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延命
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近寄る涼風の方を眺めるが険しい顔で黒服の男を見下ろした。
「これはっ・・・俺じゃ・・・」
「どきなさい。今すぐによ!車を回して!病院にも連絡を!」
指示をするとゆっくりと相沢に近づいた。
今だ小刻みに動いている心臓に安堵しながらも青ざめていく顔色に焦りを感じながら部下を忙がせる。
倉庫の表に車の止まった音を聞きながら振り向くとそこには綾音の姿があった。
目を見開いて立ちすくむ彼女のそばによると来た車へと運びこんだ。
震える綾音の手を取り、病院へと向かった。
着いてからはあわただしく流れていった。ナイフは抜き取らなかった為に出欠多量での即死は免れていたもののそれでも流れた血の量は多く。
助かるかどうかも分からなかった。流石に家族に連絡をしなくてはならないのだろうが今はそんな事をしている余裕などなく、ましてやさっき逢った姉に告げることなど出来なかった。
きっと美紀は綾音を恨むだろう。
ヤクザの身内として接されるのではなく普通の人として接して欲しかった綾音には滅多にいない人種だった。
手術中のランプが消え集中治療室に運ばれるのをただただ見ていた。
涼風が謝ってきたがそんな事どうでも良かった。
「殺ったのは誰?」
「・・・来なさい。お姉様の前よ。」
涼風の後ろに返り血と自分の血で汚れた黒服の男が控えていた。
腕は応急処置をしたのか治療が施されていた。
「そう。貴方、今いくつかしら?」
「・・・38です。」
「そう。ご家族は?」
「実家に両親が、恋人も最近出来ました。あの・・・」
その場に膝を着くと頭を床にすり付けた。
「すいませんでした。このような失態は二度としません。どうかこのままここに置いてください!!」
一度この業界に入ると他ではやっていけないからである。
いつどこで命を狙われるかを怖れて暮らすより渦中の中にいた方が安全なのである。
「そう、恋人ね。可愛いの?」
「は・・・はいっ・・・」
「そう、明日連れてらっしゃい。その時に今後の事も話すわ」
そう言うと綾音は立ち上がった。そのまま相沢が向かった集中治療室に向かった。
そこでは人工心臓を付けた彼が横たわっていた。
「あぁ、八雲様。こちらに・・・」
「どうですか?助かりそうですか?」
「何とも言えません。縫合することも無理でしたのですぐに人工心臓に替えました。暫くはこれで何とか持たせられますがそう長くは持ちません。それまでに適合する心臓の移植が必要です」
「・・・いつまで?」
「そうですな、持っても一年。それ以上は体の機能も衰えていきますので・・・それに意識も戻るかどうかまだわかりかねます!」
綾音が座り込むと横で涼風が説明を聞いていた。
「家族は?適合するんじゃないの?居たわよね?母と姉が?」
綾音に振り返るが、ただ首を横に降るだけだった。
「言いづらいのですが・・・」
話始める医師に視線が集まる。
「家族だからといって適合するとは限りません。まずは検査をしませんと・・・それにもし適合しても死んでからでないと取り出すことは不可能です。」
「不慮の事故に合うかもしれないでしょう?」
「・・・」
医者は黙ると少し下がった。
綾音はただ黙ってその場に座り込むと俯いていた。
「お姉様、一旦家に帰りましょう?お父様が心配していますわ!」
「ここに、いるわ。どうせ妾の子よ。涼風、貴方はいればそれでいいわ。私は付いていたいの」
そう言うと横たわる彼の側に近寄った。
あまりにも痛々し過ぎるので見ていられなくなり涼風は家に戻ってきた。
後ろからつきしたがっているさっきの黒服は心配そうに聞いてきていた。
「明日、本当に彼女を連れてきても大丈夫なんでしょうか?」
「どうゆう事?」
「いえっ・・・生きて帰れるのかと?」
そんなくだらない心配かと鼻で笑った。
「心配しなくても大丈夫よ。なんなら私が守ってさしあげてよ?」
「ほんとですか?良かったー。安心しました。」
ほっとしたのか顔が弛む。
あんなことをしておいてよくもまぁ自身の保身を図ろうとする者だと内心思っていた。
「今日はもう、いいわ。帰って休みなさい。」
そうして父へと会いに行った。
「そうか、そんな事がな・・・まぁ、あとのことはこっちで片付けるから好きにしなさい。」
「ありがとう。お父様、だーい好き!」
「なんだか不思議な気分だな?跡取りを引き取った筈なのだが二人とも女装が趣味とは・・・」
「趣味じゃないですよぉ~ほらっ?」
そう言って見せたのは小さく膨らんだ胸であった。
体型に合わせてシリコンパットを増やしてくので綾音のようなゆったりした胸にはまだほど遠いが確かに胸がある。
「あぁ、分かった、分かった。しかし、下は斬ってくれるなよ?大事な跡取りができなくなるからな?」
そう言うと忙しいのか自室に戻っていく。
「もうっ、他に言うことないのかしら?」
涼風も自分部屋に帰った。
そこには自分の気に入った女性を鎖で繋いでいた。
「お帰りなさいませ。」
三指付いて色っぽい透明な上着を羽織るだけの女性は涼風を見ると頬を赤らめた。
「ちょっと今日はしつこいかもよ?」
耳元で囁かれるとその女性はゆっくりと股を開いた。
