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合併計画
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あれから一週間が過ぎ、八雲構造の召集に涼風と綾音が呼ばれることになっていた。
矢部は相変わらず涼風の側に待機しており弱味を握られたままであった。
矢部の彼女の入院している病院を突き止めたまではいいが警備が厳しく奪還までには至っていなかった。
涼風と離れた隙に声をかけるが避けられてしまう。
「ダメだな、あれじゃーどうしようもないだろ?」
「そうだなぁ~なんとか出来ればよかったんだけど・・・涼風もなんだかおとなしいし、怪しいんだよね~・・・何かをしでかしそうで。」
遼は綾音の不安を拭うように自分の方に引き寄せて抱きしめた。
遼の心臓の鼓動を聞きながら力を抜いて好きなようにさせた。
何もかも分かっているかのような無防備な心。
読まれても構わないという清々しいかもまでの声に耳をかたむけながら、目を閉じた。
「俺がいるじゃん、何でもやらせればいいだろう?出席する全ての人間の心を読めと言われればやってやるよ!」
「!!・・・そんな事は言わない。倒れるのが目に見えているじゃない?控え室で待ってて。いい知らせを持ってくるから!」
心を決めたように強い視線を遼向けてきた。
「あぁ、待ってるから。」
にっこりと微笑むと送り出した。
今から3時間後、オフィスビルにて数人の幹部連中と涼風、そして綾音、そして構造の今後の事が発表される予定だった。
3日前に東條組の杉下徹夫が綾音と遼を訪ねてきた。
勿論、遼に対してのお詫びと謝罪。
そして割符を渡すためだった。
「本当にすまないことをしたと思っている。部下の管理が不十分だった。」
「・・・それで許されると思ってる訳ではないんだろう?」
ドスのきいた綾音の声にピリピリと空気が張りつめた。
「それは、甘んじて受けよう。何なりと言ってくれてかまわない。」
「そう?・・・なら遠慮はしない。今すぐ自害すればなかったことにしよう。もしくは組員全員の小指を提出ってのはどうかな?どちらを選ぶ?」
「・・・くっ・・・。」
「2択なんだ、好きな方を選べばいい。」
二人の会話にいたたまれなくなった遼は綾音の服を引っ張った。
「何もそこまでっ・・・」
「黙りなさい。遼は口を挟まないで。その体は誰の所有物か分かってる?」
「えっ・・・それはっー・・んーーー」
抵抗するよりも早く腕を掴まれ引き寄せられた。
反論などさせないとでも言うように壁に押し付けられると口を塞がれ濃厚なキスをされた。
逆らう気力などないように息が苦しくなるくらい長い間重ねられ、杉下も見ているというのに一向に解放してはくれなかった。
離れた時には荒い息を吐きながら地面に座り込んでいた。
「コレに手を出したこと後悔してもらわないとね?」
杉下は一部始終を見せられ呆れたように溜め息をついた。
真っ赤になって床に座り込む遼を見た後で綾音に向き直ると腰の拳銃を取り出した。
「これで納めさせて欲しい。ただ、妹の事を頼めるだろうか?」
なんの躊躇もなく引き金を引くと自身のこめかみに当てた。
「いい決断だ。妹の事は責任もって面倒をみよう。」
納得したように眺める綾音は止めようとしない。
遼はキスの後で、ただ黙って見守っていた。
静まり返った部屋に一発の銃声が鳴り響いた。
すぐに外で控えていた部下がドアを叩いてなかの様子を伺うが綾音にどやされ静かになった。
「覚悟はわかったわ。さーてこれからの話でもしましょうか?」
さっきの事が嘘のようににこやかに笑みを浮かべていた。
こめかみに当てた銃口からは弾丸は出ず、ただ空砲だけが鳴り響いたのである。
ボディーチェックの際に弾丸を抜いておいたらしい。
ー数秒にも満たない時間でそんなことをやってのけるとは・・・まったくやってくれるよ。ー
杉下は荷が下りたような複雑な気持ちだった。
それから統合の話が進められ実質は東條組は名前を変えて八雲会の傘下に入ることになる。
そしてお役後免だと思われた代表取締役に杉下徹夫が就任するという異例の人事を考えているというのだった。
「待ってください。貴方は何を考えているんですか?本気なんですか!?」
「えぇ、本気よ。私は八雲会を継ぐわ。でも、内政には疎くてね。それに引き換え荒事よりそっちのが得意でしょう?だったら悪い話じゃないでしょう?勿論部下も連れてくればいいわ。ここで一般人になれるわけがないでしょう?命を狙われながら怯えるより大きな力を手に入れた方が妹の治療にも専念出来るでしょう!」
妹と言われ眉を歪めたが、すぐに切り替えると話を受けたのだった。
「分かった。それに従おう。」
「話が分かる人で助かるわ。それじゃーお父様の召集が3日後にあるからその後で連絡入れるわ」
「お待ちしてますよ。彼も連れていくのですか?」
遼の方に視線が向けられると綾音は首を振った。
「さすがに連れていけないわよ!」
「では。その日少し付き合ってもらっても?」
綾音に視線を向けると少し疑うような目付きで釘を刺された。
「連れ歩くのは構わないけど手を出したら、今度はないわよ?」
「そんな事はないですよ。ただ、付き合って欲しいところがあるんですよ。」
