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新たな戦いの始まり
第八話 ピクニック
朝からドアの外が騒がしかった。
もうナルサスは起きているらしく、何やら口論に
なっていた。
神崎が起きると横に置いてある水差しから口を湿
らすと、部屋のドアを開けた。
そこには朝食と弁当の包みを持ったナルサスが立
っていた。
「まだ、話は終わっていない!なぜ勝手にカナデ
を連れて行くんだ!今日じゃなくてもいいだろ
う?私が付いていけないのを狙ったな!」
「そうじゃない。ただ、ピクニックをするだけだ」
「そのピクニックとはなんだ!なぜ、二人で行く
んだ!」
「あ、奏、おはよう。食事にしよう」
「うん、ナルサスこれはどういう事?」
エリーゼさんが羨ましそうに食い下がってきてい
た。
ナルサスがたまたま朝早くに食堂に行き、今日の
弁当の事を頼んでいたらしい。
それを聞いたエリーゼさんが、ずっと付き纏いな
がらどこに行くのかと迫っているらしい。
実際はギルドで依頼を受けて行く予定なのだが、
それを言うと、エリーゼさんが心配だから…と付
いてくる可能性があった。
そもそも、今日は公開処刑の日だ。
騎士であるエリーゼさんが行かないと言う選択肢
はない。
「エリーゼさん、また今度一緒にいきましょ。今
日は忙しいのでしょう?」
「あぁ……そうだが……」
「…?」
「だがな~~~。帰って来てからカナデといる時間
が極端に減った気がするんだぁ~。私としてはだ
なぁーもっと一緒に居たいし、冒険者として護衛
でもいいから一緒に………」
神崎は苦笑いを浮かべた。
理由はそれか……と。
そういえば、最近ではあの女騎士がエリーゼさんに
訓練後に稽古をつけてほしいと言って来ていると聞
いていた。
そのせいで、ナルサスの帰りが遅いのだが…。
加藤夏美の件があるせいで屋敷から出る事を躊躇っ
ていた。
異世界人の力が分からない以上、側で見張るしかな
いのだ。
それで、たまに神崎の部屋に来ては
『一緒にお風呂入るか~?』
っと酒を飲んだ勢いでくる事があったのだ。
全くもって迷惑な話だった。
それもあと数日だった。
処刑が終われば、そのまま団長が王都へと護送すと
言ったからだった。
それまではエリーゼさんが屋敷から出れなくなった
という訳だ。
ナルサスと二人で依頼を受けるのは久しぶりだった。
前に採取依頼を一回受けに行った覚えがある。
ナルサスが奴隷だからと、何度か馬鹿にされたが、
今ではそんな事をいう輩は居なくなった。
エリーゼさんと共に行動していたせいもあるが、
ナルサス自信の実力も見合ってきたせいだろう。
弁当を持つと、後ろからじぃ~っと熱い視線を投
げかけてくるエリーゼさんを置いて出かけたのだ
った。
遠征時に簡単な非常食を作ったが、今回は本格的
な物を作ろうと思う。
まずは素材集めからだった。
小麦や、バターや、牛乳は買うしかないが、お肉
などは狩りで取ればいい。
今のナルサスなら十分実力はあった。
「オークの肉は少し硬いですが、豚肉とさほど変
わりません」
「牛って言ったらミノタウロス?」
「まぁ~そうですけど…ダンジョンの奥でしか見
ないですね~」
「卵って普通はどうやって手に入れるの?」
「卵ですか?それなら奥の山の方にコカトリスが
いますからこっそり卵を持ってくるというのも
ありですよ?」
「コカトリス?」
「そうです。奏は見た事ないですか?鳥の身体に
尻尾が蛇の魔物です。気をつけないと石化攻撃
が特徴的な魔物です。普通に戦うには苦戦しま
すが、こっそり卵を頂くには苦労しないですよ
…それに、結構高値で売れるんです」
ナルサスが言うには、山の中腹に巣を作る事が多
いらしい。
そして、一度巣から離れたら半日は戻って来ない
という。
なので飛び立ったのを見て、巣から卵を拝借して
逃げるという冒険者が多いという。
もうナルサスは起きているらしく、何やら口論に
なっていた。
神崎が起きると横に置いてある水差しから口を湿
らすと、部屋のドアを開けた。
そこには朝食と弁当の包みを持ったナルサスが立
っていた。
「まだ、話は終わっていない!なぜ勝手にカナデ
を連れて行くんだ!今日じゃなくてもいいだろ
う?私が付いていけないのを狙ったな!」
「そうじゃない。ただ、ピクニックをするだけだ」
「そのピクニックとはなんだ!なぜ、二人で行く
んだ!」
「あ、奏、おはよう。食事にしよう」
「うん、ナルサスこれはどういう事?」
エリーゼさんが羨ましそうに食い下がってきてい
た。
ナルサスがたまたま朝早くに食堂に行き、今日の
弁当の事を頼んでいたらしい。
それを聞いたエリーゼさんが、ずっと付き纏いな
がらどこに行くのかと迫っているらしい。
実際はギルドで依頼を受けて行く予定なのだが、
それを言うと、エリーゼさんが心配だから…と付
いてくる可能性があった。
そもそも、今日は公開処刑の日だ。
騎士であるエリーゼさんが行かないと言う選択肢
はない。
「エリーゼさん、また今度一緒にいきましょ。今
日は忙しいのでしょう?」
「あぁ……そうだが……」
「…?」
「だがな~~~。帰って来てからカナデといる時間
が極端に減った気がするんだぁ~。私としてはだ
なぁーもっと一緒に居たいし、冒険者として護衛
でもいいから一緒に………」
神崎は苦笑いを浮かべた。
理由はそれか……と。
そういえば、最近ではあの女騎士がエリーゼさんに
訓練後に稽古をつけてほしいと言って来ていると聞
いていた。
そのせいで、ナルサスの帰りが遅いのだが…。
加藤夏美の件があるせいで屋敷から出る事を躊躇っ
ていた。
異世界人の力が分からない以上、側で見張るしかな
いのだ。
それで、たまに神崎の部屋に来ては
『一緒にお風呂入るか~?』
っと酒を飲んだ勢いでくる事があったのだ。
全くもって迷惑な話だった。
それもあと数日だった。
処刑が終われば、そのまま団長が王都へと護送すと
言ったからだった。
それまではエリーゼさんが屋敷から出れなくなった
という訳だ。
ナルサスと二人で依頼を受けるのは久しぶりだった。
前に採取依頼を一回受けに行った覚えがある。
ナルサスが奴隷だからと、何度か馬鹿にされたが、
今ではそんな事をいう輩は居なくなった。
エリーゼさんと共に行動していたせいもあるが、
ナルサス自信の実力も見合ってきたせいだろう。
弁当を持つと、後ろからじぃ~っと熱い視線を投
げかけてくるエリーゼさんを置いて出かけたのだ
った。
遠征時に簡単な非常食を作ったが、今回は本格的
な物を作ろうと思う。
まずは素材集めからだった。
小麦や、バターや、牛乳は買うしかないが、お肉
などは狩りで取ればいい。
今のナルサスなら十分実力はあった。
「オークの肉は少し硬いですが、豚肉とさほど変
わりません」
「牛って言ったらミノタウロス?」
「まぁ~そうですけど…ダンジョンの奥でしか見
ないですね~」
「卵って普通はどうやって手に入れるの?」
「卵ですか?それなら奥の山の方にコカトリスが
いますからこっそり卵を持ってくるというのも
ありですよ?」
「コカトリス?」
「そうです。奏は見た事ないですか?鳥の身体に
尻尾が蛇の魔物です。気をつけないと石化攻撃
が特徴的な魔物です。普通に戦うには苦戦しま
すが、こっそり卵を頂くには苦労しないですよ
…それに、結構高値で売れるんです」
ナルサスが言うには、山の中腹に巣を作る事が多
いらしい。
そして、一度巣から離れたら半日は戻って来ない
という。
なので飛び立ったのを見て、巣から卵を拝借して
逃げるという冒険者が多いという。
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