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呪いと祝福の境界
014 開戦
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「だからこそいいんだ」
と笑ったミナミはこう繋げた。
「その大勢いる雑魚は私がやる。ナガト、お前はカルタの相手をしとけ。」
「なっ!?さっきは不意打ちでもボコられた。真っ向からやったら絶対勝てない!」
焦るナガトにミナミはこう続ける。
「勝たなくていい。
時間稼ぎをしろ。私が雑魚を倒す間に、カルタに逃げられない様に。」
「その大勢の雑魚が、戦闘の意思を持ってるか、分からないだろ。初めからミナミがカルタの相手をした方がいい。」
「いや、どちらにせよ雑魚は倒す。んで、その役目は、私の方が適任だ。お前じゃ躊躇うかも知れないからな。」
ナガトは自分の意見が全く聞き入れられず、十分な説明もない事から不信感を募らせたが、他に仕方がない。
ミナミは教会の大きな扉の前に立ち、足で蹴り、突き破った。轟音を立てて扉が倒れる。
中にいた教団の信者達が、何だ何だと、声を上げる。ナガトはその騒つく信者達の奥に、1人綺麗な姿勢で立っているあの時の、白いローブの男を見つけた。
また負けるであろうという恐怖を噛み殺し、全身に力を入れる。目が光を帯びる。脚に力を込め、一気にカルタめがけて距離を詰めた。カルタもそれに気付き、ナガトの攻撃を躱す。
カルタが急いだ口振りで言った。
「我らが教団に!神に仇をなす者達です。皆さんはあの扉を倒した女を捉えてください!」
そう言うと、カルタは教会の奥に逃げた。ナガトもすぐに後を追った。
取り残されたミナミは、襲いかかる多くの信者らを目の前にしていた。人数にして100人前後。予想より多い。そして何より、一人一人が普通の動きではない。やはり身体能力が強化されていると考えるべきか。しかし100人全員がそれぞれ「呪い」を持ってる可能性は殆ど0だろう。となるとやはり…
ミナミはナイフを懐からとりだした。
一方ナガトは、逃げ出したカルタを追っていた。
奥の部屋はそれ以上、逃げる場所が無いらしく、それまで背中を見せて逃げていたナガトは立ち止まり、振り向いて言った。
「こんな所までわざわざ来るなんて。貴方も酔狂ですね。
しかし、私が逃げるのはおかしいと感じませんでしたか?」
そう言うとカルタは白いローブを脱ぎ捨てた。
「先刻のような、完全なる不意打ちであっても、私はあなたを完封しています。どう足掻いてもあなたは私に勝てないでしょう。
であれば、なぜ逃げたと思いますか?」
カルタは口を閉じて微笑んだ。
ミナミと分断させるためだろうか、いや、そんな理由は、今はどうでもいいと捨て置いた。
カルタは手をコキコキと鳴らしている。
ナガトも目の前の男に集中した。
と笑ったミナミはこう繋げた。
「その大勢いる雑魚は私がやる。ナガト、お前はカルタの相手をしとけ。」
「なっ!?さっきは不意打ちでもボコられた。真っ向からやったら絶対勝てない!」
焦るナガトにミナミはこう続ける。
「勝たなくていい。
時間稼ぎをしろ。私が雑魚を倒す間に、カルタに逃げられない様に。」
「その大勢の雑魚が、戦闘の意思を持ってるか、分からないだろ。初めからミナミがカルタの相手をした方がいい。」
「いや、どちらにせよ雑魚は倒す。んで、その役目は、私の方が適任だ。お前じゃ躊躇うかも知れないからな。」
ナガトは自分の意見が全く聞き入れられず、十分な説明もない事から不信感を募らせたが、他に仕方がない。
ミナミは教会の大きな扉の前に立ち、足で蹴り、突き破った。轟音を立てて扉が倒れる。
中にいた教団の信者達が、何だ何だと、声を上げる。ナガトはその騒つく信者達の奥に、1人綺麗な姿勢で立っているあの時の、白いローブの男を見つけた。
また負けるであろうという恐怖を噛み殺し、全身に力を入れる。目が光を帯びる。脚に力を込め、一気にカルタめがけて距離を詰めた。カルタもそれに気付き、ナガトの攻撃を躱す。
カルタが急いだ口振りで言った。
「我らが教団に!神に仇をなす者達です。皆さんはあの扉を倒した女を捉えてください!」
そう言うと、カルタは教会の奥に逃げた。ナガトもすぐに後を追った。
取り残されたミナミは、襲いかかる多くの信者らを目の前にしていた。人数にして100人前後。予想より多い。そして何より、一人一人が普通の動きではない。やはり身体能力が強化されていると考えるべきか。しかし100人全員がそれぞれ「呪い」を持ってる可能性は殆ど0だろう。となるとやはり…
ミナミはナイフを懐からとりだした。
一方ナガトは、逃げ出したカルタを追っていた。
奥の部屋はそれ以上、逃げる場所が無いらしく、それまで背中を見せて逃げていたナガトは立ち止まり、振り向いて言った。
「こんな所までわざわざ来るなんて。貴方も酔狂ですね。
しかし、私が逃げるのはおかしいと感じませんでしたか?」
そう言うとカルタは白いローブを脱ぎ捨てた。
「先刻のような、完全なる不意打ちであっても、私はあなたを完封しています。どう足掻いてもあなたは私に勝てないでしょう。
であれば、なぜ逃げたと思いますか?」
カルタは口を閉じて微笑んだ。
ミナミと分断させるためだろうか、いや、そんな理由は、今はどうでもいいと捨て置いた。
カルタは手をコキコキと鳴らしている。
ナガトも目の前の男に集中した。
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