38 / 50
怪盗ふたたび
しおりを挟む
夜の闇を照らすように満月の光が街中を照らす。そこにできる影の縫うように進む黒いマントをたなびかせて走る男の姿があった。
怪盗ユータだ。
今回の目標は、伯爵家の屋敷にある宝石だ。
その宝石は、ある男爵家に代々伝わる当主に継承されるという宝石だ。
その宝石がなぜ、伯爵家にあるかというと・・・
『騙されたんだ!宝石を見てみたいとかなり強引に頼まれて、どうしても断れなかったので目の前でならと・・・どこですり替えたのかは全く分からなかったのですが、あの時に入れ替えられたのだとしか考えられない!だが、相手は格上の伯爵・・・どこへ訴えても私の手元にあるこの偽物が、本物だと言われてしまう・・・うう・・・。』
酒場で大きな声で、強い酒を飲み続けるまだ若い旦那が大声で叫んでいる。
その様子を周りの人は気の毒そうに見るが、相手が貴族であるならば平民にはどうする事もできないと、諦めの色が見える。
酒場の店主もスッとおかわりの酒を出すぐらいしかできなかった。
そこへ帽子を目深に被った1人の男が話しかける。
「大変な目に遭ったんだなぁ。気の毒に・・・だが、その手にある宝石がなぜ偽物だと分かるんだ?」
酒に酔った旦那は、疑問に思う事もなくペラペラと話し始める。
『あの宝石は陽の光に当てると男爵家の紋章が浮かび上がるように魔法が込められているんだ。だが、この宝石には浮かび上がらない。だからすり替えられたんだと気づいたんだ。たが、直接問いただしても知らぬ存ぜぬの一点張りだ。・・・もう、終わりだぁ・・・。』
その言葉を最後に旦那は飲み潰れて寝てしまったのだった。
「なるほど、そうかぁ。よし、その依頼受けてやる!」
帽子を目深に被った男の言葉は誰にも届かなかった。
しかし、この男こそ、怪盗ユータだったのだ!
警備の目を掻い潜り、ユータは伯爵の屋敷へ侵入する。
ある扉の前にたどり着くと、そーっとドアを開く。鍵は掛かっていない。
長い廊下が続いていた。
「この先が怪しいな。」
ユータが足を進めると、足を踏み出した床の感触が違った。なぜか柔らかい。
廊下をまっすぐに歩こうとしても、どうしても跳ねてしまうのだ。
「これは・・・トランポリンの魔法が掛かっている?解除のスイッチはどこだ!?」
ポヨンポヨンと跳ねながら、なんとか進もうとするがなかなか進む事ができない。
「くっ・・・なんて、・・・・・・・・・・・なんて楽しい罠なんだ!やめられないぃぃ!!くそぉぉぉ!!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
仮面つけたユータは、トランポリンの上をポヨンポヨンと跳ねていた。
「これは、こうみょうな、わなだ!抜け出せない!くそぉ!」
アッシュがトランポリン周りをぐるぐるまわりながら、アンッアンッ!と吠えている。
一緒に飛んでいる気分なのかもしれない。
「ユー君、頑張って抜け出してー。」
気合いの入らないママの声が響く中、ユータは「抜け出せない!」と、ポヨンポヨン跳ねて続けていた。
怪盗ユータだ。
今回の目標は、伯爵家の屋敷にある宝石だ。
その宝石は、ある男爵家に代々伝わる当主に継承されるという宝石だ。
その宝石がなぜ、伯爵家にあるかというと・・・
『騙されたんだ!宝石を見てみたいとかなり強引に頼まれて、どうしても断れなかったので目の前でならと・・・どこですり替えたのかは全く分からなかったのですが、あの時に入れ替えられたのだとしか考えられない!だが、相手は格上の伯爵・・・どこへ訴えても私の手元にあるこの偽物が、本物だと言われてしまう・・・うう・・・。』
酒場で大きな声で、強い酒を飲み続けるまだ若い旦那が大声で叫んでいる。
その様子を周りの人は気の毒そうに見るが、相手が貴族であるならば平民にはどうする事もできないと、諦めの色が見える。
酒場の店主もスッとおかわりの酒を出すぐらいしかできなかった。
そこへ帽子を目深に被った1人の男が話しかける。
「大変な目に遭ったんだなぁ。気の毒に・・・だが、その手にある宝石がなぜ偽物だと分かるんだ?」
酒に酔った旦那は、疑問に思う事もなくペラペラと話し始める。
『あの宝石は陽の光に当てると男爵家の紋章が浮かび上がるように魔法が込められているんだ。だが、この宝石には浮かび上がらない。だからすり替えられたんだと気づいたんだ。たが、直接問いただしても知らぬ存ぜぬの一点張りだ。・・・もう、終わりだぁ・・・。』
その言葉を最後に旦那は飲み潰れて寝てしまったのだった。
「なるほど、そうかぁ。よし、その依頼受けてやる!」
帽子を目深に被った男の言葉は誰にも届かなかった。
しかし、この男こそ、怪盗ユータだったのだ!
警備の目を掻い潜り、ユータは伯爵の屋敷へ侵入する。
ある扉の前にたどり着くと、そーっとドアを開く。鍵は掛かっていない。
長い廊下が続いていた。
「この先が怪しいな。」
ユータが足を進めると、足を踏み出した床の感触が違った。なぜか柔らかい。
廊下をまっすぐに歩こうとしても、どうしても跳ねてしまうのだ。
「これは・・・トランポリンの魔法が掛かっている?解除のスイッチはどこだ!?」
ポヨンポヨンと跳ねながら、なんとか進もうとするがなかなか進む事ができない。
「くっ・・・なんて、・・・・・・・・・・・なんて楽しい罠なんだ!やめられないぃぃ!!くそぉぉぉ!!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
仮面つけたユータは、トランポリンの上をポヨンポヨンと跳ねていた。
「これは、こうみょうな、わなだ!抜け出せない!くそぉ!」
アッシュがトランポリン周りをぐるぐるまわりながら、アンッアンッ!と吠えている。
一緒に飛んでいる気分なのかもしれない。
「ユー君、頑張って抜け出してー。」
気合いの入らないママの声が響く中、ユータは「抜け出せない!」と、ポヨンポヨン跳ねて続けていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
一国一城の主を目指す!〜渇望の日々を超えて。
リョウ
ファンタジー
何者かになりたかった。
だが現世でその願いは叶わず、男は敗北感と悲嘆を胸に沈んでいた。
そんな彼の前に現れたのは、一柱の女神。
導かれるまま異世界へ転移した男は、新たにレイと名乗り、剣も魔法も身分もない底辺から成り上がることを決意する。
冒険者として生きる術を学び、魔法を覚え、剣を磨き、人と裏社会を見極めながら、レイは少しずつ力を蓄えていく。
目指すのは、ただ生き延びることではない。
一国一城の主となり、この世界で“何者か”になること。
渇望を燃料に、知恵と執念で上へ上へと這い上がる、ファンタジー成り上がり譚。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる