9 / 20
鈍感な彼
第九話
しおりを挟む
シャワー室を一個取ると、今、すっごく恥ずかし
い格好をしている。
流石に風呂場ではやる勇気はなくて、シャワー室
の個室に二人で入っている。
そもそも二人で入っている時点でおかしいのだが、
致し方ない。
自分ではできないのだから。
泡を立てると剃るところにつけていく。
剃刀の刃が当たるとヒヤッとして自然と震える。
「大丈夫だから、揺らさないで」
「うん……分かってる」
分かってると言いながらも、少し緊張する。
普通誰にも見せない場所を曝け出す様で、いくら
幼馴染みと言えど、恥ずかしいものは恥ずかしい。
ショリショリと剃り終わると、ホッとしてシャワ
ーを手に取ろうとして止められた。
「まだだよ、ほら、後ろ向いて」
「後ろ?」
「そう、こっちもでしょ?」
すぅーっと尻の谷間に人の手が触れて行くとぶる
るっと身震いした。
「そこは…ちょっと…」
「こんな場所から毛が出てるとカッコ悪いだろ?」
カッコ悪いとはっきり言われると、そうなのかと
思ってしまう。
「わかった……頼む」
「うん。いいよ。」
なぜだろう。
陸は全く嫌がらない。
普通なら、友人とはいえ、こんな場所の毛を剃る
手伝いなんて嫌なはずなのに……。
「はい、終わり」
「……ありがとう」
「どういたしまして。でも……これからは入浴の
時に気をつけろよ?」
「ん?なんで?」
「だって……そんなにつるつるだと……」
「つるつるだと?」
「まだ毛が生えて来てないみたいだろ?」
一瞬考えてから、カァっとなった。
「もう、しっかり大人だ!陸のばか!」
個室で暴れると陸をポンポンと叩く。
がっしりした体は叩いても全くびくともしない。
すると、人の声が聞こえて来た。
誰か入って来たらしい。
「あっ……」
一瞬迷う。
出て行くタイミングを逃してしまったからだ。
シャワー室で二人でいるなど怪しすぎる。
見られたくない!
と思うと、つい陸にしがみつい付いてしまった。
「壱夜……?」
ただ黙って陸は壱夜を抱き抱えた。
「えっ…」
「黙ってて」
「う……うん」
シャワー室なだけあってか、出て行くのも早い。
壱夜達はシャワーを流し続けながら出て行くのを
待った。
外からは足元しか見えないので、抱き抱えられた
壱夜は気づかれていない。
出て行ったのを確認すると、自分達もそそくさと
出ていく。
ヒヤヒヤした瞬間だった。
部屋に戻るといつもの様に体を鍛えながら、休憩
に机に向かったのだった。
プール開きの当日。
待ちに待った水着披露する日だったが、あいにく
の雨で、楽しみにしていたプールは中止になった。
その日は水着チェックだけ行われた。
クラスの女子の大半が却下をくらい、半数の男子が
ブーメランを選んでいた。
これには壱夜も驚いた。
ハッと陸を見ると、ニヤニヤしている。
男子高校生にもなれば、選ぶものはにかよって来る
のだった。
い格好をしている。
流石に風呂場ではやる勇気はなくて、シャワー室
の個室に二人で入っている。
そもそも二人で入っている時点でおかしいのだが、
致し方ない。
自分ではできないのだから。
泡を立てると剃るところにつけていく。
剃刀の刃が当たるとヒヤッとして自然と震える。
「大丈夫だから、揺らさないで」
「うん……分かってる」
分かってると言いながらも、少し緊張する。
普通誰にも見せない場所を曝け出す様で、いくら
幼馴染みと言えど、恥ずかしいものは恥ずかしい。
ショリショリと剃り終わると、ホッとしてシャワ
ーを手に取ろうとして止められた。
「まだだよ、ほら、後ろ向いて」
「後ろ?」
「そう、こっちもでしょ?」
すぅーっと尻の谷間に人の手が触れて行くとぶる
るっと身震いした。
「そこは…ちょっと…」
「こんな場所から毛が出てるとカッコ悪いだろ?」
カッコ悪いとはっきり言われると、そうなのかと
思ってしまう。
「わかった……頼む」
「うん。いいよ。」
なぜだろう。
陸は全く嫌がらない。
普通なら、友人とはいえ、こんな場所の毛を剃る
手伝いなんて嫌なはずなのに……。
「はい、終わり」
「……ありがとう」
「どういたしまして。でも……これからは入浴の
時に気をつけろよ?」
「ん?なんで?」
「だって……そんなにつるつるだと……」
「つるつるだと?」
「まだ毛が生えて来てないみたいだろ?」
一瞬考えてから、カァっとなった。
「もう、しっかり大人だ!陸のばか!」
個室で暴れると陸をポンポンと叩く。
がっしりした体は叩いても全くびくともしない。
すると、人の声が聞こえて来た。
誰か入って来たらしい。
「あっ……」
一瞬迷う。
出て行くタイミングを逃してしまったからだ。
シャワー室で二人でいるなど怪しすぎる。
見られたくない!
と思うと、つい陸にしがみつい付いてしまった。
「壱夜……?」
ただ黙って陸は壱夜を抱き抱えた。
「えっ…」
「黙ってて」
「う……うん」
シャワー室なだけあってか、出て行くのも早い。
壱夜達はシャワーを流し続けながら出て行くのを
待った。
外からは足元しか見えないので、抱き抱えられた
壱夜は気づかれていない。
出て行ったのを確認すると、自分達もそそくさと
出ていく。
ヒヤヒヤした瞬間だった。
部屋に戻るといつもの様に体を鍛えながら、休憩
に机に向かったのだった。
プール開きの当日。
待ちに待った水着披露する日だったが、あいにく
の雨で、楽しみにしていたプールは中止になった。
その日は水着チェックだけ行われた。
クラスの女子の大半が却下をくらい、半数の男子が
ブーメランを選んでいた。
これには壱夜も驚いた。
ハッと陸を見ると、ニヤニヤしている。
男子高校生にもなれば、選ぶものはにかよって来る
のだった。
0
あなたにおすすめの小説
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる