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29話

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朝早くに目を覚ますと、すぐに荷物をまとめた。
銀行に行って現金を下ろすとすぐに不動産屋を探す。

敷金礼金なしの安い場所。
今はどこだっていい、とにかく早く見つければそれでよかった。

「なるべく安い物件をお願いしたいんですが…」
「えーっと、ご予算はどのくらいほどで?」
「それは…」

口籠ると指で刺す。
店員の顔が引き攣るのを見ると多分そこまで安い物件は少ないの
だろう。
そんな事は分かっている。
事故物件でもなんでもいい。
今は早く移動したいのだ。

すると電話が鳴って店員が席を外した。
戻ってきた時にはにこやかな笑顔で出迎えてくれた。

「有栖川様、いい物件がございます。ご予算でピッタリの物件です。
 今から向かいますか?」
「いいんですか!じゃ~すぐに」
「はい、かしこまりました。車を取ってくるので表で待っていて下
 さい」

予想外に調子がいい。
なんだか嫌な予感さえするくらいにトントン拍子に話が進んでいく。

案内されたのはセキュリティも万全なタワーマンションだった。

「あのっ、ここ高いんじゃ…」
「大丈夫でございます。荷物持ちますね」
「でも…俺はそんなお金ないし…」
「ちょっと訳あり物件なのです。ですから…安心なさって下さい」
「はぁ…」

エレベーターに乗ると最上階まで行く。
どう見ても訳ありな気がしない。

「あのっ…今日すぐに入れる物件を探してるんです」
「はい、心得ていますよ」
「おかしいですよね?こんな豪華な場所が訳ありなんて…やっぱり
 帰ります」
「それは困りますね。もう、ついてしまいましたから…」

言われるとちょうど目の前でエレベーターが止まった。
いきなり突き飛ばされると柔らかい廊下に転がった。

「うわっ…一体何を……」
「倉沢様、ご要望通りに…」
「あぁ、ご苦労だった。アリス、やっと会えたね」

聞き覚えのある声に顔をあげるとそこには画面越しに見た顔が見
えたのだった。

「どうして………」

聞くより先に両脇を掴まれるとすぐに中へと連れ込まれた。

「荷物も運びなさい」
「かしこまりました」

少ない荷物は無造作に運ばれていく。有栖川自身も荷物のように
両脇に抱えられると連れて行かれたのだった。

豪華なソファーに座らされたが、ソワソワして気が気でない。

「落ち着かないか?今日からここがキミの家だよ?アリス…
 いや、有栖川優かな。」
「どう言うつもりですか!俺は断ったはずですが?」
「それはキミの考えだろう?僕は会いたいと言ったはずだよ?」
「なっ…」

人の言葉など聞くつもりはない。
そう言っているのだ。

「そうだ、身体検査がまだだったね。受けておいで」
「はぁ?何を言って……っておいっ!離せっ!」

入り口で待っていたSPらしき人間が入ってくるとすぐに連れて
行かれた。

大きな部屋かと思ったが、風呂場であるらしかった。

シャワーノズルを持つと否応無しに水をかぶるハメになった。
ブルブルと震えるとテキパキと服を脱がしにかかる。
乱暴に破いていく。

「やめろよっ!破けるだろ!」
「倉沢様に命令だ、不必要な物は捨てろと言われている」
「…!?」

不必要な物とは、今アリスの身を包んでいる物全てと判断されて
いるのだった。

全裸に剥かれるとすぐに腕を拘束された。
身動きが取れなくなると二人に囲まれながら全身をくまなく洗わ
れたのだった。
そして鎖で繋がれるとそこからは本当に地獄かと思うほどだった。

お尻の穴を掻き回され、器具を突っ込まれた。中を覗かれると何
度も擦られナカが腫れるかと思うくらいに細くて長い玩具で擦ら
れた。

「いやぁっぁぁぁ…そんな…強く握らないで……」

それと同時に睾丸を扱かれ、何度もぎゅっぎゅっと握られると、
今度はちんこを何度も扱きあげられる。
イってもお構いなしに、再び擦り出す。

「痛い、痛いから………もう、やめて………」

ふにゃふにゃなのに、強く扱かれると非常に痛い。
だんだん力が抜けていき、もう抵抗すらする気も起きなかった。

睾丸の中身が空っぽになるまで出し尽くされた。
今までにないくらいに萎んでしまい、中は完全に空っぽになった
気さえするほどだった。
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