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1話 屋上での出会い
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幼馴染みと一緒の高校に入って、まだ数ヶ月。
どんなに好きでも、彼女との関係は幼馴染みという
名前から抜け出せないでいた。
俺の名前は、進藤新。
幼馴染みの新美佳織と幼稚園からの付き合いだ。
面倒見が良く、人見知りの俺とは正反対の性格だっ
た。
彼女は誰からも好かれ、最近バレー部のキャプテン
にも次の部長にはと一年ながらに抜擢されるほどの
優秀さなのだ。
そんな彼女がどうして俺と幼馴染みかいうと、彼女
の母親と俺の母親が親友だったからだ。
そして、近所に住んでいるという理由だ。
幼稚園に入る頃、ここへ引っ越してきた俺たち家族
に新美家の人は優しく接してくれた。
父が事故で亡くなってからは、家族で支えてくれた
のだった。
それでも心を開こうとしない俺に、佳織は親切にし
てくれた。
それを、勘違いした俺は今も彼女の事が好きで仕方
がないのだった。
こうして、毎日一緒に学校へと向かうのだが、教室
に入る頃には、もう見向きもしなくなる。
多分、俺と一緒にいるのが恥ずかしいのだろう。
俺は、ほとんどの時間を一人で過ごす事が多かった。
部活も美術部に入ると、好きな絵を描く毎日を過ご
していた。
ずっと持ち歩いているスケッチブックには、佳織の
スケッチが無数に描かれている。
誰にも見せた事がない絵は、いつもここで描いてい
た。
誰も来ない、一人の時間が心地よいのだった。
誰からも評価されず、無心になって描いているうち
に、自分でも満足いくほどに描けるようになったと
思う。
「うん。結構いいじゃん」
「そうだね~、この子の事好きなの?」
屋上は最初入ってきた時に鍵をかけたと思っていた。
なのにいつの間にか、横に来ていた男子生徒はにこや
かに話かけてきたのだった
その日、新は逃げるように屋上を飛び出していた。
まさか、佳織を描き綴ったスケッチブックを見知らぬ
人に見られるとは思ってもみなかったからだ。
自分の気持ちを見透かされた気がして恥ずかしかった
からだった。
次の日の昼。
こっそりと屋上へと来ると、キョロキョロと見回す。
どこにも隠れてはいない。
まだ来ていないようだ。
「はぁ~、誰も居ないな……」
ガチャンと鍵をかけると日当たりのいい真ん中で大
の字になって寝転がる。
「やっぱり一人は落ち着くなぁ~………」
決して一人がいいとは思ってはいないけど、それで
も教室に一人でいるよりはましだった。
「へ~、またぼっちなの?」
「うわぁっ!一体どこから現れてるんだよ!」
「ん?僕の事?ずっといたよ?」
「そんなわけ……」
新に話しかけてくる同級生は珍しい。
その理由は、毎朝登校してくる時に、佳織と一緒だ
からだった。
全く平凡な新が、新美佳織と一緒に登校するなど、
あり得ないと問い詰められたのだ。
それ以降、誰からも声をかけられる事はなくなった。
教室で孤立した理由だ。
「別に………いいよ。」
「お?なに?いつも一人ぼっちが寂しそうだったから
声かけてあげたんじゃん?」
「可哀想って……」
「違うのか?いいじゃん、いいじゃん。僕が話相手に
なってやるって!それに……恋愛相談にも乗るぞ?」
ニヤニヤとしながら新を見下ろしてきた。
「進藤新、1年2組だよ。何組?」
「あー……8組かな……それと……3年だからさ、先輩
なんだぞ?」
「えっ……先輩なの?見えな……」
「おい、今、見えないって言おうとしたろ?」
ガシッと頭を掴むとぐしゃぐしゃと髪を掻き混ぜた。
ボサボサの髪が余計にボサボサになった。
「明日も来いよ。昼に待ってるからさ」
「弁当食べなんですか?」
「あー、教室で食べてから来てるんだ。それと…敬語
は無しな!」
よく笑う人だった。
チャイムが鳴ると慌てて、屋上を出た。
のんびりしているのか、先輩は手を振ると新を見送っ
ていた。
急いで教室に入ると、ちょうど先生が入って来る所だ
った。
「おーい、進藤。席につけー」
「はいっ……」
慌てて席に付くと弁当をしまうと教科書をだした。
「この前のテストを返すぞ~。赤点2個で補習な!
