31 / 45
第1章
イケメンの正体・・・。(2)
しおりを挟む
「レオルドなら昨日、夜遅くまで俺と飲んでたぞ?」
「え?」
レオルドさんの瞳を見上げるように見つめながら、お互い何も言えずに黙っていると、サジャールさんが首をかしげながら話に入ってきた。
じゃあ、昨日会ったのはレオルドさんじゃなかったって事?
まぁ、そうだよね。もし、レオルドさんが昨日の人だったとして、影で醜いローブの人、だなんて言われるわけ無い。
「すみません、レオルドさん、人違いだった見たいで・・・」
「い、いえ。」
そう言うと、レオルドさんはフードを引っ張り、また私とは反対方向を向いた。
「その、夜に井戸で会った人ってのは、レオルドに似てたのか?」
「えっ?」
「今、レオルドの目元を見てそう言ったろ?」
「え、えぇ、はい。余り、はっきりとは覚えていないんですが、とても、綺麗な青色の瞳が印象てきで・・・。」
「っ!リオ嬢は、レオルドの目元を見て綺麗だと思ったのか!?」
「?・・・はい。」
なんで、サジャールさんがビックリしてるんだろう。と、私は首を傾げる。
あれ?レオルドさんも、もしかしてビックリしてる?
フードのせいで、レオルドさんの顔は見えず、表情は分からないが、先程、肩がビクッと反応したので、多分そうだろうと思う。
そこで私はラナちゃんと話した話を思い出す。
この世界と私の美的感覚の違い。
もしかして、レオルドさんの綺麗な青い瞳は余り好まれないのだろうか?
この世界の人が一体、なにで美醜を判断してるのかは分からないが、もう一度ラナちゃんと話そうとおもった。
「その、昨日あった人はどんな人だったんだ?」
「えーと、凄く綺麗な人でしたよ。今までで、見たことが無いくらい。」
私は、昨日井戸であった美青年の事を思い出し、うっとりした表情で語った。
「ふふふ、月明かりに照らされたその人はこの世の者とは思えない程、顔が整っていてですね、しかもスタイル抜群!サファイアの宝石みたいに輝く青い瞳はどこまでも広い海の様に透き通っていて綺麗で、光に当てられた髪の毛は・・・」
「なっ!リ、リオ嬢っ!ま、待ってくださいっ!」
「えっ?」
私はイメージしやすい様につぶっていた目を開き、声のした方を見る。
「レオルドさん?どうしたんですか?」
「リ、リオ嬢は、昨日、井戸で、その人以外と会いましたか?」
「いえ、昨日会ったのはひとりだけです。」
「ば、化け物の様な男は・・・」
「・・・?いえ、そんな人はいませんでしたよ?私が、昨日会ったのは見た目麗しい騎士様一人です。私が井戸に忘れたハンカチを持っていて・・・」
レオルドさんの質問に首をかしげながらも答える。
「レオルド、お前どうしたんだ?」
と、サジャールさんも不思議そうにレオルドさんを見る。
「いや、サジャール。昨日、リオ嬢と井戸で会ったのは、俺なんだ・・・。その、ハンカチの事も、会ってるし・・・」
「は?」
言いにくそうにレオルドさんがそう言うと、サジャールさんが目を見開き、私を見る。
私はと言うと、昨日のイケメンがレオルドさんだと知り、サジャールさんとは別の意味で目を見開いた。
「やっぱり、レ、レオルドさんだったんですか!?」
「いや、でも、」
サジャールさんが言いにくそうに口ごもったが、私は気にせずレオルドさんに詰め寄る。
「ほ、本当に、レオルドさんだったんですか!?」
「い、いや、あの、リオ嬢、その、俺は、リオ嬢が言った人物像とはかけ離れているんだ・・・。見てわかる通り、俺はスタイルも全然良くないし、顔なんて・・・。」
レオルドさんの話す声が段々小さくなり、最後に、「きっと、人違いだ。」と言った。
私は、レオルドさんの言葉にラナちゃんが言った言葉を思い出した。
『レオルドさんの顔を見ても顔を顰めなかったら信じる!』
あの時は失礼だと思ったけど、私のいた世界とこの世界で美的感覚に狂いがあるのを知っている私は、思い切って、レオルドさんにお願いしてみた。
「・・・レオルドさん、無理強いはしません。あの、一度、貴方の顔を見せてくれませんか?」
「っ、!」
「「「・・・」」」
つかの間の沈黙、それを破ったのはサジャールさんだった。
「リオ嬢、好奇心か何かは知らないけど、辞めといた方がいい。・・・レオルドの為にも。それに、リオ嬢が昨日見たのが、リオ嬢の言う通り、見た目麗しい騎士様なら、それはきっとレオルドじゃない。」
「・・・はい。」
気になる。けど、私はレオルドさんを傷つけたい訳じゃないので、ここは引くことにした。
その時、
「リオお姉ちゃんなら大丈夫だと思うよ」
そう言って、ニコリと笑いレオルドさんの昼食を持って来たラナちゃんが続けて言った。
「だって、リオお姉ちゃん、私の事、可愛いって言うのに、サジャールさんのことはあんまり、カッコ良くないって言ってたから。」
うわぁぁぁ!ラナちゃん!それ、本心だけど、本人に言ったらダメなやつだからぁぁー!!!
