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第四十四話 未来を知る者
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城内に忍び込んでいた魔族の残党を掃討して無事に
解決したのだった。
王は何も知らないと言い張ったが、魔族と通じて民
を奴隷として売り渡していた事実が発覚し、それも
王自らが売買に関連しているという証拠が出てきた
せいで、即刻処刑が決まった。
民の税金を引き上げ、自分は人を攫って奴隷として
売り捌いて居たのだ。
その利益は王妃の贅沢品に消えて居たという。
「まぁ~ったく救えねーよな」
俺は宿屋の部屋から街を見下ろしながらコー
ヒーを片手に呟いた。
「でも、上手く行ってよかったよ。陸、怪我
はない?」
「俺がこんくらいで怪我するかよっ、それより
も教会の方から何か言ってなかったか?」
俺はソワソワしながら誠治の言葉を待った。
誠治もハッと思い出すように手紙を取り出した
のだった。
「そうそう。陸にって預かってきたんだった。
それと……なんか呪いにかかっている人がい
るのかって聞かれたけど…どうしてだろうね」
「さぁ~な。俺、ちょっと出かけてくるわ」
手紙を受け取るとすぐに中身を確認した。
そこには、助けてくれたお礼に何かしたいと書
かれて居たのだった。
早速俺はその足で教会へと向かった。
呪いを解くなら早い方がいい。
このあと、サキュバスの街を壊滅させるはず
なのだから……。
教会は、騒がしく大勢の民で溢れて居た。
「すいませーん。神官様はいますか?」
「ちょっと、なんで貴方が来るのよ?」
「お。ちょうどいい所に…レイネ、神官様はどこ
にいるんだ?」
「貴方なんかに会うわけないでしょ?図々しいに
も程があるわ。勇者様を呼んだのよ?勘違い野
郎なんてお呼びじゃないわ」
「……」
この女は本当に口が悪い。
聖女じゃなかったら、一緒に旅なんてしてねーよ。
「俺が用事があるんだよ」
「それは初耳かな?」
「ん?」
「あら、勇者様!」
俺の言葉の後に誠治の声が重なったのだった。
そこへまたまた通りかかった神官の一人が顔を出す
とすぐに駆け寄ってきた。
「よかった。待っておりました。さぁ、こちらへど
うぞ」
「あぁ」
俺を見て、すぐに駆け寄って来ると部屋の中へと促
したのだった。
レイネには、その様子が気に入らないのだろう。
勇者ならまだしも、魔術師の俺が?
とでも思っている様な顔で見てきた。
「俺が用事があるって言ったじゃん」
俺は、すぐに部屋に入ろうとして、後ろから来てい
た誠治に捕まると、抱き寄せられていた。
「ん?おい、誠治…離せよ」
「どうして一人で行くの?他人と二人っきりは危な
いでしょ?」
「だから~危なくないっつーの。ってか俺も用事が
あるって言っただろ?おとなしく待ってろって」
俺は誠治を振り解くと歩き出す。
少しムッとした誠治が後をついて部屋に入ってきた。
「我らを助けていただいたお礼がまだでしたな、ど
のような要件ですかな?」
「それなんだけど………呪いを解いてほしいんだ」
「はい、心得ております。では、どなたのですか?」
真っ直ぐに俺を見てくれる神官に俺は自分を指さし
た。
「俺にかかっている呪いを解いてほしい」
その言葉に、一番驚いていたのは誠治だろう。
一緒に旅をしてきて、俺が呪いにかかっているなど
考えもしなかっただろう。
「陸っ、何を言い出すの?どこで呪いなんか……」
「この世界に召喚されてからだな…城でかけられた
らしい。あの聖女は解く気がねーからさ」
「レイネが?僕から頼んでみようか?そうしよう?
知らない人間に陸を任せるなんて…」
「待て待て!そうじゃないっつーの。あいつは俺の
呪いは解かない。絶対にだ!」
誠治のどうして?という顔が実に腹立たしい。
お前と一緒にいるのに、俺が邪魔だからだよ!
って言ってやりたいくらいだった。
そう言うわけで、言われた通りに呪いの呪解を頼
む事になった。
呪いにもランクがあって、あまりに高難易度になる
とすぐには解けず、準備が必要だと言われた。
「見てみるので、そこに横になって、目を閉じてて
ください」
「はい…誠治、そんなとこにいなくても平気だって」
俺の横に陣取ってじっと眺めてきて居た。
神官の方もやりにくいだろうに……。
じっとしている事数分。
「はい、いいですよ」
神官からの声が聞こえると目を開ける。
神官の方の苦笑いが、どうにも気になるが一応解け
たらしい。
「もう、大丈夫ですよ。それと、コレをお持ち下
さい。聖水を入れた小瓶です」
首からぶら下げる形の形状で小さな光る小瓶が先
端についている。
まさかその中身が聖水とは思わなかった。
教会では、聖水は馬鹿高く、普通に買う事もまま
ならないからだ。
「聖水って……貰ってもいいんですか?」
「勿論です。貴方は命の恩人ですから…これから
も困った事があったら気兼ねなく言って下さい」
「ありがとうございます…」
まさか、助ける事でこんないい事があるとは。
前回はそれどころじゃない為、無視して通り過ぎて、
後で全員死んだのだと知らされた。
前回は助けられなかった命を助けるのもいいかもし
れない。
もう、一度起きた出来事なので何が起こるかは分か
っているのだから………。
解決したのだった。
王は何も知らないと言い張ったが、魔族と通じて民
を奴隷として売り渡していた事実が発覚し、それも
王自らが売買に関連しているという証拠が出てきた
せいで、即刻処刑が決まった。
民の税金を引き上げ、自分は人を攫って奴隷として
売り捌いて居たのだ。
その利益は王妃の贅沢品に消えて居たという。
「まぁ~ったく救えねーよな」
俺は宿屋の部屋から街を見下ろしながらコー
ヒーを片手に呟いた。
「でも、上手く行ってよかったよ。陸、怪我
はない?」
「俺がこんくらいで怪我するかよっ、それより
も教会の方から何か言ってなかったか?」
俺はソワソワしながら誠治の言葉を待った。
誠治もハッと思い出すように手紙を取り出した
のだった。
「そうそう。陸にって預かってきたんだった。
それと……なんか呪いにかかっている人がい
るのかって聞かれたけど…どうしてだろうね」
「さぁ~な。俺、ちょっと出かけてくるわ」
手紙を受け取るとすぐに中身を確認した。
そこには、助けてくれたお礼に何かしたいと書
かれて居たのだった。
早速俺はその足で教会へと向かった。
呪いを解くなら早い方がいい。
このあと、サキュバスの街を壊滅させるはず
なのだから……。
教会は、騒がしく大勢の民で溢れて居た。
「すいませーん。神官様はいますか?」
「ちょっと、なんで貴方が来るのよ?」
「お。ちょうどいい所に…レイネ、神官様はどこ
にいるんだ?」
「貴方なんかに会うわけないでしょ?図々しいに
も程があるわ。勇者様を呼んだのよ?勘違い野
郎なんてお呼びじゃないわ」
「……」
この女は本当に口が悪い。
聖女じゃなかったら、一緒に旅なんてしてねーよ。
「俺が用事があるんだよ」
「それは初耳かな?」
「ん?」
「あら、勇者様!」
俺の言葉の後に誠治の声が重なったのだった。
そこへまたまた通りかかった神官の一人が顔を出す
とすぐに駆け寄ってきた。
「よかった。待っておりました。さぁ、こちらへど
うぞ」
「あぁ」
俺を見て、すぐに駆け寄って来ると部屋の中へと促
したのだった。
レイネには、その様子が気に入らないのだろう。
勇者ならまだしも、魔術師の俺が?
とでも思っている様な顔で見てきた。
「俺が用事があるって言ったじゃん」
俺は、すぐに部屋に入ろうとして、後ろから来てい
た誠治に捕まると、抱き寄せられていた。
「ん?おい、誠治…離せよ」
「どうして一人で行くの?他人と二人っきりは危な
いでしょ?」
「だから~危なくないっつーの。ってか俺も用事が
あるって言っただろ?おとなしく待ってろって」
俺は誠治を振り解くと歩き出す。
少しムッとした誠治が後をついて部屋に入ってきた。
「我らを助けていただいたお礼がまだでしたな、ど
のような要件ですかな?」
「それなんだけど………呪いを解いてほしいんだ」
「はい、心得ております。では、どなたのですか?」
真っ直ぐに俺を見てくれる神官に俺は自分を指さし
た。
「俺にかかっている呪いを解いてほしい」
その言葉に、一番驚いていたのは誠治だろう。
一緒に旅をしてきて、俺が呪いにかかっているなど
考えもしなかっただろう。
「陸っ、何を言い出すの?どこで呪いなんか……」
「この世界に召喚されてからだな…城でかけられた
らしい。あの聖女は解く気がねーからさ」
「レイネが?僕から頼んでみようか?そうしよう?
知らない人間に陸を任せるなんて…」
「待て待て!そうじゃないっつーの。あいつは俺の
呪いは解かない。絶対にだ!」
誠治のどうして?という顔が実に腹立たしい。
お前と一緒にいるのに、俺が邪魔だからだよ!
って言ってやりたいくらいだった。
そう言うわけで、言われた通りに呪いの呪解を頼
む事になった。
呪いにもランクがあって、あまりに高難易度になる
とすぐには解けず、準備が必要だと言われた。
「見てみるので、そこに横になって、目を閉じてて
ください」
「はい…誠治、そんなとこにいなくても平気だって」
俺の横に陣取ってじっと眺めてきて居た。
神官の方もやりにくいだろうに……。
じっとしている事数分。
「はい、いいですよ」
神官からの声が聞こえると目を開ける。
神官の方の苦笑いが、どうにも気になるが一応解け
たらしい。
「もう、大丈夫ですよ。それと、コレをお持ち下
さい。聖水を入れた小瓶です」
首からぶら下げる形の形状で小さな光る小瓶が先
端についている。
まさかその中身が聖水とは思わなかった。
教会では、聖水は馬鹿高く、普通に買う事もまま
ならないからだ。
「聖水って……貰ってもいいんですか?」
「勿論です。貴方は命の恩人ですから…これから
も困った事があったら気兼ねなく言って下さい」
「ありがとうございます…」
まさか、助ける事でこんないい事があるとは。
前回はそれどころじゃない為、無視して通り過ぎて、
後で全員死んだのだと知らされた。
前回は助けられなかった命を助けるのもいいかもし
れない。
もう、一度起きた出来事なので何が起こるかは分か
っているのだから………。
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