はた迷惑な彼女~多忙過ぎる女医とアイドルの恋愛~

月湖

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「お待たせ。飛び込みで団体さんが入っちゃったから、時間掛かった。ごめん。
ビール1杯サービスするから勘弁。
つーか美乃莉、チキンライスのオムライスは大人用じゃないって言ったのに」

カートに乗せた料理とビールをテーブルに並べながら優人が言う。

「普通にオーダー通したの、お前じゃん(笑)」
「うっかりしたんだよ」
「ちゃんと持ってきてるし(笑)」
「そりゃ、オーダー通しちゃったし?(笑)」

ふふ、と俺を見ながら笑う優人は文句を言いながらも機嫌は良さそうだ。

「皐月さんがオムライス好きだって」
「そりゃ良かった。俺のオムライス、絶品よ? な?美乃莉」
「うん」

兄妹の仲も良さそうだし。
うん、だって。やべえ。可愛い。

「じゃあ、ごゆっくり」

パチンと俺にウインクして出て行った優人。
大事な妹の相手に合格した、って事でいいんだろうか。
まあ、大事にするけどさ。

「兄さんと仲良いんだね」
「年が近い分、昔は喧嘩もしましたけど(笑) でも今は兄弟の仲では一番近い感じです。
お願いすると美味しいご飯も食べさせてもらえるし(笑)」

彼女の視線はホカホカのオムライスに。
まあね、部屋中に美味しい匂いが漂ってるし。
俺の腹も鳴りそうだわ。

「確かに美味そう(笑)
温かいうちに食おう。いただきまーす!」

冷たいビールに、美味いピザ。最高の組み合わせだね!
一応取り皿も前に置くけど、ピザ1ピースにそんなもんは使わねえよ?
宅配ならSサイズよりちょい大きめなくらいのピザの1ピース。
このくらいなら3口だ。

「んー!うめえ!」
「じゃあ私も。いただきます」

きちんと手を合わせて言った後、俺と同じマルガリータの1ピースを取り大きな口で頬張る彼女。
ホント、美味そうに食うよなあ。

オムライスを食う時、ふざけて『あーん』と口元にスプーンを持っていったら
真っ赤な顔で「いや、まだそういうのは!」と目の前で手を振った。
まだって事は、付き合ったらやってもいいって事だな(笑)

意外だったのは彼女はお酒に強かった事。
2杯、3杯と俺と同じペースで飲んでいて、それでいて顔にも出ない。
「美味しいですね」とニコニコしながらどんどん食べ進めていくのを見るのは気持ちが良かったし、同じペースで食事が出来るから、変にタイミングを計らなきゃいけないなんて事も無くて。

こんなに楽な気分でいられる女の子との食事は初めてだった。



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