私、勘当寸前のぶりっ子悪役令嬢ですが、推しに恋しちゃダメですか?

朝比奈

文字の大きさ
5 / 23

5

しおりを挟む

私が教室に入ると、一瞬皆がシーンとなる。

もういつもの事なんで私は気にせず歩みを進めた。

そして、いつもは自分の席に座る所を、ある女の子の前で立ち止まり、ニコリと微笑見ながら話しかけた。

「ねぇ、席、変わってくれないかなぁ~。」

「えっ、えと、はぃ。」

私に話しかけられたその子は怯えた様子で、席を移動した。

うん。完全に脅しである。

いや、別に脅すつもりはなかったんだけど⋯⋯まぁ、いいや。と考えるのをやめて、私は王子の隣の席からライル様の後ろの席へと移動した。

これで私は、授業中ずっと、自然にライル様を見つめていられる⋯⋯。

これほど授業が始まるのを心待ちにしたことがあっただろうか⋯⋯。いや、無いな。

私は緩む頬を何とか抑えながら、ライル様が来るのを待った。





「ラーティル様ぁ~、おはようございますぅ~!」

今日も私はぶりっ子でライル様に話しかける。

そして、想像通りライル様は私に「なんでこの席に?」と、訪ねてきた。

「ダメでしたかぁ~?」

私は上目遣いでライル様を見つめる。

「いや、別にダメとは言っていない。あの二人の邪魔をしなければ別に」

と、その言葉に私は閃いた。

「う~ん。どうしよっかなぁ~」

ニヤリと何かを企んでいるように見えるように口を歪めた。

「また何か企んでいるのか?」

ライル様が私を睨む。

あー。これ、本当に嫌われちゃってるなぁ。
内心すごく傷つきながらも、顔には出さない。

「ラーティル様ぁ~、取り引き、しませんかぁ~?」

私は声を潜めてそう言った。

「取り引き?」

ますます鋭くなる視線に私はニコリと笑顔を作り「はい」と応えた。

「ラーティル様がぁ~、リズベットのぉ、暇つぶしに付き合ってくれるならぁ、あの二人には今後何もしないよぉ~。どぉするぅ?」

私はわざと甘い声を作りそう言った後、首をかしげた。

「暇つぶしって、具体的に何をするんだ?」

「んーとね、リズベットとぉ、お茶したりぃ~?            危ない事はさせないからぁ~、安心してぇー。」

と、簡単に言ってるが、私の心臓は今バックバクだった。

ライル様とお茶⋯⋯。

考えただけで、嬉しすぎて死にそうだ。

もちろんバレないように、そんなこと表情には出さない。

その後、暫く何かを考えてたライル様は最後に「・・・本当か?」と聞いてきた。

その言葉に私は頷き、手を出した。

「これから、よろしくねぇ!ラーティル様!」

もちろん、最後の最後までぶりっ子は辞めなかった。

方法は汚いが、これで私はライル様と居られる!
って、私は悪役令嬢なのよ!今更、これしきの脅しで怯んでどうするよ!

私はぎゅっと拳を握った。





その後、授業中にずっとライル様を見つめていた私は、先生に集中していないのがバレて呼び出しを食らったのであった。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ

朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。 理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。 逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。 エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢として断罪された聖女様は復讐する

青の雀
恋愛
公爵令嬢のマリアベルーナは、厳しい母の躾により、完ぺきな淑女として生まれ育つ。 両親は政略結婚で、父は母以外の女性を囲っていた。 母の死後1年も経たないうちに、その愛人を公爵家に入れ、同い年のリリアーヌが異母妹となった。 リリアーヌは、自分こそが公爵家の一人娘だと言わんばかりにわが物顔で振る舞いマリアベルーナに迷惑をかける。 マリアベルーナには、5歳の頃より婚約者がいて、第1王子のレオンハルト殿下も、次第にリリアーヌに魅了されてしまい、ついには婚約破棄されてしまう。 すべてを失ったマリアベルーナは悲しみのあまり、修道院へ自ら行く。 修道院で聖女様に覚醒して…… 大慌てになるレオンハルトと公爵家の人々は、なんとかマリアベルーナに戻ってきてもらおうとあの手この手を画策するが マリアベルーナを巡って、各国で戦争が起こるかもしれない 完ぺきな淑女の上に、完ぺきなボディライン、完ぺきなお妃教育を持った聖女様は、自由に羽ばたいていく 今回も短編です 誰と結ばれるかは、ご想像にお任せします♡

婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた

夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。 そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。 婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。

家出を決行した結果

恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。 デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。 自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。 ※なろうさんにも公開しています。

処理中です...