5 / 50
休息日
しおりを挟む
町から程近い場所。青々とした草原が広がっていて、開放感がある。遠くには休憩できるスペースなのかベンチとテーブルが見える。
そんなのんびりとした場所にアッシュと来ていた。
いつも冒険ばかりだからたまの休息日と考えたのだ。
だから気を抜いていたのだ。
まさか、こんな長閑な場所で魔物に襲われるとは・・・!
『グゥウウウウ・・・』
『ガゥ・・・ワウン!』
ユータとアッシュは周りをグレートウルフの群れに囲まれてしまっていた。
グレートウルフの口からはヨダレが垂れ、鋭い眼光でユータを見ている。
足は地面を何度も掻いていて、今にも飛びかかってきそうな雰囲気を出している。
対するユータは、休息日なのと町から程近い場所と安心していた事で武器は持っていない状態であった。
絶対絶命のピンチだ!
唯一持っているのは、ここに来る前に新調した丸型の投げ武器とボール。あとはバッグに干し肉が少し入っているくらいだ。
「どうしたらいいんだ・・・?まだ新しい武器には慣れていないから、投げても飛ばせないし、ボールで対抗するしかないのか?!」
対策を考えるがなかなかいい案が浮かばない。その間もジリジリと間を詰められてくる。
グレートウルフは余裕の態度で尻尾を大きく振って近づいてくる。
焦るユータ。
そこへユータの前に飛び出してくる影があった!
なんとアッシュだった!!
アッシュは、グレートウルフを睨みつけ・・・
「アウ!アウン!」
威嚇し始めたのだ。そして、そのままグレートウルフのお尻に噛み付いた!
だが相手もやられっぱなしではなく、抵抗してくる。アッシュのお尻を噛みつこうと身体を動かしてくる。
周りのグレートウルフは、この戦いを見守っている。
(もしかして、あのグレートウルフがリーダーだったのかな?だから、アッシュはアイツに飛びかかったのだろうか?)
アッシュが戦っているのを横目にユータは状況を確認するのに必死だった。
2匹の戦いはなかなか決定打がなく、長引きそうな空気になってきた。
なんとかしたいが、どうしたらいいかわからないユータはふと手元の武器に目を向ける。
「・・・一か八かやってみるしかないか。」
覚悟を決めたユータは、丸型の投げ武器を構えた。それから大きく振りかぶり思い切って投げた!グレートウルフに向かって!
丸型の投げ武器は、そこそこのスピードで一直線に飛んだ。
・・・地面に向かって。
「あ・・・あれ?」
地面に叩きつけられるように飛んだ武器は、そのまま地面に当たり一度飛び跳ね落ちた。
しかし、そのトリッキーな動きが目を引いたのか周りのグレートウルフが興味深々と鼻をふんふん鳴らしながら、その投げ武器に集まってきた。
「あれ?なんか思ってたのと違ったけど、なんとか気が逸らせたと考えていいのかな?」
ちょっと気恥ずかしく頭を掻きながら、ユータは次の武器の準備をした。
「ボールでどこまでできるか分からないけど、やってみるか!」
大きく振りかぶり、今度はボールを投げる!
「よおぉーしっ!!行けぇぇー!!」
弧を描き遠くへと飛んでいく。
瞬間、グレートウルフ達の瞳がキラリと光る!投げた瞬間、我先にとボールに向かって飛び出す!
そう!あのボールはただのボールではないのだ!
犬系の魔物の気を引くように魅了の魔法が込められているボールなのだ。
たまたまアッシュの為に持ってきていたのだが、それが功を奏したようだ。
「アッシュ!今のうちに逃げるぞ!武器を持って出直しだ!」
アッシュへと目線を動かすと・・・いたはずの場所にアッシュが居ない。
「アッシュ?!どこに行ったんだ?!」
アッシュを探しているうちに、ドドドドドドドッ!と土煙と共に魔物達が向かってきた。先頭はなんと、アッシュだった!
