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47話 似た人
大学の講義が終わると、浅緋は真っ直ぐバイト先
のスーパーへと向かうはずだった。
今、蓮城の手の中にある携帯には浅緋の今日の行
動経路が出ていた。
大学まではいいとして、その後の動きがあきらか
におかしいのだった。
大学前からバイト先とは正反対の方向へと向かっ
ていたのだ。
それも怪しい店が並ぶ方へと真っ直ぐに向かって
いた。
そして今、赤く点滅している場所が浅緋が現在い
る場所になる。
そんな場所に用事などあるはずもないから余計に
怪し過ぎる。
蓮城は荷物を纏めると、タクシーを拾った。
携帯の位置を検索してビルを見つけると、とある
人物へと電話をかけた。
留守電に切り替わると、伝言を残した。
ビルへと入ると、そこは色々な事務所が入ってい
た。
だが、普通の事務所ではない。
蓮城も使った事のある、デリヘルボーイの事務所
もそこにあったのだった。
チャイムを鳴らすと、強面の男性が出てきた。
「すみません、人を探しているんですけど?」
「悪いが関係者以外はここには居ないんだ、用事
がないなら帰るんだな」
「警察……呼んでも構いませんよね?この近くで
人が攫われたって聞いたんです。やましい事が
ないなら、この場で警察を呼びます」
「黙って聞いてりゃ、このっ……」
男は最初余裕の表情を浮かべていたが、すぐにそ
れが消えると、睨みつけてきた。
が、後ろから冷静な声が響いてきた。
「やめなさい。こんなところで騒いで困るのは貴方
ではありませんか?まぁ、いいでしょう。誰をお
探しですか?」
「恋人を探していてね。ここに連れ込まれたと思う
んだが?」
「さぁ?知りませんね?私どもは従業員を連れて来
ただけですからね」
全く、動じない宇田の表情に蓮城は少し焦っていた。
すぐにでも中に入って浅緋を探したい。
携帯のアプリに仕込んだ追跡機能は、この奥にいる
と示していたからだった。
「浅緋を返してください」
「何を言っているか知らないが。そんな子は居ない」
「いえ、この奥にいるはずです。浅緋はこんないか
がわしい店で働く子ではないですから」
「何を根拠に……そもそも、貴方は客として使った
事があるのではないですか?蓮城真琴さん。いや、
レンさんとお呼びした方がいいですか?あぁ、そ
うだ。今はM大にお勤めだとか?」
「……」
ドアの前で膠着状態だった蓮城は、焦っていた。
このまま引き下がるのわけにはいかない。
だが、身元もバレている上に、浅緋の身も危険
だと思うと、焦る一方だった。
そんな時、後ろから見知った声が降ってきたの
だった。
「おいおい、宇田。お前は何をしてるんだ?」
「柿崎先輩っ……、なんでここに来てるんです?」
「ちょぉ~っと大事な子がここに連れ込まれた
って聞いたんでね?それより、無関係の人間
を連れ込むたぁ~どういう了見だぁ?」
人睨みする柿崎に宇田はため息を吐くと中へと
通してくれた。
蓮城はすぐに駆け出すと、奥のドアを開けたの
だった。
♦︎
数時間前。
宇田は浅緋を抱え上げると事務所の奥の部屋へ
と入っていった。
事務所に来ていたミオは少し驚いていたが、す
ぐに後をついて来た。
「ハル、抵抗でもしたの?」
「いえ、ちょっと逃げようとしたので……今日、
例のやりましょうかね」
「マジで?いいね~。ハルとの3P?」
「それもいいですが、4人はどうですか?」
「いい!気持ちよければなんでもおっけ~♪」
嬉しそうに頷くミオは、浅緋の服を脱がし始めた。
「あぁ、ついでに洗浄もお願いしますよ。暫くは
目を覚さないでしょうから。気づいたら始めま
しょうかね」
「は~い♪」
楽しそうに服脱がして行く。
備え付けのシャワールームに入ると、お湯を調節
して専用のローションを後ろに入れて行く。
「ハルったら、逃げるなんてバカだな~、こんな
気持ちいい事してお金が貰えるんだから勿体な