「ふ~ん。いいわよ。遼、後で何があったか教えなさいよ!」
「って、俺には選択肢はないのかよ!」
すると、きっぱりと言われた。
「ないわ。」
と。
矢部は相変わらず涼風の側に待機しており弱味を握られたままであった。
矢部の彼女の入院している病院を突き止めたまではいいが警備が厳しく奪還までには至っていなかった。
涼風と離れた隙に声をかけるが避けられてしまう。
「ダメだな、あれじゃーどうしようもないだろ?」
「そうだなぁ~なんとか出来ればよかったんだけど・・・涼風もなんだかおとなしいし、怪しいんだよね~・・・何かをしでかしそうで。」
遼は綾音の不安を拭うように自分の方に引き寄せて抱きしめた。
遼の心臓の鼓動を聞きながら力を抜いて好きなようにさせた。
何もかも分かっているかのような無防備な心。
読まれても構わないという清々しいかもまでの声に耳をかたむけながら、目を閉じた。
「俺がいるじゃん、何でもやらせればいいだろう?出席する全ての人間の心を読めと言われればやってやるよ!」
「!!・・・そんな事は言わない。倒れるのが目に見えているじゃない?控え室で待ってて。いい知らせを持ってくるから!」
心を決めたように強い視線を遼向けてきた。
「あぁ、待ってるから。」
にっこりと微笑むと送り出した。
今から3時間後、オフィスビルにて数人の幹部連中と涼風、そして綾音、そして構造の今後の事が発表される予定だった。
3日前に東條組の杉下徹夫が綾音と遼を訪ねてきた。
勿論、遼に対してのお詫びと謝罪。
そして割符を渡すためだった。
「本当にすまないことをしたと思っている。部下の管理が不十分だった。」
「・・・それで許されると思ってる訳ではないんだろう?」
ドスのきいた綾音の声にピリピリと空気が張りつめた。
「それは、甘んじて受けよう。何なりと言ってくれてかまわない。」
「そう?・・・なら遠慮はしない。今すぐ自害すればなかったことにしよう。もしくは組員全員の小指を提出ってのはどうかな?どちらを選ぶ?」
「・・・くっ・・・。」
「2択なんだ、好きな方を選べばいい。」
二人の会話にいたたまれなくなった遼は綾音の服を引っ張った。
「何もそこまでっ・・・」
「黙りなさい。遼は口を挟まないで。その体は誰の所有物か分かってる?」
「えっ・・・それはっー・・んーーー」
抵抗するよりも早く腕を掴まれ引き寄せられた。
反論などさせないとでも言うように壁に押し付けられると口を塞がれ濃厚なキスをされた。
逆らう気力などないように息が苦しくなるくらい長い間重ねられ、杉下も見ているというのに一向に解放してはくれなかった。
離れた時には荒い息を吐きながら地面に座り込んでいた。
「コレに手を出したこと後悔してもらわないとね?」
杉下は一部始終を見せられ呆れたように溜め息をついた。
真っ赤になって床に座り込む遼を見た後で綾音に向き直ると腰の拳銃を取り出した。
「これで納めさせて欲しい。ただ、妹の事を頼めるだろうか?」
なんの躊躇もなく引き金を引くと自身のこめかみに当てた。
「いい決断だ。妹の事は責任もって面倒をみよう。」
納得したように眺める綾音は止めようとしない。
遼はキスの後で、ただ黙って見守っていた。
静まり返った部屋に一発の銃声が鳴り響いた。
すぐに外で控えていた部下がドアを叩いてなかの様子を伺うが綾音にどやされ静かになった。
「覚悟はわかったわ。さーてこれからの話でもしましょうか?」
さっきの事が嘘のようににこやかに笑みを浮かべていた。
こめかみに当てた銃口からは弾丸は出ず、ただ空砲だけが鳴り響いたのである。
ボディーチェックの際に弾丸を抜いておいたらしい。
ー数秒にも満たない時間でそんなことをやってのけるとは・・・まったくやってくれるよ。ー
杉下は荷が下りたような複雑な気持ちだった。
それから統合の話が進められ実質は東條組は名前を変えて八雲会の傘下に入ることになる。
そしてお役後免だと思われた代表取締役に杉下徹夫が就任するという異例の人事を考えているというのだった。
「待ってください。貴方は何を考えているんですか?本気なんですか!?」
「えぇ、本気よ。私は八雲会を継ぐわ。でも、内政には疎くてね。それに引き換え荒事よりそっちのが得意でしょう?だったら悪い話じゃないでしょう?勿論部下も連れてくればいいわ。ここで一般人になれるわけがないでしょう?命を狙われながら怯えるより大きな力を手に入れた方が妹の治療にも専念出来るでしょう!」
妹と言われ眉を歪めたが、すぐに切り替えると話を受けたのだった。
「分かった。それに従おう。」
「話が分かる人で助かるわ。それじゃーお父様の召集が3日後にあるからその後で連絡入れるわ」
「お待ちしてますよ。彼も連れていくのですか?」
遼の方に視線が向けられると綾音は首を振った。
「さすがに連れていけないわよ!」
「では。その日少し付き合ってもらっても?」
綾音に視線を向けると少し疑うような目付きで釘を刺された。
「連れ歩くのは構わないけど手を出したら、今度はないわよ?」
「そんな事はないですよ。ただ、付き合って欲しいところがあるんですよ。」
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