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第1章
醜い自分と美しい人1(レオルドさん視点)
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俺はリオ嬢の事をダリオス団長に話すため団長の部屋に来ていた。
そして今、その団長と向かい合って座っている。
「レオルド、あの娘は誰だ」
「彼女はリオ・アイハラ嬢です」
「リオ・アイハラか・・・、聞いたことが無いな。彼女程の美女なら噂話くらいは聞きそうなものだが・・・」
「何がおっしゃりたいのです?」
「はぁ、見たことが無い服を身にまとったヤツが、魔物がいるあの森に一人でいたんだ、明らかに普通じゃない。それに、あの美女が魔物を倒せるとは思えない。」
その言葉に俺は、魔物を見つけて怖かったと木の根元で泣いていたリオ嬢を思い出した。
確かに、普通じゃないだろう。でも、リオ嬢が敵国のスパイだとは到底思えない。
じゃあ、一体何故、彼女はあそこで泣いていたのだろうか。
それに、リオ嬢が来ていたあの服は一体どこの国の物なのだろう。
「とりあえず、あの娘が起きたら家まで送り届けてこい。」
「え、お、俺がですか?」
「当たり前だ、自分で拾ったものの責任くらいとれ。
それに、彼女を一人で町に置いてみろ、大変なことになるぞ。」
「なるほど、確かに俺が一緒だと近ずいてくる野郎は居ないだろうし・・・分かりました。目が覚め次第、家に送り届けます。」
「あぁ、そうしろ」
団長は、そう言うともう話は終わったとばかりに手でしっしっと部屋から出ろと合図してきた。
俺は、失礼します、とだけ行って自分の部屋に戻った。
──────────
翌朝、宿屋の娘のラナがリオ嬢が目を覚ましたと知らせに来た。
昨日リオ嬢が気を失ったのがもし俺の顔を見たせいだとしたらと、不安で正直行きたくは無かったが、連れてきたのは俺なので文句は言えない。
それに、ダリオス団長も一緒に来てくれるので俺は挨拶だけして後は、部屋の隅っこで黙っていようと思った。
ノックをした後部屋にはいってみれば、リオ嬢は昨日とは違いゆったりとしたワンピースをはいていた。
最近、この町で流行っているのかよく見る形の物だった。
リオ嬢の表情を伺ってみるが、俺に怯えた様子はない。
その事にほっとしつつも、顔を見つめていた事に今更恥ずかしくなってきて視線をそらす。
(は、早く挨拶だけして、団長に任せよう・・・)
そう思い俺はリオ嬢に声をかけた。
「あ、あの、リオ嬢、気分はどうですか?」
リオ嬢は平気ですと返事をした後、俺に感謝の言葉を述べてきた。
それに俺は慌てて、気にしないでくださいとだけ言った。
ふと、先程から静かな団長の方を見てみると見事に頬を初め固まっていた。
俺の視線に気づいたのか団長ハッとしてリオ嬢に話しかけた。
団長は自分の名前を名乗るとそっとリオ嬢の手の甲に口付けた。
(やめろ、団長!リオ嬢の恋人に殺されるぞっ!)
俺はいるか分からないリオ嬢の恋人に団長がしばかれるのを想像した。
いや、名前呼びでも結構重要な事なんだ、手の甲とはいえ、口付けるなんて・・・。
正直、ダリオス団長の顔は普通だと思う。
ダリオス団長は、話している間ずっと頬を初めていたがリオ嬢は特になんの反応もせず普通だった。
(俺もダリオス団長くらい強くてせめて普通の顔だったら・・・)
なんて事を部屋の隅に移動して考えていると、新人騎士のエトアが団長を呼びに来て、気が付いたら部屋に二人きりになっていた。
どうしたらいいか分からずそのままじっとしているとリオ嬢が話しかけてきた。
どうやら、リオ嬢は記憶喪失らしい。
それに、行くところがなくて困っていると・・・
いや、それは分かったが何なんだこの可愛い美女はっ!
胸の前で両手を組みながら俺を見上げるリオ嬢に俺の心臓は一瞬止まった。
本当は俺なんかが話していい相手じゃない。
いや、同じ空気を吸っていることすら罪なんじゃ無いだろか・・・
この胸の苦しさはきっと気の所為だ。
そう思いたいのに、ドキドキと心臓の音が早まる。
早く部屋から出ないと、そう思って部屋から出ようとしたのに、またこの人は俺の裾を掴んで、話し相手になって欲しいだって!?