「え?」
レオルドさんの瞳を見上げるように見つめながら、お互い何も言えずに黙っていると、サジャールさんが首をかしげながら話に入ってきた。
じゃあ、昨日会ったのはレオルドさんじゃなかったって事?
まぁ、そうだよね。もし、レオルドさんが昨日の人だったとして、影で醜いローブの人、だなんて言われるわけ無い。
「すみません、レオルドさん、人違いだった見たいで・・・」
「い、いえ。」
そう言うと、レオルドさんはフードを引っ張り、また私とは反対方向を向いた。
「その、夜に井戸で会った人ってのは、レオルドに似てたのか?」
「えっ?」
「今、レオルドの目元を見てそう言ったろ?」
「え、えぇ、はい。余り、はっきりとは覚えていないんですが、とても、綺麗な青色の瞳が印象てきで・・・。」
「っ!リオ嬢は、レオルドの目元を見て綺麗だと思ったのか!?」
「?・・・はい。」
なんで、サジャールさんがビックリしてるんだろう。と、私は首を傾げる。
あれ?レオルドさんも、もしかしてビックリしてる?
フードのせいで、レオルドさんの顔は見えず、表情は分からないが、先程、肩がビクッと反応したので、多分そうだろうと思う。
そこで私はラナちゃんと話した話を思い出す。
この世界と私の美的感覚の違い。
もしかして、レオルドさんの綺麗な青い瞳は余り好まれないのだろうか?
この世界の人が一体、なにで美醜を判断してるのかは分からないが、もう一度ラナちゃんと話そうとおもった。
「その、昨日あった人はどんな人だったんだ?」
「えーと、凄く綺麗な人でしたよ。今までで、見たことが無いくらい。」
私は、昨日井戸であった美青年の事を思い出し、うっとりした表情で語った。
「ふふふ、月明かりに照らされたその人はこの世の者とは思えない程、顔が整っていてですね、しかもスタイル抜群!サファイアの宝石みたいに輝く青い瞳はどこまでも広い海の様に透き通っていて綺麗で、光に当てられた髪の毛は・・・」
「なっ!リ、リオ嬢っ!ま、待ってくださいっ!」
「えっ?」
私はイメージしやすい様につぶっていた目を開き、声のした方を見る。
「レオルドさん?どうしたんですか?」
「リ、リオ嬢は、昨日、井戸で、その人以外と会いましたか?」
「いえ、昨日会ったのはひとりだけです。」
「ば、化け物の様な男は・・・」
「・・・?いえ、そんな人はいませんでしたよ?私が、昨日会ったのは見た目麗しい騎士様一人です。私が井戸に忘れたハンカチを持っていて・・・」
レオルドさんの質問に首をかしげながらも答える。
「レオルド、お前どうしたんだ?」
と、サジャールさんも不思議そうにレオルドさんを見る。
「いや、サジャール。昨日、リオ嬢と井戸で会ったのは、俺なんだ・・・。その、ハンカチの事も、会ってるし・・・」
「は?」
言いにくそうにレオルドさんがそう言うと、サジャールさんが目を見開き、私を見る。
私はと言うと、昨日のイケメンがレオルドさんだと知り、サジャールさんとは別の意味で目を見開いた。
「やっぱり、レ、レオルドさんだったんですか!?」
「いや、でも、」
サジャールさんが言いにくそうに口ごもったが、私は気にせずレオルドさんに詰め寄る。
「ほ、本当に、レオルドさんだったんですか!?」
「い、いや、あの、リオ嬢、その、俺は、リオ嬢が言った人物像とはかけ離れているんだ・・・。見てわかる通り、俺はスタイルも全然良くないし、顔なんて・・・。」
レオルドさんの話す声が段々小さくなり、最後に、「きっと、人違いだ。」と言った。
私は、レオルドさんの言葉にラナちゃんが言った言葉を思い出した。
『レオルドさんの顔を見ても顔を顰めなかったら信じる!』
あの時は失礼だと思ったけど、私のいた世界とこの世界で美的感覚に狂いがあるのを知っている私は、思い切って、レオルドさんにお願いしてみた。
「・・・レオルドさん、無理強いはしません。あの、一度、貴方の顔を見せてくれませんか?」
「っ、!」
「「「・・・」」」
つかの間の沈黙、それを破ったのはサジャールさんだった。
「リオ嬢、好奇心か何かは知らないけど、辞めといた方がいい。・・・レオルドの為にも。それに、リオ嬢が昨日見たのが、リオ嬢の言う通り、見た目麗しい騎士様なら、それはきっとレオルドじゃない。」
「・・・はい。」
気になる。けど、私はレオルドさんを傷つけたい訳じゃないので、ここは引くことにした。
その時、
「リオお姉ちゃんなら大丈夫だと思うよ」
そう言って、ニコリと笑いレオルドさんの昼食を持って来たラナちゃんが続けて言った。
「だって、リオお姉ちゃん、私の事、可愛いって言うのに、サジャールさんのことはあんまり、カッコ良くないって言ってたから。」
うわぁぁぁ!ラナちゃん!それ、本心だけど、本人に言ったらダメなやつだからぁぁー!!!
