何の変哲もない異世界冒険譚

kairu

文字の大きさ
3 / 4
プロローグ

プロローグ

しおりを挟む
単語ルビ 日常は長くは続かない

 毎日何かしらの変化があり、日常の一部は知らない間に変わっていく。

 それにも順応しそれを日常として今日も過ごす。

 そんな未来#を見た





 目覚まし時計のうるさい音を止めて目を覚ます。

 午前7時20分、いつもよりすごく早く起きたなと眠気が残る頭で考える。

 俺は霧崎覇龍。一般にキラキラネームと呼ばれそうな名前なだけのありきたりな人だ

 知り合いからはよく、「りゅう」と呼ばれている。

 今は春休み。高校受験が終わり、友人にからかわれて変えた第一志望校にあっさりと落ち。

 第二志望校という名の第一志望への準備も終え一番のびのびできる時期だ。

 今日は何をしようか、何か用事はあったかとカレンダーを見て…

 背筋が寒くなるのを感じた。

 今日は高校の入学式だ。

 友人と行く約束をしており、その時間まで残り10分もない。

 新しい制服を着てワクワクするとか高校での楽しい経験を創造する暇なんて少しもない。

 友人が呼びだす声に「あとちょっと待ってて」と言い捨てながら学校に行く準備を進めた。



 待たせていた友人に謝りながら合流する。

 「おはよ~」

 とあいさつをするのは千葉快斗。

 賢いらしいが全くそんな気配がなく、中学校では知り合い全員からミステリアスとか謎が多いとか散々言われていた可哀想で不思議な奴だ。

「遅かったけど大丈夫?」

 と声をかけてくるのは一ノ瀬優斗。

 幼馴染で快斗ともう一人のいうところのヒロイン力とやらがものすごく高い。

 刺繍、料理、何でもできるし

 優しいからか男なのに同性からの告白が数か月に一度起こる。

 「りゅう、月花は今日休むって」

 優斗がそう伝えてくれる

 北川月花、快斗と一緒にヒロイン力やら主人公力などを提唱したり、TRPGのシナリオを作ったりしている。

 小柄で4人の中で唯一の女性だ。

 そこに俺を加えた四人でよく遊んだり話したりしている。

 「残念だったな」

 と返し、時間を聞くと集合時間まではまだ時間があったのでゆっくりと話しながら歩く。

 途中で快斗が「自分の選択を後悔しないでよ」などと意味深な事を言ったりしながら俺たちは高校に向かっていった。

 今日からまた新しく楽しい日常が始まる。そんな予感がした。

 でも、日常は、たった一つの違いで、崩れていく。

 「危ない!!」

 その言葉は誰に向けてか、誰が言ったのか、一瞬わからなかった。

 誰に向けてかはすぐに分かった。

 だから走り出した。

 そして突き飛ばした。

 俺ははねられていた。

 空に飛ぶ。

 落ちるまでの時間が長く感じる。

 今までの記憶が走馬灯のように駆けていく。

 最後に流れたのは3人で話しているときに快斗が言っていた

 「自分の選択を後悔しないでよ」

 という言葉だった。

 地面にたたきつけらる。

 朦朧とする意識の中最後に見えたのは駆け寄ってくる優斗と4つの目だった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。 その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。 爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。 爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。 『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』 人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。 『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』 諸事情により不定期更新になります。 完結まで頑張る!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...