いのにな~、って髪黒く染めたんだ~……あれ
?ピアスって開けてたよね?」
眠ったままの浅緋をじっくり眺める。
身体中を触っていく。
お尻の弾力もある。
ローションを入れたせいか、指を入れてもすんな
り入る。
慣れているのは確かだった。
だが、乳首は小さくあまり弄られ慣れていない。
ハルのは確か何度も客に開発されたと愚痴るほど
にぷっくりとしていて、触っていなくても大きく
腫れているはずだった。
それに、耳にはいくつものピアスが開いていたは
ずだった。
それが、全くない。
綺麗さっぱり埋まっているのだ。
いや、違う。
埋まっているというより、初めから開いてすらい
ないのだった。
「ハル……じゃない?……こんなに似てるのに?」
ミオはよーく観察する方を優先してしまっていた。
すると、ドアが開き、今日のもう一人のゲストが
入って来た。
「おい、洗い終わったか?」
「いやぁ~、ちょっと今日は入念に洗おうかな~
って思ってて……」
「ちんたらしてないで、早くしろって。ほら、手
伝ってやるからよ」
「大丈夫だよ~、僕が洗ってあげるんだからさ~」
「遠慮すんなっ、こいつは今日の主役だろう?し
っかり可愛がるように言われてんだ。それに薬
も使っていいんだってよ」
「なっ……それは……」
ミオの驚きは、その男にも伝わっていた。
商品に薬を使うなど、あり得なかったからだ。
それは、もう商品ですらないという事だった。
薬は何度も使えば麻薬と一緒でいくら媚薬といえ
ど、やみつきになってしまう。
依存度は高く、セックス漬けにするには欠かせ
ないものでもあった。
だが、それを数回使ってしまえばもう、それ無し
でのセックスができなくなるという。
ミオですら手を出した事はなかった。
それ以前に、もうセックス依存症になっているの
で、薬を必要としなかったのだった。
それをハルに使うという事はよっぽど宇田の怒り
を買ったという事に他ならなかった。
のスーパーへと向かうはずだった。
今、蓮城の手の中にある携帯には浅緋の今日の行
動経路が出ていた。
大学まではいいとして、その後の動きがあきらか
におかしいのだった。
大学前からバイト先とは正反対の方向へと向かっ
ていたのだ。
それも怪しい店が並ぶ方へと真っ直ぐに向かって
いた。
そして今、赤く点滅している場所が浅緋が現在い
る場所になる。
そんな場所に用事などあるはずもないから余計に
怪し過ぎる。
蓮城は荷物を纏めると、タクシーを拾った。
携帯の位置を検索してビルを見つけると、とある
人物へと電話をかけた。
留守電に切り替わると、伝言を残した。
ビルへと入ると、そこは色々な事務所が入ってい
た。
だが、普通の事務所ではない。
蓮城も使った事のある、デリヘルボーイの事務所
もそこにあったのだった。
チャイムを鳴らすと、強面の男性が出てきた。
「すみません、人を探しているんですけど?」
「悪いが関係者以外はここには居ないんだ、用事
がないなら帰るんだな」
「警察……呼んでも構いませんよね?この近くで
人が攫われたって聞いたんです。やましい事が
ないなら、この場で警察を呼びます」
「黙って聞いてりゃ、このっ……」
男は最初余裕の表情を浮かべていたが、すぐにそ
れが消えると、睨みつけてきた。
が、後ろから冷静な声が響いてきた。
「やめなさい。こんなところで騒いで困るのは貴方
ではありませんか?まぁ、いいでしょう。誰をお
探しですか?」
「恋人を探していてね。ここに連れ込まれたと思う
んだが?」
「さぁ?知りませんね?私どもは従業員を連れて来
ただけですからね」
全く、動じない宇田の表情に蓮城は少し焦っていた。
すぐにでも中に入って浅緋を探したい。
携帯のアプリに仕込んだ追跡機能は、この奥にいる
と示していたからだった。
「浅緋を返してください」
「何を言っているか知らないが。そんな子は居ない」
「いえ、この奥にいるはずです。浅緋はこんないか