夏休みは補習がある人は、しっかり出てこいよ」
「「えぇぇぇーーーー」」
どこからともなくどっと声が漏れる。
どんなに好きでも、彼女との関係は幼馴染みという
名前から抜け出せないでいた。
俺の名前は、進藤新。
幼馴染みの新美佳織と幼稚園からの付き合いだ。
面倒見が良く、人見知りの俺とは正反対の性格だっ
た。
彼女は誰からも好かれ、最近バレー部のキャプテン
にも次の部長にはと一年ながらに抜擢されるほどの
優秀さなのだ。
そんな彼女がどうして俺と幼馴染みかいうと、彼女
の母親と俺の母親が親友だったからだ。
そして、近所に住んでいるという理由だ。
幼稚園に入る頃、ここへ引っ越してきた俺たち家族
に新美家の人は優しく接してくれた。
父が事故で亡くなってからは、家族で支えてくれた
のだった。
それでも心を開こうとしない俺に、佳織は親切にし
てくれた。
それを、勘違いした俺は今も彼女の事が好きで仕方
がないのだった。
こうして、毎日一緒に学校へと向かうのだが、教室
に入る頃には、もう見向きもしなくなる。
多分、俺と一緒にいるのが恥ずかしいのだろう。
俺は、ほとんどの時間を一人で過ごす事が多かった。
部活も美術部に入ると、好きな絵を描く毎日を過ご
していた。
ずっと持ち歩いているスケッチブックには、佳織の
スケッチが無数に描かれている。
誰にも見せた事がない絵は、いつもここで描いてい
た。
誰も来ない、一人の時間が心地よいのだった。
誰からも評価されず、無心になって描いているうち
に、自分でも満足いくほどに描けるようになったと
思う。
「うん。結構いいじゃん」
「そうだね~、この子の事好きなの?」
屋上は最初入ってきた時に鍵をかけたと思っていた。
なのにいつの間にか、横に来ていた男子生徒はにこや
かに話かけてきたのだった
その日、新は逃げるように屋上を飛び出していた。
まさか、佳織を描き綴ったスケッチブックを見知らぬ
人に見られるとは思ってもみなかったからだ。
自分の気持ちを見透かされた気がして恥ずかしかった
からだった。
次の日の昼。
こっそりと屋上へと来ると、キョロキョロと見回す。
どこにも隠れてはいない。
まだ来ていないようだ。
「はぁ~、誰も居ないな……」
ガチャンと鍵をかけると日当たりのいい真ん中で大
の字になって寝転がる。
「やっぱり一人は落ち着くなぁ~………」
決して一人がいいとは思ってはいないけど、それで
も教室に一人でいるよりはましだった。
「へ~、またぼっちなの?」
「うわぁっ!一体どこから現れてるんだよ!」
「ん?僕の事?ずっといたよ?」
「そんなわけ……」
新に話しかけてくる同級生は珍しい。
その理由は、毎朝登校してくる時に、佳織と一緒だ
からだった。
全く平凡な新が、新美佳織と一緒に登校するなど、
あり得ないと問い詰められたのだ。
それ以降、誰からも声をかけられる事はなくなった。
教室で孤立した理由だ。
「別に………いいよ。」
「お?なに?いつも一人ぼっちが寂しそうだったから
声かけてあげたんじゃん?」
「可哀想って……」
「違うのか?いいじゃん、いいじゃん。僕が話相手に
なってやるって!それに……恋愛相談にも乗るぞ?」
ニヤニヤとしながら新を見下ろしてきた。
「進藤新、1年2組だよ。何組?」
「あー……8組かな……それと……3年だからさ、先輩
なんだぞ?」
「えっ……先輩なの?見えな……」
「おい、今、見えないって言おうとしたろ?」
ガシッと頭を掴むとぐしゃぐしゃと髪を掻き混ぜた。
ボサボサの髪が余計にボサボサになった。
「明日も来いよ。昼に待ってるからさ」
「弁当食べなんですか?」
「あー、教室で食べてから来てるんだ。それと…敬語
は無しな!」
よく笑う人だった。
チャイムが鳴ると慌てて、屋上を出た。
のんびりしているのか、先輩は手を振ると新を見送っ
ていた。
急いで教室に入ると、ちょうど先生が入って来る所だ
った。
「おーい、進藤。席につけー」
「はいっ……」
慌てて席に付くと弁当をしまうと教科書をだした。
「この前のテストを返すぞ~。赤点2個で補習な!
夏休みは補習がある人は、しっかり出てこいよ」
「「えぇぇぇーーーー」」
どこからともなくどっと声が漏れる。
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