弱いままの冒険者〜チートスキル持ちなのに使えるのはパーティーメンバーのみ?〜

秋元智也

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動き出す二つの魂

第二十九話 とある事情のパーティー

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神崎と弘前の二人と別れたパーティーは奥にある
魔物を倒すべく向かっていた。

「それにしても二人で行くってダンジョンを舐め
 てるわね~」
「そうでもないと思うぞ?あの何も知らなそうな
 坊や、魔力が凄かったわ。魔剣士ってところか
 しらね~。」
「ふんっ、それでも…俺らが誘ってやったのによ」
「そんな事言ってねーで、戦闘準備はいいか?」
「あぁ」
「もちろんよ」
「えぇ」
「……」

各々武器を持つと魔物が近い事を察する。

ゆっくりと警戒しながら近づく。
が、そこには何もいなかった。

いなかったというより、大きな木が立っているだ
けだった。

何かがいるわけでもない。
足跡もない。

「おいおい、どういう事だ?これは……」
「いや、確かにここに大きな魔力反応が……」

魔法師の女性は疑問に思いながらも魔力探知を再
びかける。

地面に手を当てると、もっと魔力を込めたのだっ
た。

「おいおい、探知の腕が鈍ったか?」
「そんな事はないわ。確かにここに……」

そう言った瞬間。
ヒュンッと枝がしなる音がして、地面に何かが転
がったのだった。

「おい、まだか?……おい、こいつは……」
「戦闘準備!」

地面に転がったのはさっきの魔法師の女性の首だ
った。

血が吹き出すより、倒れる方が早かった。
それを見たメンバーはすぐさま武器を取った。

目の前の大きな木がうねうねと動き出すと、枝が
次々としなりながら攻撃して来た。

剣で切り捨てようにも太過ぎて切断できない。
盾で防いでも、何本も連続で攻撃されれば盾が持
たない。

「おい、一旦退去するぞ」

リーダーの声に、全員が賛同した。
そして一気に来た道を戻ったのだった。

戻ると言っても、それは簡単ではなかった。

なぜなら、さっきまで普通の森だった道には無数
のトレント達が待ち構えていたからだった。

「おい……前からも……」
「ちょっと嘘でしょ?こんなの前はなかったじゃ 
 ない!」

一度来た事があるような口ぶりに意外性を感じる。
この森にトレントがいる事自体を知らなかったと
思わせる会話だった。

「ここはサトリの縄張りのはずだ……なのになん  
 でこんな………」

ここの森一体を縄張りにしている魔物。
サトリ。
馬の見た目をしていて、真っ黒な艶のある毛並み
は夜でも光り輝くという。

ただ、見た目と反して攻撃は突進攻撃や、噛みつ
き攻撃。そして全体攻撃と実に俊敏で厄介な魔物
だった。
重力を操る厄介な魔物だった。

前に遠征隊を派遣して引き分けたほどの実力だ。

ただ、その遠征隊が帰ってきてから数日と経って
いない。
まだ瀕死なのなら、倒せると踏んでの今回のパー
ティー編成だった。

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