禁断の扉を開けたのは!?

秋元智也

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拐われた青年

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昨日の事情など全く感じさせない青年をオカズにしたなど思い出したくなかった。
吉野はケーキの箱をかざすと二人に話しかけた。
「どうです、順調ですか?」
「うー、順調に見えるかよっ!」
つかまり立ちすると壁を伝いゆっくりと歩きだす。
なかなかスタスタと歩くことは出来ないまでも多少なら立っていられるようだった。
そう言えば昨日も壁に手をついた状態でバックから挿入されていた事を思いだし妄想を振り払うように頭を振った。
「今日はおやつを買ってきましたよ!ケーキ好きですか?」
「おっ、気が利くじゃん!七海ーケーキ食べよー!」
大声で呼ぶと奥から保護者の七海が出てきた。
「そうですね。まずは手を洗いに行って来て下さいね。」
「えー、そこで食おうよ!」
今歩行練習中なので近くのテーブルで食べたいと思っていたようだ。
しかし、洗面所は風呂場の側で裏手にあった。
そこまで行って帰ってくるには少し時間がかかってしまうのだ。
「吉野先生、いらっしゃい。どうぞかけて待ってて下さいね、今コーヒーを入れて来ます」
「ええ、有難うございます。遼君、大分と回復してきましたね?」
「そうですね。まだ支える物が必要ですがね」
遼の後ろ姿を見送りながら吉野は腰を下ろした。
七海はコーヒーを入れて来ると遼を迎えにいった。
洗面台に辿り着くと手を洗いタオルに手を伸ばすと、そのままフラッとふらつき倒れ込みそうになったところを暖かい腕に支えられていた。
「危ないところでしたね、大丈夫ですか?」
「おぅ、さんきゅーな!」
「いえ、ほらっ捕まってください?」
「わりぃーな」
そう言うと七海から差し出された手を取るとそのまま抱き上げられた。
吉野のいる部屋まで運ばれるとテーブルの前には色んなことがケーキが並んでいた。
「これ食べていいのか?」
「えぇ、たまにはこういうのも食べたいでしょうから。」
吉野の返事を待たずにシュークリームを手に取ると早速かぶり付いていた。
ほんとに子供みたいな食べ方をするためか横からクリームが出て来ていて口の端に白い生クリームが残っていた。
吉野は指摘しようと手を伸ばすがそこで昨日の映像とダブって見えて、手が止まってしまう。
男を咥えこんだ遼の口の端に流れ出ている白い液体を想像してしまい顔が火照っていくのがわかる。
すると横から七海が遼の頬をそっと触れるとクリームを拭い去ると自分の口へと持っていき、ペロリと舐めてしまった。
「遼さん、付いてますよ?じっとしてて下さい」
「ん?・・・さんきゅー」
照れることなく会話が成立するあたり彼らは恥ずかしくないようだった。
棒状のコルネにかじりつく遼の姿を見ていられなくて視線を外した。
ーダメだ、これ以上見てたら気づかれるっ・・・ー
吉野の下半身がもっこりと膨らんできていたのに気づいた者はまだいない。
しかし、このまま診察を行えば嫌が応にも分かってしまうだろう。
「ちょっと、トイレ借りますね?」
そういって立ち上がるとその場を離れた。
遼は食べることに夢中で気づいていない。
七海は何事もなく見送っていた。
トイレに駆け込むと立ち上がりかけていたモノを落ち着かせる為に手を冷やすとそこにあてがった。
「これじゃー変態じゃないか!僕はいたって普通なんだっ。そう、ホモじゃない!」
自分に言い聞かせるようにトイレに籠っているとガラスの割れる音が響いた。
そっと抜け出すと窓から様子を伺った。
「まさかっ、昼間っからおっぱじめてないよな?」
昨日のように外に周り込むとそっと覗いて見ると予想外の風景が広がっていた。


吉野がトイレに籠ってから流石に長いということで遼が不思議がっていた。
「なんか、トイレ長くねー?腹壊したのか?」
「いえっ、そうじゃないと思いますよ?きっと・・・」
今日の吉野は遼を見ている様子がおかしかった。
じっと見つめたかと思うと顔を反らしていた。
真っ赤になってもじもじしている様子に怪しんでいたため大体の想像はついたのだった。
「きっと、おさまるまでは出てこれませんよ?」
「?・・・おさまる?」
「こっちの話です。コーヒーのお代わりは入りますか?」
「おぅ。」
「待ってて下さい。」
そう言って立ち上がるとキッチンに向かった。
するとキッチンの方からコップの割れる音が響いてきた。
「どうかしたのか?」
遼が声をかけると、奥から現れたのは七海ではなく黒服の男達だった。
「だっ・・誰だよ!七海はどうしたんだ!」
「おとなしくしてれば手荒な事はしない。着いてこい!」
「やだっ・・・離せよっ・・・!」
遼の腕を掴むと引きずるように引っ張った。
まだしっかり歩けないので引きずられるようになってしまい、抵抗しているのだよ思われた。
「早く立てよ!歩きたくないのか?」
暴れる遼の頭をがっしりと掴むといきなり殴り付けた。
テーブルに思いっきりぶつかるとそのまま倒れ込む。
起き上がろうとしないのをいいことに腹をけり上げた。
「かはっ・・・!」
もう一人の男が何度も蹴りつけるのを止めると即座に担ぎ上げた。
「あんまり手荒くするな!商品が使い物にならなくなるだろう!ほらっ帰るぞ!」
奥からもう一人の侵入者は3人で何か話すとそのまま立ち去っていった。
吉野は出ていく事が出来ずただ震えるばかりだった。
男達が立ち去った後にゆっくりと出ていくとキッチンに頭から血を流して倒れている七海を発見した。
「七海さん!大丈夫ですか?」
揺さぶり起こすと意識がまだ有ることに安堵し島の唯一のタクシーを呼ぶと診療所に向かった。
男達は遼のことを商品と話していた。
まるで商品を回収していったような口振りで殴る蹴るの暴行を加えていた。
七海と初めて会った時の雰囲気と似ている気がして不安になっていた。
七海は始めに誰かから追われていると言っていた。
そして、見つかれば殺されるとも・・・。
ゴクリと唾を飲み込むと今は連れ拐われた遼の事よりも重症の七海を助けることが先決だった。
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