偽りの王女に奪われた世界

蜘蛛化け物

明かりが付くと敵の位置が分かりやすくなった。
それからは火炎瓶と油壺を投げる敵を先に斬り伏せるか弓で射殺した。
いまだに俺は炎のロングソードを使っている。
まだ懲りないのか？とは言われるが・・・だってダメージ量がこっちのが多いのだ。
そりゃー使うだろ？
これは言い訳じゃない。事実だと自分にい聞かせる。
崖の上に上がり、そのまま隣の崖に飛び移る。
そこには二階建ての家がたっている。上の窓からはNPCが覗きみえる。
一階には蜘蛛のような化け物が４体いる。勿論二階にもいることだろう。
４体を一気に相手にするのは厄介なので一匹ずつ相手をする為にまずは俺が中に入って一体に斬りつけると外にダッシュする。それに釣られて切りつけられた蜘蛛のような化け物はあとを追って出てきた。
建物から出てくると外の灯りに眩しそうに脚で頭を覆ったのを見て、直ぐ様攻撃体制に入ると一斉に斬り付ける。四体とも倒し終わると二階への階段をゆっくりと上がる。
上には一匹が扉の前でスタンバっていた。
「さっきのより、少し大きくないか？」
「確かに・・・」
「さっさと行くか？」
ミナが一気に距離を詰めて後ろから切りつけようと飛びかかると、それに気づかれたのか振り向かれ警戒体制になる。
「ミナ！下がれー」
「なっ、むり～って、きゃ～」
飛び上がったあと、腕を振り上げられ剣で攻撃の軌道を変えて受け流し着地するはずだったのだが、その着地地点に穴が空いていて、そのまま一階に落ちていった。そのお陰で追加の攻撃は受けずにすんだ。
「運が良かったな。ゼム、カール」
声をかけると前に飛び出す。穴を避けて横から攻撃を仕掛ける。その間に正面からはゼムとカールが遠距離から弓をあてがう。
ターゲットを前の二人にしたのか俺への攻撃は来なかったので直ぐ様後ろに回ると追加攻撃を加える。
ミナが下から上がってきた時にはエフェクトが弾けたあとだった。
「あ～ん。ひどいよー」
「落ちてよかったですな」
「しかし、落ちたおかげで追加攻撃は避けれたんだから、良かったんじゃないか？」
「大丈夫だったのですか？」
「コイツのことなら大丈夫だ。このくらいなんのことはない」
「う～。」
「膨れてないで行くぞ」
扉を開くとNPCが胡座をかいて座っていた。
「おおーそなたたちは旅の者か？」
「はい」
いち早く答えたのはカール。おーい。お前もNPCなんだけどなぁ～。調子が狂うな、、、、
「俺はここで暫く商売をやっている。何か要らないものがあったら買い取るぞ」
各々使わない物を売却して回復薬を買い込んだ。
このまま行く事を選択したので上の屋根づたいに渡って大型の船の方に近づく。
桟橋の近くに水の中から頭が少し出ている。
これは確実に襲撃する気だよな？
上からヘッドショットをかますと水の中に沈んでいった。
桟橋の横にスタンバっていた敵を一掃して大型の船に乗り込んだ。