がわしい店で働く子ではないですから」
「何を根拠に……そもそも、貴方は客として使った
事があるのではないですか?蓮城真琴さん。いや、
レンさんとお呼びした方がいいですか?あぁ、そ
うだ。今はM大にお勤めだとか?」
「……」
ドアの前で膠着状態だった蓮城は、焦っていた。
このまま引き下がるのわけにはいかない。
だが、身元もバレている上に、浅緋の身も危険
だと思うと、焦る一方だった。
そんな時、後ろから見知った声が降ってきたの
だった。
「おいおい、宇田。お前は何をしてるんだ?」
「柿崎先輩っ……、なんでここに来てるんです?」
「ちょぉ~っと大事な子がここに連れ込まれた
って聞いたんでね?それより、無関係の人間
を連れ込むたぁ~どういう了見だぁ?」
人睨みする柿崎に宇田はため息を吐くと中へと
通してくれた。
蓮城はすぐに駆け出すと、奥のドアを開けたの
だった。
♦︎
数時間前。
宇田は浅緋を抱え上げると事務所の奥の部屋へ
と入っていった。
事務所に来ていたミオは少し驚いていたが、す
ぐに後をついて来た。
「ハル、抵抗でもしたの?」
「いえ、ちょっと逃げようとしたので……今日、
例のやりましょうかね」
「マジで?いいね~。ハルとの3P?」
「それもいいですが、4人はどうですか?」
「いい!気持ちよければなんでもおっけ~♪」
嬉しそうに頷くミオは、浅緋の服を脱がし始めた。
「あぁ、ついでに洗浄もお願いしますよ。暫くは
目を覚さないでしょうから。気づいたら始めま
しょうかね」
「は~い♪」
楽しそうに服脱がして行く。
備え付けのシャワールームに入ると、お湯を調節
して専用のローションを後ろに入れて行く。
「ハルったら、逃げるなんてバカだな~、こんな
気持ちいい事してお金が貰えるんだから勿体な
いのにな~、って髪黒く染めたんだ~……あれ
?ピアスって開けてたよね?」
眠ったままの浅緋をじっくり眺める。
身体中を触っていく。
お尻の弾力もある。
ローションを入れたせいか、指を入れてもすんな
り入る。
慣れているのは確かだった。
だが、乳首は小さくあまり弄られ慣れていない。
ハルのは確か何度も客に開発されたと愚痴るほど
にぷっくりとしていて、触っていなくても大きく
腫れているはずだった。
それに、耳にはいくつものピアスが開いていたは
ずだった。
それが、全くない。
綺麗さっぱり埋まっているのだ。
いや、違う。
埋まっているというより、初めから開いてすらい
ないのだった。
「ハル……じゃない?……こんなに似てるのに?」
ミオはよーく観察する方を優先してしまっていた。
すると、ドアが開き、今日のもう一人のゲストが
入って来た。
「おい、洗い終わったか?」
「いやぁ~、ちょっと今日は入念に洗おうかな~
って思ってて……」
「ちんたらしてないで、早くしろって。ほら、手
伝ってやるからよ」
「大丈夫だよ~、僕が洗ってあげるんだからさ~」
「遠慮すんなっ、こいつは今日の主役だろう?し
っかり可愛がるように言われてんだ。それに薬
も使っていいんだってよ」
「なっ……それは……」
ミオの驚きは、その男にも伝わっていた。
商品に薬を使うなど、あり得なかったからだ。
それは、もう商品ですらないという事だった。
薬は何度も使えば麻薬と一緒でいくら媚薬といえ
ど、やみつきになってしまう。
依存度は高く、セックス漬けにするには欠かせ
ないものでもあった。
だが、それを数回使ってしまえばもう、それ無し
でのセックスができなくなるという。
ミオですら手を出した事はなかった。
それ以前に、もうセックス依存症になっているの
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それをハルに使うという事はよっぽど宇田の怒り
を買ったという事に他ならなかった。
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