禁断の扉を開けたのは!?

秋元智也

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安全な居場所

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泣き止むまで側にいると泣きつかれたのか、それとも体の限界なのか眠ってしまった。
眠った顔を見るとまだ幼く、見ようによっては女性にも見える中性的な顔立ちをしていた。
さらさらの髪を鋤くと頭を撫でるように触れた。
脇と膝裏に手を回すとお姫様抱っこして持ち上げると布団へと運んだ。
「やっぱり軽いのう?ちゃんと食べとるのかのう?」
そう言って足元を見ると空になった器が置いてあった。
すると玄関のチャイムがなり、訪問者が現れる。
ロックを外しドアを開けようとすると、勢いよく引っ張られ目の前に肘が突き出された。
不破先生はそれをギリギリでかわすと下へとしゃがみ込む。
いつも使っている杖を取ると相手の足元を狙う。
狙うは踝。そして関節の弱いとこのみ。
相手もそれをガードすると攻撃をやめて一旦距離を取った。
「一体何の用じゃ。七海、ワシはお前には会う気はないと言ったはずだが?」
「先輩こそ、衰えてませんね?ご無沙汰してます。今日は遼さんを迎えに来ました」
ポカーンと眺めると納得したのか部屋へと招き入れた。
「寝ておるから静かにのう?それと、事情を先に説明しておくかのう?」
「そうですね、あらかたは内田という教師に吐かせましたがしっかりとは話しませんでしたので。それに共犯の人間を匂わせていたので突き止めないと・・・」
七海は怒りぎみに話した。
「そうか、ならワシの話でも聞いていけ。さっき聞いたばかりじゃがなんとも鬼畜な話じゃぞ?」
「是非にでも聞かせて貰いますよ。その前に遼さんを見てきます。」
「そうじゃな、そこの部屋じゃ。」
不破に案内され七海が部屋へと入った。
布団には泣きつかれたのか目元を腫らせた遼が眠っていた。
腕には縛られて擦りむけた跡が鮮明に残っていた。
起こさないようにゆっくりと布団をめくり服を脱がす。
「何やっとんじゃ?」
後ろから見ていた不破が聞くが無視すると体に異常がないか確認する。
外傷は手足の擦り傷が主で、体には歪なキスマークと噛みついた歯形が残っていた。
アナルは多少赤く腫れてはいたがさほど心配するようなことはなかった。
「これは先輩が?」
後ろの不破を見ると頷いていた。
「傷には化膿止めを塗っておいた。勿論アナルにも塗っておいたがな?って変な勘繰りはするなよ?こっちにはそんな趣味はないからな!?」
七海はため息を付くと遼に再び服を着せると布団を被せた。
「疑ってませんよ。そっちで聞かせてもらいましょうか?」
「あぁ、そうじゃな!」
そういうと彼の経緯を話し出した。
内田が補習と題して遼にしたいかがわしい行為や、澤部の鬼畜じみた性的虐待。
それをビデオに録って脅す材料にしていて、次回も同じようにレイプしようとしていること等である。
帰りに置き去りにされた状態等を話すと流石の七海もぶちギレていた。
「遼さんに手を出したこと、後悔させてやりますよ。これは上にも報告します。遼さんには黙っておいて下さい。彼は傷つきやすい・・・優しい子ですから。」
「分かっとる。自分からは話さんじゃろう。じゃからワシが聞き出したんじゃよ。まさか七海が迎えに来るとは思わなんだがのう?」
「それは、こっちの台詞です。教師をやってるなんて知りませんでしたよ!よくなれましたね?ヤクザ者が教師とは・・・」
「努力の結晶じゃよ!お主もそろそろ足を洗ったらどうじゃ?それに七海、お主よもや永田に惚れとるのか?」
一瞬固まると、七海は一気に紅くなった。
「そんなわけないですよ、ただの見張り役です。」
「そうかのう?そうは見えんかったがのう?・・・まぁ、ええ。早く連れて帰って休ませてやることじゃ。」
「言われなくても、そうします。」
寝ている遼を抱き上げると車へと運んでいった。
「もう、来るんじゃないぞ!」
不破が叫ぶと七海は一礼すると車に乗り込んだ。
夜中の2時、やっと屋敷に付くと綾音の部屋ではなく仮眠室に運んだ。
朝一に報告する予定である。

遼が目を覚ましたのは丁度次の日の昼頃だった。
「うっ・・・んーーーー!」
背伸びをするとここが何処かという事になった。
確か自分は不破先生の家で泣き崩れて、みっともなく事のあら回しを涙ながらに訴えて・・・そのまま寝てしまったのだ。
ーあれ・・・?じゃー、ここは何処だろう?ー
見たこともないベットに寝かされているのだ。
するとドアが開いて七海が入ってきた。
それにホッとして食事を持ってきた七海に抱きついていた。
今になって震え出す自分の体に苦笑いを浮かべながら七海を困らせてしまった。

食事を持ってくると遼は起きていた。
脅かさないようにそっと食事を脇のテーブルに置くと横に腰かけた。
顔が紅かったので熱でもあるのかと近づくといきなり腕を絡ませ抱きついてきた。
七海は落ち着かせる為にそっと抱き締めると、彼の体は小刻みに震えていた。
絡めた腕はしっかりと七海の胴に巻き付いていて離す気はないらしい。
細い腕で必死にしがみつく姿がいとおしく思えてならない。
自分はそんな感情はないはずだった。
不破に言われて自覚してしまったらしい。
しかし、彼といられるのもあとわずかしかなかった。
相沢の容態が芳しくないのだ。
最初は半年から一年間は自由に出来るはずだった。
しかし、このままだとそんなに長くない将来彼は死ぬことになる。
いっそのこと拐ってしまいたい。出来ないとはわかっていっるが、それでもそんな衝動に駈られるときがある。
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