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しおりを挟む「ラーティル様ぁ~、今から良いですかぁ~?」
私は体をくねくねと動かしながらライル様に近寄ると、ラーティル様は顔を引き攣らせながらも頷いてくれた。
私はその後、「着替えをしたいから先に正門で待っていて欲しい」と頼んだ。
(よしっ!ここからはギャップ作戦本番よっ!)
私はあらかじめ用意してた、シンプルな落ち着いたワンピースに身を包み、髪型はハーフアップに仕上げた。
これだけで随分と雰囲気が変わる。
そして、これからライル様の前では、口調も変えるつもりだ。
これからライル様とデートと考えると凄く緊張する。
私は胸に手を当てて深呼吸をした。
「よしっ!頑張ろっ!」
▽
いつもはくねくねと体を動かしながら内股で駆け寄るところを、今日は落ち着いた足取りでゆっくりと近づく。
手が緊張で震え、上手く声が出るかが分からない。
私は、ライル様の近くまで来ると、その名前を呼んだ。
「ラーティル様⋯⋯」
その声は少しだけ震えていて、思ったよりも小さかったが、ライル様は振り向いた。
そして、その美しい瞳が見開かれる。
「リズベット嬢なのですか?」
「えぇ、そうよ。⋯⋯おかしい、かしら?」
私はライル様の前まで歩み寄ると、長く伸びた髪の毛を弄りながら、そう聞いた。
「いえ、あの、雰囲気が変わっていたので⋯⋯」
そう言うライル様は今はいつもと同じ制服だった。
私服を期待してた私は、少しだけガッカリしたが、私に対してのライル様よ反応が悪くないので良しとした。
「お、おかしくないのなら、良かったわ。じゃあ、行きましょうか」
なんだか恥ずかしかった私は、急いでそう言うと、足を進めた。
ライル様はその後何も言わずに私に着いてきてくれた。
出来ることなら、いつか、手を繋いで並んで歩きたいものだ。
▽
「ここ、ですか?」
「ラーティル様は来たことがあったのかしら?」
着いたのは、最近流行りのパンケーキ屋さん。
いつか王子とデートをするためにと探したところだが役に立ってよかった。
「はい、前に一度だけ⋯⋯」
「そう、でしたか」
その言葉に私の視線は鋭くなる。
一体、誰と来たのだろうか。ここは流行りのデートスポットだ。そんな所にラーティル様が一人で来るとは考えにくい。
私はラーティル様の腕を掴み店の中へ入った。
私の急な行動に、ラーティル様は凄く驚いているみたいだったけど、振り払う事はしなかった。
良かった⋯⋯。
個室に案内された私はメニューを見て、チョコといちごがたっぷりと乗ったパンケーキを注文した。
ライル様はコーヒーだけ頼んでいた。
もしやこれは、早く帰りたい。と言う彼の意思表示なのでは?と思ったがスルーした。
「ラーティル様は、コーヒーを良く飲むのですか?」
「はい。まぁ」
小説にはライル様の好きな物などほとんど何も乗っていなかったので、私は嬉しくなってまた質問する。
「では、パンケーキは、苦手ですか?」
「いえ、別に」
「なら、なぜ頼まなかったのですか?」
「・・・あいにく、今は手持ちが余りないので」
嫌なことを言わせてしまったのだろうか。私が明らかに機嫌が悪くなったライル様に謝るべきかと考えた時、私たちが頼んだものが運ばれてきた。
「お待たせしました~。こちら、ブラックコーヒーと、チョコベリーベリーパンケーキです。」
美味しそうなパンケーキに私は今考えていた事を直ぐに忘れ釘付けになった。
お、おいしそ~!!
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