偽りの王女に奪われた世界

秋元智也

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盾と剣

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奥の遺跡に入ると中で敵が待ち構えているのが見える。正確に言うと槍の先端が壁から見えている。 
崩れた壁から部屋の中に入り込んで部屋を抜けてさっきの通路の先に出ると後ろから先制攻撃をする。
それと同時に反対側にも同時にミナに突撃させた。狭い通路と言えど先に気付かれると騒がれて敵の数が増えるのが厄介なところである。
それに、気づかれてから戦うのと、気づかれる前に近付いて戦うのでは難易度が変わる。
階段を駆け上がり、中段で一旦身を屈める。
「こっから先、別れる。俺はこの真上から火炎瓶を投げてくるヤツを仕留める。俺につられて上から槍兵が降りてくるからそれをミナが仕留めろ。その奥に離れたところの弓兵はゼムの弓で❗」
「「了解」」
「しくじったら、その人のアイテム一個没収ね」
「誰もしくじらねーよ。ミナからは上級の肉を没収な」
「嫌だー。酷いよ~」
「GO。」
一斉に飛び出すと、一気に振り向き火炎瓶を投げる前に火炎瓶を撃ち抜く。すると自分で炎に包まれて自滅。勿論火炎瓶が3つドロップした。ミナは上から降りてきたばかりの槍兵に剣を降り下ろす。今の力なら一撃で仕留められる。ゼムは弓での一騎打ち。しかし、オートアシストを使っているので打ってから動いて相手の弓をかわすともう一回打って仕留める。
そのうち、マニュアルで打って欲しいとこだがしくじると当たらないという事になりかねないので今はやめておこう。
「そこの上の扉を開ければセーブポイントだ。」
「確か、ばあちゃんがいたよね?」
「あぁ、石を買っとかないとな!金貨あったよな?一人一個づつな」
後で壁を開けるために必要となる石をこのおばばから買わなくてはならない。確かに宝箱から拾えばいいのだが一人一個しか買えないのだが三人でプレーしているため合計三個買えるのだ。なので最低限はそこで揃えることが出来るのでそれだけで探索を最小限にすることができる。
ゴゴゴゴッーーーー
重量のありそうな扉を開けると安全地帯になっていて宝石が宙に浮いている。
いったいどういう仕組みになっているんだか?そこはいまだにわからない。
まぁ~ファンタジーと言ってしまえばそれまでなのだろう。
ひとまず休憩をして上の階段を登る。待ち伏せは二人。
ドアを蹴破り手前に一人を殺っている間に俺は奥へと駆ける。
部屋の隅に立っている兵士を素早く切り上げる。
そのあとは部屋の散策と奥にある宝箱をあける。
バックラーをゲットし腕に丸い小盾を装着する。
バックラーは丸い小さな円形の盾である。
相手の攻撃に合わせて弾いて、パリィがしやすいため初期戦闘は楽になる。
ミナの方は鉄の円盾である。これも小さめの小盾である。
バックラーのように表面が丸くなっておらずパリィ用にはあまり適さない。
ゼムには聖職の小盾であった。まぁ、妥当な選択だろう。
聖職の小盾は物理攻撃はあまり防げないが魔法攻撃には耐性が強い。
後方の支援に徹しているゼムにはぴったりだった。
次は下の岩場に組んである足場を降りていって洞窟の途中にある鉄格子を開けて炎のロングソードとミナの反逆の大盾を取りにいく。
そこならゼムの聖鈴があるはずだ。
足場を確かめながら下へと飛び降りる。
ゲームだと気にもしないでぴょんぴょんと飛び降りていたが実際に自分が下りるとなると結構勇気がいるものだった。
下を覗くとそのまま一気に落ちてしまうのではないかと不安になる。
高いところはあまり得意じゃないがミナに馬鹿にされるのも嫌なので何気ない振りしてしんがりを買って出ていた。
ミナはと言うと気持ちいい位にすんなりと降りていった。
ゼムが思いの外怖がっているせいで俺はそこまで気づかれていないし、心配する振りをしながら自分を宥めていた。
敵もミナだけで一掃出来たので、ちょっとした弓でのアシストだけで済んだ。
こんな足場の悪いところで剣を振り回すなんて出来る訳がない。
しかし、ミナはものともせず走り回っていた。
「アイツどうなってんだよ!」
「全く自分の不甲斐なさが身に染みますな~」
「いや、アイツが規格外なんだよ」
すると下に着いたミナがこっちに手を振っているのが見えた。
「ほらぁ~早く~」
ゆっくりとだが確実に俺達は下へと降りていった。
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