弱いままの冒険者〜チートスキル持ちなのに使えるのはパーティーメンバーのみ?〜

秋元智也

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動き出す二つの魂

第三十五話 生け取り

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ダンジョンの奥へと進むにつれて滞った魔力の流
れを感じたのだった。

四階層、五階層と降りていっても、なんら強い敵
が現れる事もなく、普段通りに進んでいく。

「さっきのトレントの方がよっぽど強かったんじ
 ゃないかな~」
「うーん、でも、魔石的にはそうかもね。トレン
 トのは美味しかったし。」
『人間が魔物を美味しいとはな……なら、この先
 にあるドライアドの巣窟はもっと美味しいので
 はないか?』
「ドライアドの巣窟?」
「そんな場所があるなんて!早く行こう」

弘前は嬉しそうにしていた。
さっきのはぐれドライアドは、たまたま別の階層
にいただけで、本来は自分の階層があるとは。

実験には死なないドライアドはもってこいの素材
なのだ。

「神崎くん。数匹生きたまま捕まえよう!」
「いいけど、危険じゃない?ユニに危険があった
 ら…」
『我はそれほど弱くはない!』
「ほら、そう言ってる事だし。それに神崎くんに
 は魅了も効かないようだし。ね?」
「いいけど。どうやって生け取りにするの?」

神崎の疑問は、すぐに理解することになる。

それは弘前が持っているアイテムボックスにあっ
た。
生き物以外ならなんでも入るこのシステムには
保存機能がある。

いわゆる薬草などを取った後に入れると、その時
間を止める機能だった。

ドライアドは人間ではなく、薬草と同じ分類なの
だそうだ。
だから、袋などの入れ物に入れてしまえばその
ままアイテムボックスへと入れれるという事らし
い。

「なるほど……だったら切るんじゃ無くて殴った
 方がいいって事?」
「そう言う事!そのままこれに突っ込んでくれれ
 ばあとは僕がやるよ」

ニコニコと笑顔の弘前をみて、こう言う実験的な
事は昔から好きだったのを思い出していた。

ユニコーンの言った通り、再び森のエリアに入っ
た。

鬱蒼と茂っている森の中のどこかにドライアドは
いるらしい。

「どうやって誘き出そうか……」
「いや、その必要はない。だって……」

そう言うと、目の前に美しい女性が立っていた。
薄い肌着姿でこちらを手招いている。

「なるほど。じゃ~、最初のを捕まえて後は食用
 って事でいいかな?」
「もちろん。あぁ、せめて2体は欲しいかも」
「おっけー」

なんの警戒もなく近づく神崎にドライアドの口元
が一瞬笑った気がした。

が、その瞬間。
ゴンッと音がして木の幹にめり込んでいた。

よろっとよろめくと、再び殴りにかかる。
手に持っていた袋に詰めると口を締め、後ろにい
た弘前の方へと放り投げた。

奥にいた数体は魅了が効いていない事にギョッと
して逃げようとするが、すぐに捕まるとそのまま
袋に詰める。

「これで二体目!あとは……」

剣を抜くと魔力を纏わせた。
濃密な魔力。
これは決して人が扱えるものではなかった。


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