23
あなたにおすすめの小説
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
美醜逆転までいかない何か
りこ
恋愛
異世界の価値観って、むずかしい……。
異世界に転移してしまった女子・黒須あずみ。
あずみという発音は難しいらしく、アシュリー・クロスという名前で生きていくことに。
冒険者になったはいいものの、戦闘経験もなく、出来ることは雑用や薬草採取ばかり。
お金も経験もなく、日々の生活で手一杯の中で出会ったのは──仮面をつけた物静かで優しい青年・ロロシュ。
どこか周囲から浮いている彼は、左右の目の幅が非対称で不気味だと陰口を叩かれていた。
……正直、見てもわからない程度。
アシュリーには、ロロシュの優しさも、真面目な仕事ぶりも、何より彼の顔も……ぜんぜん“おかしく”なんて思えなかった。
異世界ならではの「ズレた美醜感覚」に戸惑いながらも、
ふたりは少しずつ距離を縮め、やがて“相棒”として絆を育んでいく。
──でも、世界の偏見は、そんなに甘くない。
ふたりが向き合うのは、外見の話だけじゃない。
“違い”のある世界で、それでも一緒に生きていくために。
これは、美醜逆転までいかない“どこかズレた世界”で、
ふたりが互いの居場所になるまでの、ささやかな冒険と再出発の物語。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
私だけ価値観の違う世界~婚約破棄され、罰として醜男だと有名な辺境伯と結婚させられたけれど何も問題ないです~
キョウキョウ
恋愛
どうやら私は、周りの令嬢たちと容姿の好みが違っているみたい。
友人とのお茶会で発覚したけれど、あまり気にしなかった。
人と好みが違っていても、私には既に婚約相手が居るから。
その人と、どうやって一緒に生きて行くのかを考えるべきだと思っていた。
そんな私は、卒業パーティーで婚約者である王子から婚約破棄を言い渡された。
婚約を破棄する理由は、とある令嬢を私がイジメたという告発があったから。
もちろん、イジメなんてしていない。だけど、婚約相手は私の話など聞かなかった。
婚約を破棄された私は、醜男として有名な辺境伯と強制的に結婚させられることになった。
すぐに辺境へ送られてしまう。友人と離ればなれになるのは寂しいけれど、王子の命令には逆らえない。
新たにパートナーとなる人と会ってみたら、その男性は胸が高鳴るほど素敵でいい人だった。
人とは違う好みの私に、バッチリ合う相手だった。
これから私は、辺境伯と幸せな結婚生活を送ろうと思います。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
異世界推し生活のすすめ
八尋
恋愛
現代で生粋のイケメン筋肉オタクだった壬生子がトラ転から目を覚ますと、そこは顔面の美の価値観が逆転した異世界だった…。
この世界では壬生子が理想とする逞しく凛々しい騎士たちが"不細工"と蔑まれて不遇に虐げられていたのだ。
身分違いや顔面への美意識格差と戦いながら推しへの愛を(心の中で)叫ぶ壬生子。
異世界で誰も想像しなかった愛の形を世界に示していく。
完結済み、定期的にアップしていく予定です。
完全に作者の架空世界観なのでご都合主義や趣味が偏ります、ご注意ください。
作者の作品の中ではだいぶコメディ色が強いです。
誤字脱字誤用ありましたらご指摘ください、修正いたします。
なろうにもアップ予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる