好きになっていいですか?

秋元智也

文字の大きさ
24 / 89

24 秘密の時間

しおりを挟む
言葉の意味的には何をしているのかを察した利久斗はその場を離れようとそっと
引き返そうとしたが、持っていた筆箱を落としてしまった。
ガシャン。と音が響いて中にいる人達にも聞こえてしまったのか声が止まった。

 シュン「誰だ!誰かいるのか?」
 マサミ「嫌だって言ったのに~」

ガラッとドアが勢いよく開かれた。出てきたのは隣のクラスの山田俊だった。
奥にいるのは生田雅美、同じく隣のクラスの住人だ。

 シュン「趣味が悪りぃな!覗き見か?」
 リクト「違う!いつもそこで勉強してたから…ごめん、僕すぐに帰るから」

そう言ってUターンして帰ろうとすると腕を掴まれ、部屋の中に引きずり込
まれた。

 シュン「見てたか?」
 リクト「見てない…です」
 シュン「じゃー。聞いてたのか?」
 リクト「それは…聞こえてきたから、帰ろうかと…」

値踏みするように利久斗の方を眺めるとはがいじめにした。

 シュン「雅美~、知られたんだ、俺らと一緒に楽しくしようぜ。同罪に
     なれよ」

そういうと雅美は利久斗のズボンのチャックを下ろし始める。

 リクト「嫌だっ!離してっ、誰にも言わないし言う気ないから」
 シュン「わかるかよ。ほら咥えて貰えよ。こいつ上手いんだぜ」
 マサミ「仕方ないな~、ほーら勃ってき…あれ?…あれれ?」

俊は後ろから押さえているので状況が飲み込めていなかった。
雅美にかかれば数分で元気になる下半身をもて遊ばせてやれば、懲りる
と考えたのだが、一向にその気配はない。それより雅美の不思議そうな
声だけが聞こえてきていた。

 シュン「おい、まだかよ」
 マサミ「う~ん、なんか無理っぽいかも。口使っていいよね?」
 シュン「手じゃ無理なのか?」
 マサミ「うん。全然反応しない」
 リクト「離してって。多分、何やっても無理だから!」
 シュン「やってみなきゃわかんねーだろ?雅美、やれ!」
 マサミ「了解。ぺろり。」

利久斗の先端を舐めると、暖かい口にすっぽり包まれた。ピチャピチャ
という音かから、ねっとりとした感触が伝わってくる。しばらくいやら
しい水音を立てていたが、20分も経てば疲れてきたのか雑になってくる。

 マサミ「ねー。これ、無理!」
 シュン「はぁ?なんでだよ」
 マサミ「知らないよ~、全然反応しないんだもん。勃たないものはしょ
     ーがないじゃん。不感症なんじゃない?」

俊は力を緩め利久斗を解放する。

 シュン「お前さぁ~、勃たねーの?オナニーとかどうしてんだよ」
 リクト「だから無理だって言ったじゃん。感じないし、勃たないの」
 シュン「マジか~、なんかすまんかったな」

ある意味、同情するような眼差しで見られてしまった。

 シュン「もし良ければ、後ろでイけるように俺らで手伝おうか?」
 リクト「遠慮しておくよ。このままでも困る事はないし。」
 マサミ「えーーー。気持ちいい事できないよ~。」
 リクト「必要ない」
 シュン「俺らの事はさ~、あーなんだ。」
 リクト「誰にも言わないし、今日の事は黙っておく。ただ、ここで
     はヤらない方がいいよ。いつも僕らも使ってるから」
 マサミ「ヤってるの?」
 リクト「勉強に使ってるんだ!」
 シュン「あー。そういえばいつもは高橋優馬が占領してて使えねー
     もんな」
 リクト「誰かに見られたら、大変だから本当にやめてくれ!」

そういうとその場を立ち去ろうとする。
後ろからまだ二人の声が聞こえてきていたが、そのまま無視して帰宅した。
帰宅したはいいが、あんな行為を目の当たりにして、平常心でいられたのは
意外だった。下半身は何も反応しなかった。自分でいくらやっても勃起すら
しなかったのだ。今更、治る訳もなかった。でも興奮だけはしていたみたい
で、お尻が疼いて仕方がなかった。
親はまだ仕事に出ていていないのを確認するとローションとディルドを持って
風呂場に向かった。一人で後ろの蕾を慣らすと、ゆっくりとディルドを埋めて
いく。親が帰ってきた頃には、すっきりさせてベッドに横になっていた。
今日は勉強もやる気になれず早めに寝ることにした。


次の日は期末試験の最終日。
無難に試験も終わり、今日は優馬の家に行くことになっている。
最近はゲーセンや、優馬の家でゲーム機などで遊ぶ事も増えてきていた。

 ユウマ「よーし、今日も乗り切ったぜ!利久斗の為にいいもの用意した
     からさ、一緒に見ようぜ」
 リクト「映画はほとんど見たことないよ」
 ユウマ「あー。違う違う。もっといいものだって!楽しみにしてろよ」

そう言って、ニヤニヤと笑った。
高橋医院の二階が優馬達の家になっていた。
何度も来ているので、母親に挨拶すると奥の階段から二階に上がった。

 ユウマ「ジャッジャジャーン!どうだ!」
 リクト「なっ!僕は見ないから!」

見せられたのはエロビデオだった。何をいいものと言っていたのか。
実際に見せられると、かなり引いた。利久斗にとってエロビデオを見ても
勃つ事はない、そのかわり後ろがむずむずとしてくるのだ。オナニーとか
ならトイレで済ませられるが、利久斗はそうはいかない。

 リクト「一人でみろよ」
 ユウマ「えーー。面白いと思ったのに~、利久斗だってオナニーするだろう?
     いつも、何をオカズにしてるんだよ~」
 リクト「してない。必要ない」
 ユウマ「それ、体に悪いって!一緒に見ようぜ、な?」

優馬に押し切られ、一本見る事になった。もちろん横で優馬がもそもそしているのは
わかる。だが利久斗にはそんな素ぶりは一切なかった。

 リクト「もう、これでいいだろう?今日は帰る」
 ユウマ「全然勃たねーのか?面白くなかったか?」
 リクト「面白いとか、面白くないとかじゃねーって。」
 ユウマ「じゃー、もう一本だけ!これはガチですげーからさ!最後だから」

何故一緒に見なきゃならないのか不思議だが、何度も言うので、見るだけなっと了解し
た。始まってみるとそれは街中を歩いているところから始まった。車に押し込められ目隠
しされた女性が、何人もの男性に凌辱されるものだった。本気で嫌がる姿が過去の自分に
フラッシュバックして息が苦しくなってきた。

 リクト「はぁ…はぁ…はぁ…っっ…かはっ…」
 ユウマ「な、息が上がってきたろ?」

息が荒い利久斗に優馬は自慢げに振り返った。その時利久斗は息ができずに痙攣するように
倒れていた。

 ユウマ「おい!利久斗?聞こえるか?」

慌てる優馬の声が微かに聞こえていた。苦しくて息ができなくなってから意識が朦朧として
きていた。階段を勢いよく降りていく音を最後に意識は闇に飲まれていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

処理中です...