
俺は死んだはずだ。目を開ける、なんて感覚を持つはずがない。
だが、目が開いたのだから仕方ないだろう。
死んでいなかったのか、おれは。
運が良かったんだな。
などと呑気な事を考えていたが明らかに様子がおかしいことに気づく。
「....どこだ、、ここ。」
まるで日本とは思えない、中世ヨーロッパ風の街並み。
治安の悪い国ランキング殿堂入り間違いなしの帯刀者の数々。
ドッキリか。?これは。
誰かが気を失っている俺を渡航させたのか?
あ、わかったぞ。
VRゴーグルをつけられてるんだ。
ははーん。
ゴーグルを外そうと手を伸ばすが、空を切る。
ぬう。
ということはつまり。やはり。そういうことか。
「異世界転移。。というやつだよなこれは。」
伊達に引きこもりをしていたわけではない。暇があれば漫画を読み、アニメを見ていた。
そんなオタクな俺は、察する。
おいおいこれ、、
明らかに主人公じゃねえか。
常に敗者としての生き方をしてきたカズマは、一般の感覚を持つ人間なら到底受け入れられないであろうこの現実に胸を高ならせていた。
「よしよしよーし!こっから俺の無双ライフが始まるぜぇ!!」
ふふふ。。
チート能力を手に入れて、かわいいヒロインに出会い、世界を救う。
そんな漢なら誰もが夢みる異世界無双ライフがこれから始まるのだ。
さぁ、張り切って行こう!!
--そして3年の月日が経った。
結論から言おう。
俺は異世界でもモブだった。
魔法はそこそこ使えるようになった。だがそこそこだ。平凡な魔法。平凡な剣才。平凡な能力。
才能あふれる異世界で、非凡なものは何も持ち得ず俺は転移された。
勇者が活躍するのを指を咥えて眺めた。
それなりの知り合いや仲間は出来たので転生する前まではマシなのかもしれないが、アニメであるような異世界無双物ではなかったらしい。
-----------------
下宿先のベッドで横たわりながらカズマは考えていた。
母ちゃん。元気してっかな。
俺が死んでせいせいしてるのかな。いや、それは無い。なんだかんだ言って小さい頃は優しかった。というより学校行かなくなっても一定期間は優しかった。
はぁ、ちょっとは向こうでも頑張ればよかった。
もはや戻ることのできない現実世界に想いを馳せながら、カズマは目を瞑った。
-----------------
目を開ける。
見慣れない天井だ。
どこだここは。
魔族にワープさせられたのか?
横を見る。
目を疑った。
母ちゃんが寝ている。
、、??
「げん、、じつ、、世界か??」
中学2年生14歳。
頭は悪い、性格は暗く友達もいない、彼女いない歴=年齢
軽いいじめも経験し、当然のように引きこもってゲーム三昧。
どれだけ母親に小言を言われようが、右から左に抜けていくだけ。
俺の自己紹介はこんなところか。
いや、もう一つ。
顔はちょっとイケメンだ。
メガネをかけているのでなかなかバレないが、実はイケメンなのだ。
ただの勘違い?
うるさい。
男はみんなそんなもんだろ。
現実から逃避して理想に浸り、淡い夢を抱きながら現実に引き戻され、打ちのめされる。
その繰り返しじゃないか。
さてさて、いくら好きなゲームと言えど7時間ぶっ通しは流石に疲れてきたな。
1週間前に発売されたLQ(ラストクエスト)の最新作にどハマりしている俺は、ボタンがすり減るほどテレビゲームにのめり込んでいた。
息抜きにコンビニでポテチでも買いに行くか。
重い腰を上げる。
母親と会うのは気まずいので、忍者のように息を殺し忍足で玄関に向かった。
5分ほど歩くとコンビニに着く。
大好物のポテトチップスのりしお味を手に取り、少し顔を俯けながらレジに向かう。
ピッ。
「165円です」
目を合わせれない。
あまりに引きこもり過ぎて店員さんの目を見ることもできなくなり、手だけを見つめて会計をするのがクセになっていた。
それにしても綺麗な手だ。
純白という言葉はこの子のためにあるのではないかと思うほど、透き通るような綺麗な白い手だった。
もちろんお顔も気になり過ぎるので、退店する際にバレないよう慎重に御尊顔を拝見した。
目を疑う美女、整った目鼻立ちにぱっちりとした二重、美と言わざるを得ない輪郭、白い肌。
天地がひっくり返っても俺とは釣り合わない。
そんなことは分かっているが、どタイプだった。
一目惚れと言っても良い。
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ぼーっとしながらあの子の事を考え、帰路についていた。
「あんな子が彼女になったらなぁ。俺を笑っていた奴ら全員見返せるのに。くそっ。」
と、1人で憎まれ口を叩いていると...
