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新たな戦いの始まり
第十話 処刑の日
ギルドへと戻ると、早速採取依頼の薬草を取り
だした。
「今日もお疲れ様です」
「あれ?いつもの受付けの人はお休みなんです
か?」
最初に受付けをしてくれた人は最近全く見かけ
なくなった。
神崎も、決闘やら、エリーゼさんの遠征やらの
準備にかかりきりだったせいで、あまり来れて
いなかったと言うのもあった。
「それが~、急に居なくなっちゃったんです」
ギルドでも行方を探しているらしい。
昼の休憩を機に、姿をくらませたのだという。
確か、その時に受付けを尋ねたのがあの異世界
人だと話していた。
嫌な予感しかしなかった。
「それと。これの買い取りってできますか?」
カバンから無造作に出したのはコカトリスの
卵だった。
勿論アイテムボックスから出したのだが、それ
を知られると、厄介なのでカバンから出した事
にする。
「えぇぇーー!すごいですよ!すぐに買い取り
させてもらいます」
「もう一個あるんだけど……」
「もう一個ですか!どうやって持って帰ってき
たんですか!」
実はもっと沢山あるのだとは言いづらくなった。
そもそも、割れやすく持ち帰るのが大変な素材
だという。
卵自体柔らかく、素材として使うには加工する
必要がある。
ただ、卵が孵化してしまうと、出てくる時に卵
の殻を食べてしまうらしく、巣に殻が残らない
のだという。
そして、途中で割ってしまうと、他の魔物を寄
せつけてしまう為に、持ち帰る時には非常に厳
重なケースを買うのだという。
「まさか、鞄に入れて持って帰ってくる冒険者
なんて初めて見ましたよ」
「へぇ~……そうなんだぁ~~~」
「俺が付いてますから…」
ナルサスが胸を張るように言うと、エリーゼの
認めただけはあると納得されたのだった。
「それでも、油断は禁物ですよぉ~」
「分かってます」
危険な魔物だと何度か諭されると、ギルドの方
から報酬が支払われたのだった。
勿論薬草なんかよりも、断然額が多かった。
「こんなに?」
「当たり前じゃないですか!これはそれほど高
価な素材なんですから。ナルサスさん、ちゃ
んと教えておいてくださいね!」
「俺がいれば大丈夫だと思っていたので……」
ナルサスの言葉に、余計に説教が長引いたのだ
った。
帰る頃には、だいぶんと陽が落ちていた。
今日の昼に処刑が執行されると言っていたので
今は、後片付けの最中か、もしくは終わってい
る頃だろう。
「そろそろ帰っても大丈夫そうですね…」
「気を使わせちゃったよね?」
「いえ、奏には……見せない方がいいと言った
のは俺ですから」
同じ世界から来た人の処刑など、見せるもので
はないと、領主に言ったのだという。
それにはエリーゼや他の兵も賛同して神崎には
大人の汚いモノを見せないという方向で話がつ
いていたという。
今更な気はするが、それでも人の死はあまりい
いものではないのだった。
屋敷に着くと、いつもと何も変わらなかった。
明るい屋敷のメイドさんたちや、執事のおじ
さんが普通に迎え入れてくれた。
「今日は稼げましたかな?」
「はい、薬草採取とちょっとお小遣いを…」
「それはよかった。怪我がなければ何よりです
な」
みんな優しい人達ばかりだった。
だした。
「今日もお疲れ様です」
「あれ?いつもの受付けの人はお休みなんです
か?」
最初に受付けをしてくれた人は最近全く見かけ
なくなった。
神崎も、決闘やら、エリーゼさんの遠征やらの
準備にかかりきりだったせいで、あまり来れて
いなかったと言うのもあった。
「それが~、急に居なくなっちゃったんです」
ギルドでも行方を探しているらしい。
昼の休憩を機に、姿をくらませたのだという。
確か、その時に受付けを尋ねたのがあの異世界
人だと話していた。
嫌な予感しかしなかった。
「それと。これの買い取りってできますか?」
カバンから無造作に出したのはコカトリスの
卵だった。
勿論アイテムボックスから出したのだが、それ
を知られると、厄介なのでカバンから出した事
にする。
「えぇぇーー!すごいですよ!すぐに買い取り
させてもらいます」
「もう一個あるんだけど……」
「もう一個ですか!どうやって持って帰ってき
たんですか!」
実はもっと沢山あるのだとは言いづらくなった。
そもそも、割れやすく持ち帰るのが大変な素材
だという。
卵自体柔らかく、素材として使うには加工する
必要がある。
ただ、卵が孵化してしまうと、出てくる時に卵
の殻を食べてしまうらしく、巣に殻が残らない
のだという。
そして、途中で割ってしまうと、他の魔物を寄
せつけてしまう為に、持ち帰る時には非常に厳
重なケースを買うのだという。
「まさか、鞄に入れて持って帰ってくる冒険者
なんて初めて見ましたよ」
「へぇ~……そうなんだぁ~~~」
「俺が付いてますから…」
ナルサスが胸を張るように言うと、エリーゼの
認めただけはあると納得されたのだった。
「それでも、油断は禁物ですよぉ~」
「分かってます」
危険な魔物だと何度か諭されると、ギルドの方
から報酬が支払われたのだった。
勿論薬草なんかよりも、断然額が多かった。
「こんなに?」
「当たり前じゃないですか!これはそれほど高
価な素材なんですから。ナルサスさん、ちゃ
んと教えておいてくださいね!」
「俺がいれば大丈夫だと思っていたので……」
ナルサスの言葉に、余計に説教が長引いたのだ
った。
帰る頃には、だいぶんと陽が落ちていた。
今日の昼に処刑が執行されると言っていたので
今は、後片付けの最中か、もしくは終わってい
る頃だろう。
「そろそろ帰っても大丈夫そうですね…」
「気を使わせちゃったよね?」
「いえ、奏には……見せない方がいいと言った
のは俺ですから」
同じ世界から来た人の処刑など、見せるもので
はないと、領主に言ったのだという。
それにはエリーゼや他の兵も賛同して神崎には
大人の汚いモノを見せないという方向で話がつ
いていたという。
今更な気はするが、それでも人の死はあまりい
いものではないのだった。
屋敷に着くと、いつもと何も変わらなかった。
明るい屋敷のメイドさんたちや、執事のおじ
さんが普通に迎え入れてくれた。
「今日は稼げましたかな?」
「はい、薬草採取とちょっとお小遣いを…」
「それはよかった。怪我がなければ何よりです
な」
みんな優しい人達ばかりだった。
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