偽りの王女に奪われた世界

秋元智也

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毒溜まりの沼

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ミナの到着を待ってから先へと進んでいく。
先には切り立った崖の間に細く続く洞窟が繋がっている。
そこを守るように2体の大きな体の木偶人形とその上でそれを操る敵が乗っていた。
まだこちらには気づいていないのでそのうちに崖の上にカールとゼムには上がって貰い、援護を頼んだ。
「気を付けて。」
「支援は任せて下さい」
「おう、頼むぜ。カール、ゼム。」
俺は二人に任せて自分は正面から行く事にした。
その後からミナが隙を着くように攻撃にはいる予定だ。
「ミナ、失敗するなよ。ダメならすぐに引け。いいな?」
「やだなー信用してよ~」
「・・・まぁ、いい。行くぞ。」
すぐに剣を抜き放ちゆっくりと近づいていく。
それに気づいた時には目の前まで来ていた。
即座に木偶人形の足を切りつけると周りを炎が取り巻く。
体制を崩し一体が横に倒れる。
それを横目に俺はそのまま洞窟へと滑り込んだ。
大きな体では中に入ることは叶わず、入り口に釘付けになった。
そこを狙うかのように後からミナが近づきもう一体に斬りかかる。
勿論洞窟を覗き込もうとして体制を下に屈めている方の敵にである。
「やぁぁぁぁーーー。」
振り返る事もなく絶命する一体に最初に斬られた方が気づくが、時すでに遅し。
ゼムの矢が命中していた。
俺が出てきたときには、終わった残骸からドロップしたものを確認していた。
「毒の耐性をあげる装備なんだけど・・・」
ミナが難しい顔をした。
それもそのはず、革の鎧なのである。
防御力も弱く、戦闘には不向きである。
しかし、ここから毒のたまった地下ルートを行くのには必要な鎧だった。
「いや、それは俺が貰う。それと前に貯めた毒の苔玉も必要だしな。」
「やっぱり行くんですな?」
ゼムはさっきまで話していた地下へのルートを指していた。
「あぁ、気になるしな。」
ミナとカールは首を傾げたが地図を見て納得したようだった。
「へーこんな所に道があったんだー」
「大丈夫なんですか?ここって毒の霧が充満しているんですよね?」
「あぁ、だから毒の苔玉が必要なんだ。それと先に出口の敵を倒しておかないとな?」
細い洞窟を抜けそのまま、先へと進んだ。
至るところに落とし穴が空いていて中には紫の霧が立ち込めていた。
「わぁー落ちたら死ねるね~」
冗談のようにミナが話すが、冗談ではすまない。
「そんなところ覗いてないでさっさと行くぞ!」
「はーい。」
穴に気を付けながら進んでいくと森で見かけた両手に鎌をもった敵に遭遇した。
「行くぞ?」
「はーい。じゃー、私がいっちばーん」
そういうとミナは駆け出していた。
目の前に飛び出るとすぐに切りつけて一気に飛び退いた。
そこに両手の鎌が後を追うように迫ってきていた。
その後ろに回り込んだ俺が後ろから切りつける。
よろめいた隙にカールとゼムからの矢が膝に突き刺さる。
方膝を着いたところでミナが正面から切りつけ、それと同時に俺も斬りかかった。
連携の取れた攻撃に反撃の隙も与えず絶命した。
「よーし。いい調子だ。この調子で行くぞ!」
さらに、奥の毒の沼にいるデカブツをも簡単に葬ったのだった。
途中で見つけた落とし穴のひとつに梯子がかかっていてそこから下に降りれるようになっていた。
「では、地図は覚えましたかな?」
「あぁ、大体覚えた。後は行ってみるしかないな。」
俺は地図を眺めると毒の苔玉を噛み締めると梯子を降りていった。
下では、視界が全く効かず壁を伝って先に進むしかなかった。
途中にあろうマグマ溜まりを棒切れで叩いて判断し、少しずつ進むと、足元にコロンと転がるものがあった。
手に取りアイテムを収納すると先へと進む。
何度かアイテムを回収すると、先が明るくなってきた。
その辺りでHPの急激な減少が見られ、息苦しくなってきた。
予備に持っていたもう一個毒の苔玉を口に放り込んだ。
回復薬もがぶ飲みするとHPも回復し少し息苦しいのも消えた。
そのまま、足元に注意しながら進んでいくとさっき倒した敵の辺りに出た。
地上に上がると仲間たちが待っていて、安堵の息を漏らした。
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