「どうぞ、好きなだけお使いください。わたくしは涼風様だけのペットでございます。」
そしてもう一人は小柄な男性も鎖に繋がれたままただ黙って見ていた。
「これはっ・・・俺じゃ・・・」
「どきなさい。今すぐによ!車を回して!病院にも連絡を!」
指示をするとゆっくりと相沢に近づいた。
今だ小刻みに動いている心臓に安堵しながらも青ざめていく顔色に焦りを感じながら部下を忙がせる。
倉庫の表に車の止まった音を聞きながら振り向くとそこには綾音の姿があった。
目を見開いて立ちすくむ彼女のそばによると来た車へと運びこんだ。
震える綾音の手を取り、病院へと向かった。
着いてからはあわただしく流れていった。ナイフは抜き取らなかった為に出欠多量での即死は免れていたもののそれでも流れた血の量は多く。
助かるかどうかも分からなかった。流石に家族に連絡をしなくてはならないのだろうが今はそんな事をしている余裕などなく、ましてやさっき逢った姉に告げることなど出来なかった。
きっと美紀は綾音を恨むだろう。
ヤクザの身内として接されるのではなく普通の人として接して欲しかった綾音には滅多にいない人種だった。
手術中のランプが消え集中治療室に運ばれるのをただただ見ていた。
涼風が謝ってきたがそんな事どうでも良かった。
「殺ったのは誰?」
「・・・来なさい。お姉様の前よ。」
涼風の後ろに返り血と自分の血で汚れた黒服の男が控えていた。
腕は応急処置をしたのか治療が施されていた。
「そう。貴方、今いくつかしら?」
「・・・38です。」
「そう。ご家族は?」
「実家に両親が、恋人も最近出来ました。あの・・・」
その場に膝を着くと頭を床にすり付けた。
「すいませんでした。このような失態は二度としません。どうかこのままここに置いてください!!」
一度この業界に入ると他ではやっていけないからである。
いつどこで命を狙われるかを怖れて暮らすより渦中の中にいた方が安全なのである。
「そう、恋人ね。可愛いの?」
「は・・・はいっ・・・」
「そう、明日連れてらっしゃい。その時に今後の事も話すわ」
そう言うと綾音は立ち上がった。そのまま相沢が向かった集中治療室に向かった。
そこでは人工心臓を付けた彼が横たわっていた。
「あぁ、八雲様。こちらに・・・」
「どうですか?助かりそうですか?」
「何とも言えません。縫合することも無理でしたのですぐに人工心臓に替えました。暫くはこれで何とか持たせられますがそう長くは持ちません。それまでに適合する心臓の移植が必要です」
「・・・いつまで?」
「そうですな、持っても一年。それ以上は体の機能も衰えていきますので・・・それに意識も戻るかどうかまだわかりかねます!」
綾音が座り込むと横で涼風が説明を聞いていた。
「家族は?適合するんじゃないの?居たわよね?母と姉が?」
綾音に振り返るが、ただ首を横に降るだけだった。
「言いづらいのですが・・・」
話始める医師に視線が集まる。
「家族だからといって適合するとは限りません。まずは検査をしませんと・・・それにもし適合しても死んでからでないと取り出すことは不可能です。」
「不慮の事故に合うかもしれないでしょう?」
「・・・」
医者は黙ると少し下がった。
綾音はただ黙ってその場に座り込むと俯いていた。
「お姉様、一旦家に帰りましょう?お父様が心配していますわ!」
「ここに、いるわ。どうせ妾の子よ。涼風、貴方はいればそれでいいわ。私は付いていたいの」
そう言うと横たわる彼の側に近寄った。
あまりにも痛々し過ぎるので見ていられなくなり涼風は家に戻ってきた。
後ろからつきしたがっているさっきの黒服は心配そうに聞いてきていた。
「明日、本当に彼女を連れてきても大丈夫なんでしょうか?」
「どうゆう事?」
「いえっ・・・生きて帰れるのかと?」
そんなくだらない心配かと鼻で笑った。
「心配しなくても大丈夫よ。なんなら私が守ってさしあげてよ?」
「ほんとですか?良かったー。安心しました。」
ほっとしたのか顔が弛む。
あんなことをしておいてよくもまぁ自身の保身を図ろうとする者だと内心思っていた。
「今日はもう、いいわ。帰って休みなさい。」
そうして父へと会いに行った。
「そうか、そんな事がな・・・まぁ、あとのことはこっちで片付けるから好きにしなさい。」
「ありがとう。お父様、だーい好き!」
「なんだか不思議な気分だな?跡取りを引き取った筈なのだが二人とも女装が趣味とは・・・」
「趣味じゃないですよぉ~ほらっ?」
そう言って見せたのは小さく膨らんだ胸であった。
体型に合わせてシリコンパットを増やしてくので綾音のようなゆったりした胸にはまだほど遠いが確かに胸がある。
「あぁ、分かった、分かった。しかし、下は斬ってくれるなよ?大事な跡取りができなくなるからな?」
そう言うと忙しいのか自室に戻っていく。
「もうっ、他に言うことないのかしら?」
涼風も自分部屋に帰った。
そこには自分の気に入った女性を鎖で繋いでいた。
「お帰りなさいませ。」
三指付いて色っぽい透明な上着を羽織るだけの女性は涼風を見ると頬を赤らめた。
「ちょっと今日はしつこいかもよ?」
耳元で囁かれるとその女性はゆっくりと股を開いた。
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