「え、う、あ、そ、その・・・」
緊張やら、何やらで声にならない言葉が口から出る。
くそっ、かっこ悪いな俺は・・・
固まった俺をリオ嬢は不安そうな顔で見てくる。
その顔もまた可愛くて・・・
そんな事を考えていたからだろうか、リオ嬢の次の言葉に俺は全身が急激に冷めていくのを感じた。
「あの、なんで顔を隠しているんですか?」
──────────
次回は主人公視点からです。
そして今、その団長と向かい合って座っている。
「レオルド、あの娘は誰だ」
「彼女はリオ・アイハラ嬢です」
「リオ・アイハラか・・・、聞いたことが無いな。彼女程の美女なら噂話くらいは聞きそうなものだが・・・」
「何がおっしゃりたいのです?」
「はぁ、見たことが無い服を身にまとったヤツが、魔物がいるあの森に一人でいたんだ、明らかに普通じゃない。それに、あの美女が魔物を倒せるとは思えない。」
その言葉に俺は、魔物を見つけて怖かったと木の根元で泣いていたリオ嬢を思い出した。
確かに、普通じゃないだろう。でも、リオ嬢が敵国のスパイだとは到底思えない。
じゃあ、一体何故、彼女はあそこで泣いていたのだろうか。
それに、リオ嬢が来ていたあの服は一体どこの国の物なのだろう。
「とりあえず、あの娘が起きたら家まで送り届けてこい。」
「え、お、俺がですか?」
「当たり前だ、自分で拾ったものの責任くらいとれ。
それに、彼女を一人で町に置いてみろ、大変なことになるぞ。」
「なるほど、確かに俺が一緒だと近ずいてくる野郎は居ないだろうし・・・分かりました。目が覚め次第、家に送り届けます。」
「あぁ、そうしろ」
団長は、そう言うともう話は終わったとばかりに手でしっしっと部屋から出ろと合図してきた。
俺は、失礼します、とだけ行って自分の部屋に戻った。
──────────
翌朝、宿屋の娘のラナがリオ嬢が目を覚ましたと知らせに来た。
昨日リオ嬢が気を失ったのがもし俺の顔を見たせいだとしたらと、不安で正直行きたくは無かったが、連れてきたのは俺なので文句は言えない。
それに、ダリオス団長も一緒に来てくれるので俺は挨拶だけして後は、部屋の隅っこで黙っていようと思った。
ノックをした後部屋にはいってみれば、リオ嬢は昨日とは違いゆったりとしたワンピースをはいていた。
最近、この町で流行っているのかよく見る形の物だった。
リオ嬢の表情を伺ってみるが、俺に怯えた様子はない。
その事にほっとしつつも、顔を見つめていた事に今更恥ずかしくなってきて視線をそらす。
(は、早く挨拶だけして、団長に任せよう・・・)
そう思い俺はリオ嬢に声をかけた。
「あ、あの、リオ嬢、気分はどうですか?」
リオ嬢は平気ですと返事をした後、俺に感謝の言葉を述べてきた。
それに俺は慌てて、気にしないでくださいとだけ言った。
ふと、先程から静かな団長の方を見てみると見事に頬を初め固まっていた。
俺の視線に気づいたのか団長ハッとしてリオ嬢に話しかけた。
団長は自分の名前を名乗るとそっとリオ嬢の手の甲に口付けた。
(やめろ、団長!リオ嬢の恋人に殺されるぞっ!)
俺はいるか分からないリオ嬢の恋人に団長がしばかれるのを想像した。
いや、名前呼びでも結構重要な事なんだ、手の甲とはいえ、口付けるなんて・・・。
正直、ダリオス団長の顔は普通だと思う。
ダリオス団長は、話している間ずっと頬を初めていたがリオ嬢は特になんの反応もせず普通だった。
(俺もダリオス団長くらい強くてせめて普通の顔だったら・・・)
なんて事を部屋の隅に移動して考えていると、新人騎士のエトアが団長を呼びに来て、気が付いたら部屋に二人きりになっていた。
どうしたらいいか分からずそのままじっとしているとリオ嬢が話しかけてきた。
どうやら、リオ嬢は記憶喪失らしい。
それに、行くところがなくて困っていると・・・
いや、それは分かったが何なんだこの可愛い美女はっ!
胸の前で両手を組みながら俺を見上げるリオ嬢に俺の心臓は一瞬止まった。
本当は俺なんかが話していい相手じゃない。
いや、同じ空気を吸っていることすら罪なんじゃ無いだろか・・・
この胸の苦しさはきっと気の所為だ。
そう思いたいのに、ドキドキと心臓の音が早まる。
早く部屋から出ないと、そう思って部屋から出ようとしたのに、またこの人は俺の裾を掴んで、話し相手になって欲しいだって!?
「え、う、あ、そ、その・・・」
緊張やら、何やらで声にならない言葉が口から出る。
くそっ、かっこ悪いな俺は・・・
固まった俺をリオ嬢は不安そうな顔で見てくる。
その顔もまた可愛くて・・・
そんな事を考えていたからだろうか、リオ嬢の次の言葉に俺は全身が急激に冷めていくのを感じた。
「あの、なんで顔を隠しているんですか?」
──────────
次回は主人公視点からです。
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