ぷぅううううううううううううっっっ!!
心臓が張り裂けそうな程強烈なクラクションの音が響いた。
幼い頃からの人生が脳裏に流れる。数秒で14年にも渡る人生を振り返る矛盾。これが走馬灯と言うやつか、と何故か冷静になりつつ、そして悟る。
(あっ、、俺死んだ、、、)
目の前が暗くなる。ゆっくりと、海の底に沈んでいくような感覚。あぁ、死ぬってこんな感じなんだ。
ラストクエスト、全クリしときたかったなぁ、、
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目を開ける。
……いや、おかしいだろ。
俺は死んだはずだ。目を開ける、なんて感覚を持つはずがない。
だが、目が開いたのだから仕方ないだろう。
死んでいなかったのか、おれは。
運が良かったんだな。
などと呑気な事を考えていたが明らかに様子がおかしいことに気づく。
「....どこだ、、ここ。」
まるで日本とは思えない、中世ヨーロッパ風の街並み。
治安の悪い国ランキング殿堂入り間違いなしの帯刀者の数々。
ドッキリか。?これは。
誰かが気を失っている俺を渡航させたのか?
あ、わかったぞ。
VRゴーグルをつけられてるんだ。
ははーん。
ゴーグルを外そうと手を伸ばすが、空を切る。
ぬう。
ということはつまり。やはり。そういうことか。
「異世界転移。。というやつだよなこれは。」
伊達に引きこもりをしていたわけではない。暇があれば漫画を読み、アニメを見ていた。
そんなオタクな俺は、察する。
おいおいこれ、、
明らかに主人公じゃねえか。
常に敗者としての生き方をしてきたカズマは、一般の感覚を持つ人間なら到底受け入れられないであろうこの現実に胸を高ならせていた。
「よしよしよーし!こっから俺の無双ライフが始まるぜぇ!!」
ふふふ。。
チート能力を手に入れて、かわいいヒロインに出会い、世界を救う。
そんな漢なら誰もが夢みる異世界無双ライフがこれから始まるのだ。
さぁ、張り切って行こう!!
--そして3年の月日が経った。
結論から言おう。
俺は異世界でもモブだった。
魔法はそこそこ使えるようになった。だがそこそこだ。平凡な魔法。平凡な剣才。平凡な能力。
才能あふれる異世界で、非凡なものは何も持ち得ず俺は転移された。
勇者が活躍するのを指を咥えて眺めた。
それなりの知り合いや仲間は出来たので転生する前まではマシなのかもしれないが、アニメであるような異世界無双物ではなかったらしい。
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下宿先のベッドで横たわりながらカズマは考えていた。
母ちゃん。元気してっかな。
俺が死んでせいせいしてるのかな。いや、それは無い。なんだかんだ言って小さい頃は優しかった。というより学校行かなくなっても一定期間は優しかった。
はぁ、ちょっとは向こうでも頑張ればよかった。
もはや戻ることのできない現実世界に想いを馳せながら、カズマは目を瞑った。
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目を開ける。
見慣れない天井だ。
どこだここは。
魔族にワープさせられたのか?
横を見る。
目を疑った。
母ちゃんが寝ている。
、、??
「げん、、じつ、、世界か??」
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