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呪いと祝福の境界
017 祈りを。
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勝てる!殴れ!殺せ!
無我夢中で体を動かした。ここしかないんだ、と。
ラッシュをかけるが、既にボロボロのナガトの攻撃がカルタに与えるダメージは、たかが知れていた。
ナガトの猛攻の中で、カルタの蹴りがナガトの腹に突き刺さる。ナガトは目を見開き、痛みを堪えた。ボロボロで、既に息も上がりきっている、再び膝をついたナガトと、幾らか弱くなっただけのカルタ。ダメージレースでは、圧倒的に不利なのは目に見える程だ。
ナガトはまた自分を奮い立たせて、カルタへ向かっていく。殴り、殴られる。
永遠とも思われるような時間が過ぎた。ボロボロのナガトは、カルタに最後の力を振り絞ってパンチを叩き込んだ。
そのまま、ナガトは止まった。なんとか保った意識の中で、カルタが勝ち誇ったように笑みを浮かべたのが見えた。カルタはナガトの顔へ、重いパンチを入れようと、腕をひいた。そして、勢いをつけて、ナガト目掛けてパンチを繰り出した。
既に途切れかけている意識の中、ナガトはミナミに謝った。ナガトの目に、カルタの腕が迫ったその瞬間、重い扉が開いた音がした。
カルタの腕がナガトの目の前でぴたりと止まる。カツンカツンと歩く音が聞こえた。カルタが振り返り、顔を歪ませた。
黒装束で身を包んだ女はため息を吐きながら口を開いた。
「雑魚の数が多すぎるんだよクソが。そんな居てどうすんだよ。」
ナガトが目を伸ばすと、ミナミと目があった。
「くそ、あいつら…!…っクソ!!」
カルタはナガトを捨て置き、ミナミと距離をとった。
緊張が途切れたか、ただの限界か、ナガトの体はその場で、前に倒れようとしていた。そのナガトの体を、スッとミナミが支えた。ミナミに倒れかかった形になったナガトは、気力のない声で、敢えて笑って悪態をついた。
「遅えよ…」
「悪かった。
んで、よく頑張った。そこで寝てろ。」
ミナミは微笑み、今までにないほど優しい声で言った。
「安心して寝てろ。次にお前が目を覚ました時には、もう全部終わってる。」
改めてミナミにそう言われて、ナガトはゆっくりと目を閉じ、意識を手放した。ミナミは、それを確認してゆっくりとナガトをその場で横に寝かせた。
「さて…」
ミナミが口を開く。
「さぁ教祖様。
お縄に着く時間だ。観念して大人しく祈ってろ。」
ミナミの目はもはや笑ってなかった。
カルタは、苛立ちを含んだ口調で言った。
「お前の相手をしていた奴らはどうした!?」
ミナミはゆっくり口を開いた。
「なら、種明かしの時間にしようか。」
無我夢中で体を動かした。ここしかないんだ、と。
ラッシュをかけるが、既にボロボロのナガトの攻撃がカルタに与えるダメージは、たかが知れていた。
ナガトの猛攻の中で、カルタの蹴りがナガトの腹に突き刺さる。ナガトは目を見開き、痛みを堪えた。ボロボロで、既に息も上がりきっている、再び膝をついたナガトと、幾らか弱くなっただけのカルタ。ダメージレースでは、圧倒的に不利なのは目に見える程だ。
ナガトはまた自分を奮い立たせて、カルタへ向かっていく。殴り、殴られる。
永遠とも思われるような時間が過ぎた。ボロボロのナガトは、カルタに最後の力を振り絞ってパンチを叩き込んだ。
そのまま、ナガトは止まった。なんとか保った意識の中で、カルタが勝ち誇ったように笑みを浮かべたのが見えた。カルタはナガトの顔へ、重いパンチを入れようと、腕をひいた。そして、勢いをつけて、ナガト目掛けてパンチを繰り出した。
既に途切れかけている意識の中、ナガトはミナミに謝った。ナガトの目に、カルタの腕が迫ったその瞬間、重い扉が開いた音がした。
カルタの腕がナガトの目の前でぴたりと止まる。カツンカツンと歩く音が聞こえた。カルタが振り返り、顔を歪ませた。
黒装束で身を包んだ女はため息を吐きながら口を開いた。
「雑魚の数が多すぎるんだよクソが。そんな居てどうすんだよ。」
ナガトが目を伸ばすと、ミナミと目があった。
「くそ、あいつら…!…っクソ!!」
カルタはナガトを捨て置き、ミナミと距離をとった。
緊張が途切れたか、ただの限界か、ナガトの体はその場で、前に倒れようとしていた。そのナガトの体を、スッとミナミが支えた。ミナミに倒れかかった形になったナガトは、気力のない声で、敢えて笑って悪態をついた。
「遅えよ…」
「悪かった。
んで、よく頑張った。そこで寝てろ。」
ミナミは微笑み、今までにないほど優しい声で言った。
「安心して寝てろ。次にお前が目を覚ました時には、もう全部終わってる。」
改めてミナミにそう言われて、ナガトはゆっくりと目を閉じ、意識を手放した。ミナミは、それを確認してゆっくりとナガトをその場で横に寝かせた。
「さて…」
ミナミが口を開く。
「さぁ教祖様。
お縄に着く時間だ。観念して大人しく祈ってろ。」
ミナミの目はもはや笑ってなかった。
カルタは、苛立ちを含んだ口調で言った。
「お前の相手をしていた奴らはどうした!?」
ミナミはゆっくり口を開いた。
「なら、種明かしの時間にしようか。」
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