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白と黒の邂逅
005 契約
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ミナミは「呪い」によって全身をバキバキに硬化させたカイドに向かって走り、一瞬で距離を詰めた。
カイドが腕を前に出し、防御の姿勢を取ったが、ただ、一閃、ミナミがナイフを当てたーーーようにナガトの目には映ったーーーだけで、硬化した筈のカイドの身体の3箇所から、また血飛沫があがり、カイドは膝をつけてゆっくりと倒れた。
言葉を失ったナガトを見て、ミナミは
「何、殺してはない。」
と冷静に言い放った。
ナガトは、はっと我を取り戻したかの様にして聞いた。
「そいつは…どうするんだ?殺すのか?」
「犯罪を犯した者は王国の軍に捕まると、王都にある王国直轄の牢獄に入れられる。テーナタウンの人間も同様。しかし、「呪い」を持った人間はここから出られない。
ところで、このテーナタウンの地下に何があるか知っているか?」
ナガトには話が見えなかったが、ミナミは気にせず続けた。
「「呪い」を持った犯罪者はここ、テーナタウンの地下にある牢獄に収容される。」
サラッと言ったミナミに対して、ナガトは驚いた。今までここでずっと生きてきたが、テーナタウンに地下があるなんて知らなかった。それも犯罪者が収容されているなんて…普通、「呪い」を持った人間は負けると殺され、「呪い」を奪われる。収容するなんて考えたこともなかった。
しかし、そうであるならミナミと名乗ったこの女は何者だ?さっきは犯罪の女王なんて言われていたが…だったら敢えてカイドを生かしておく必要はない筈…
ナガトの考えている事を見透かした様にミナミは話し始める。
「私は犯罪者。それは本当だが、今回ここに来たのはこの国の王に頼まれたからさ。
最近テーナタウンでは多くの勢力がそれぞれ暗躍しているなんて言う噂があるらしい。そこで、テーナタウンとかいうクソスラムを、統一しろ、ってな。」
「はああ!!???統一!?バカ言うな!無理だ!死ぬぞ!!」
吠えるナガトを真っ直ぐ見定めて再び口を開く。
「おいガキ。名前は?」
「…ナガト…」
「ナガト…ね。
よし、ナガト、お前を利用したい。手を組もう!私と一緒にここを統一しよう!!」
「は、はぁぁ!?」
「因みに、お前に拒否権はない。何故なら拒否した瞬間、ここでお前の首は飛ぶからだ。」
「はあぁぁあ!????」
ナガトは口をあんぐりと開き、「はぁ!?」とだけ言う機械に成り果てた。人生で「はぁ!?」をこんなに連発したのは初めてだ。
「悪い話じゃない筈だ。私は最強だ。今日みたく、お前をある程度であれば守ってやっていい。」
「私は統一のため、お前は生きるために手を組もう!お互いを!利用しようじゃねぇか!」
「はぁ…」
ナガトはまた、「はぁ」と、今度は溜め息をついた。
カイドが腕を前に出し、防御の姿勢を取ったが、ただ、一閃、ミナミがナイフを当てたーーーようにナガトの目には映ったーーーだけで、硬化した筈のカイドの身体の3箇所から、また血飛沫があがり、カイドは膝をつけてゆっくりと倒れた。
言葉を失ったナガトを見て、ミナミは
「何、殺してはない。」
と冷静に言い放った。
ナガトは、はっと我を取り戻したかの様にして聞いた。
「そいつは…どうするんだ?殺すのか?」
「犯罪を犯した者は王国の軍に捕まると、王都にある王国直轄の牢獄に入れられる。テーナタウンの人間も同様。しかし、「呪い」を持った人間はここから出られない。
ところで、このテーナタウンの地下に何があるか知っているか?」
ナガトには話が見えなかったが、ミナミは気にせず続けた。
「「呪い」を持った犯罪者はここ、テーナタウンの地下にある牢獄に収容される。」
サラッと言ったミナミに対して、ナガトは驚いた。今までここでずっと生きてきたが、テーナタウンに地下があるなんて知らなかった。それも犯罪者が収容されているなんて…普通、「呪い」を持った人間は負けると殺され、「呪い」を奪われる。収容するなんて考えたこともなかった。
しかし、そうであるならミナミと名乗ったこの女は何者だ?さっきは犯罪の女王なんて言われていたが…だったら敢えてカイドを生かしておく必要はない筈…
ナガトの考えている事を見透かした様にミナミは話し始める。
「私は犯罪者。それは本当だが、今回ここに来たのはこの国の王に頼まれたからさ。
最近テーナタウンでは多くの勢力がそれぞれ暗躍しているなんて言う噂があるらしい。そこで、テーナタウンとかいうクソスラムを、統一しろ、ってな。」
「はああ!!???統一!?バカ言うな!無理だ!死ぬぞ!!」
吠えるナガトを真っ直ぐ見定めて再び口を開く。
「おいガキ。名前は?」
「…ナガト…」
「ナガト…ね。
よし、ナガト、お前を利用したい。手を組もう!私と一緒にここを統一しよう!!」
「は、はぁぁ!?」
「因みに、お前に拒否権はない。何故なら拒否した瞬間、ここでお前の首は飛ぶからだ。」
「はあぁぁあ!????」
ナガトは口をあんぐりと開き、「はぁ!?」とだけ言う機械に成り果てた。人生で「はぁ!?」をこんなに連発したのは初めてだ。
「悪い話じゃない筈だ。私は最強だ。今日みたく、お前をある程度であれば守ってやっていい。」
「私は統一のため、お前は生きるために手を組もう!お互いを!利用しようじゃねぇか!」
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ナガトはまた、「はぁ」と、今度は溜め息をついた。
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