「追われているのか?!助けなきゃ!」
慌ててアッシュに近づくと、アッシュの口元にあのボールが。
「これを追いかけているのか?さすが魅了の魔法がかかっているだけある。アッシュまで魅了されちゃったのは失敗だったが・・・それならっ!」
アッシュからボールを取ると、すぐにアッシュを抑えて、力一杯ボールを投げた!
案の定、またグレートウルフ達はボールへと向かって走り去っていった。
「今のうちに戻るぞ!」
「ワウン・・・ワフっ・・・」
少し疲れたのか動きの鈍いアッシュを引きずり、その場から退避することに成功したユータだった。
「ママ~!ボールを取られちゃったー!」
「ははっ!見てたわよー!他のワンちゃんとも遊んであげてたのね。大丈夫よ!あのワンちゃんは賢い子だからボールは持ってきてくれるのよ。」
ユータの後ろからタッタッタッと軽快な足音を鳴らしてゴールデンレトリバーが近づいてくる。口には先程ユータが投げたボールを加えていた。
ユータは少し怖がっているようだったので、ママがそっと近づきボールをゴールデンレトリバーからもらう。
「すいませーん!うちの犬とも遊んでくれてありがとうございます。身体が大きいから怖かったかな?」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それにしても賢い子ですねー。ドッグランって初めて来たんですけど、みんないい子で安心しました!」
ママと一緒に話していた女の人が話しかけてきたが、こちらの返事は求めていないようだった。そのままママと話し込んでいく。
「次は負けないからな!それまでにフリスビーを投げる練習をしておくぞ!アッシュ付き合ってね!」
「ワン!」
1人と1匹は元気に駆け出していくのだった。後ろにはゴールデンレトリバーも一緒だった。
ーーーーーーーーーー
ちなみにアッシュはお尻を噛みついていません。匂いを嗅いでいただけです。(笑)
そんなのんびりとした場所にアッシュと来ていた。
いつも冒険ばかりだからたまの休息日と考えたのだ。
だから気を抜いていたのだ。
まさか、こんな長閑な場所で魔物に襲われるとは・・・!
『グゥウウウウ・・・』
『ガゥ・・・ワウン!』
ユータとアッシュは周りをグレートウルフの群れに囲まれてしまっていた。
グレートウルフの口からはヨダレが垂れ、鋭い眼光でユータを見ている。
足は地面を何度も掻いていて、今にも飛びかかってきそうな雰囲気を出している。
対するユータは、休息日なのと町から程近い場所と安心していた事で武器は持っていない状態であった。
絶対絶命のピンチだ!
唯一持っているのは、ここに来る前に新調した丸型の投げ武器とボール。あとはバッグに干し肉が少し入っているくらいだ。
「どうしたらいいんだ・・・?まだ新しい武器には慣れていないから、投げても飛ばせないし、ボールで対抗するしかないのか?!」
対策を考えるがなかなかいい案が浮かばない。その間もジリジリと間を詰められてくる。
グレートウルフは余裕の態度で尻尾を大きく振って近づいてくる。
焦るユータ。
そこへユータの前に飛び出してくる影があった!
なんとアッシュだった!!
アッシュは、グレートウルフを睨みつけ・・・
「アウ!アウン!」
威嚇し始めたのだ。そして、そのままグレートウルフのお尻に噛み付いた!
だが相手もやられっぱなしではなく、抵抗してくる。アッシュのお尻を噛みつこうと身体を動かしてくる。
周りのグレートウルフは、この戦いを見守っている。
(もしかして、あのグレートウルフがリーダーだったのかな?だから、アッシュはアイツに飛びかかったのだろうか?)
アッシュが戦っているのを横目にユータは状況を確認するのに必死だった。
2匹の戦いはなかなか決定打がなく、長引きそうな空気になってきた。
なんとかしたいが、どうしたらいいかわからないユータはふと手元の武器に目を向ける。
「・・・一か八かやってみるしかないか。」
覚悟を決めたユータは、丸型の投げ武器を構えた。それから大きく振りかぶり思い切って投げた!グレートウルフに向かって!
丸型の投げ武器は、そこそこのスピードで一直線に飛んだ。
・・・地面に向かって。
「あ・・・あれ?」
地面に叩きつけられるように飛んだ武器は、そのまま地面に当たり一度飛び跳ね落ちた。
しかし、そのトリッキーな動きが目を引いたのか周りのグレートウルフが興味深々と鼻をふんふん鳴らしながら、その投げ武器に集まってきた。
「あれ?なんか思ってたのと違ったけど、なんとか気が逸らせたと考えていいのかな?」
ちょっと気恥ずかしく頭を掻きながら、ユータは次の武器の準備をした。
「ボールでどこまでできるか分からないけど、やってみるか!」
大きく振りかぶり、今度はボールを投げる!
「よおぉーしっ!!行けぇぇー!!」
弧を描き遠くへと飛んでいく。
瞬間、グレートウルフ達の瞳がキラリと光る!投げた瞬間、我先にとボールに向かって飛び出す!
そう!あのボールはただのボールではないのだ!
犬系の魔物の気を引くように魅了の魔法が込められているボールなのだ。
たまたまアッシュの為に持ってきていたのだが、それが功を奏したようだ。
「アッシュ!今のうちに逃げるぞ!武器を持って出直しだ!」
アッシュへと目線を動かすと・・・いたはずの場所にアッシュが居ない。
「アッシュ?!どこに行ったんだ?!」
アッシュを探しているうちに、ドドドドドドドッ!と土煙と共に魔物達が向かってきた。先頭はなんと、アッシュだった!
「追われているのか?!助けなきゃ!」
慌ててアッシュに近づくと、アッシュの口元にあのボールが。
「これを追いかけているのか?さすが魅了の魔法がかかっているだけある。アッシュまで魅了されちゃったのは失敗だったが・・・それならっ!」
アッシュからボールを取ると、すぐにアッシュを抑えて、力一杯ボールを投げた!
案の定、またグレートウルフ達はボールへと向かって走り去っていった。
「今のうちに戻るぞ!」
「ワウン・・・ワフっ・・・」
少し疲れたのか動きの鈍いアッシュを引きずり、その場から退避することに成功したユータだった。
「ママ~!ボールを取られちゃったー!」
「ははっ!見てたわよー!他のワンちゃんとも遊んであげてたのね。大丈夫よ!あのワンちゃんは賢い子だからボールは持ってきてくれるのよ。」
ユータの後ろからタッタッタッと軽快な足音を鳴らしてゴールデンレトリバーが近づいてくる。口には先程ユータが投げたボールを加えていた。
ユータは少し怖がっているようだったので、ママがそっと近づきボールをゴールデンレトリバーからもらう。
「すいませーん!うちの犬とも遊んでくれてありがとうございます。身体が大きいから怖かったかな?」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それにしても賢い子ですねー。ドッグランって初めて来たんですけど、みんないい子で安心しました!」
ママと一緒に話していた女の人が話しかけてきたが、こちらの返事は求めていないようだった。そのままママと話し込んでいく。
「次は負けないからな!それまでにフリスビーを投げる練習をしておくぞ!アッシュ付き合ってね!」
「ワン!」
1人と1匹は元気に駆け出していくのだった。後ろにはゴールデンレトリバーも一緒だった。
ーーーーーーーーーー
ちなみにアッシュはお尻を噛みついていません。匂いを嗅いでいただけです。(笑)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
一国一城の主を目指す!〜渇望の日々を超えて。
リョウ
ファンタジー
何者かになりたかった。
だが現世でその願いは叶わず、男は敗北感と悲嘆を胸に沈んでいた。
そんな彼の前に現れたのは、一柱の女神。
導かれるまま異世界へ転移した男は、新たにレイと名乗り、剣も魔法も身分もない底辺から成り上がることを決意する。
冒険者として生きる術を学び、魔法を覚え、剣を磨き、人と裏社会を見極めながら、レイは少しずつ力を蓄えていく。
目指すのは、ただ生き延びることではない。
一国一城の主となり、この世界で“何者か”になること。
渇望を燃料に、知恵と執念で上へ上へと這い上がる、ファンタジー成り上がり譚。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる