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30 迫り来る魔の手
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高校入試の結果も出て、利久斗はもちろん、優馬も第一希望高の合格を貰えた。
ユウマ「やったぜ!これで晴れて高校生になれるぜ」
リクト「おめでとう。高校は近くはないけど、いつまでも友達でいてくれる?」
利久斗の問いに優馬は満面の笑みを作ると頷くと利久斗を引き寄せる。
ユウマ「当たり前だろ!利久斗のおかげで受かったんだぜ、卒業まで勉強見て
くれてよな!」
リクト「え~、今度はちゃんと自分でやってよ~、たまになら考えなくもない
けど…」
優馬の腕の中でふてくされる利久斗に何気ない様にギュッと抱きしめた。
耳元で、小さな声で囁く。
ユウマ『サンキューな。俺はいつでもお前の味方だから。いつでも頼ってくれよ』
リクト「うん。ありがとう。」
あの日依頼、彼と体を交わる事はない。
たった一回の思い出。それからは誰ともしない。優馬のおかげで多少体に改善の
兆候は見えて来ていた。
それでも、これ以上優馬を巻き込みたくないという思いがあった。
誰にもゲイである事や、ネコでしか感じない事を言うつもりはなかった。これ
からも、そうやって生きて行こうと覚悟を決め、卒業式を迎えた。
糸田先生「あの不良が無事卒業とは…まぁ、安心ですな」
岸元先生「結構真面目でしたよ。ちゃんと授業も出てましたし」
糸田先生「どんなマジックを使ったのやら~、田嶋利久斗か。不思議な生徒
でしたな」
岸元先生「みんなに慕われる生徒でしたから。私は健やかに卒業して巣立って
行ってくれればいいと、思っていましたよ」
糸田先生「怪しいと思いつつも、何事もありませんでしたからな」
岸元先生「ん?あれはなんですかね?」
糸田先生「なんですか?校門のところにガタイのいい男性がいますなぁ、ちょっと
注意してきます」
そういうと糸田先生は卒業式が始まる直前に生徒を体育館へと案内しながら、校門
のところの怪しい男の方に歩み寄って行った。
糸田先生「なんですか?貴方は、誰かの保御者なら、ちゃんと許可証が出ている
でしょ?」
皆本 「いや、俺は…教子の卒業という事で、気になって来たんだが。」
怪しさ満点の男は自分は教師だという。
前に受け持った教え子の卒業式を見に来たというのだ。
糸田先生「誰の事ですか?」
皆本 「田嶋だ、ここに1年前に転校して来たと聞いたんだが?」
糸田先生「本人からではなく、誰から聞いたのですか?」
皆本 「いるんだな?ここに。やっと会えるな~」
糸田先生「どういう関係かは知りませんが、お引き取り下さい」
皆本 「ちょっと話をするだけだ。きっと田嶋も喜んでくれる。挨拶が言い
たいだけだから呼んで貰えないか?式が始まる前にすぐにすむから」
どうしようか迷ったが、すぐ済むならこのままここで待機されるよりはいい
だろうと判断した。
式が始まる直前に田嶋を呼ぶと皆本を控え室に案内し、そこへ行くように言った。
糸田先生「田嶋、お前に用があるって人が控え室で待ってるから、さっさと用事
を済ませてこい」
リクト「僕に?知り合い?」
糸田先生「早くしないと式が始まるだろうが、早く行ってこい」
リクト「はい。わかりました」
首を傾げながら、誰だろうと不思議がりながら控え室に向かった。
列の後ろの方で優馬が利久斗が式を抜け出すのを不思議そうに眺め、見送った。
コンコン
リクト「失礼します。」
先生達も式に参加すべく体育館にいる。
誰に呼ばれたのだろうと職員室の横の控え室へ入った。今職員は全員体育館
の方に出払っていた。
部屋に入るや否や腕を掴まれ机に押し倒された。
リクト「なっ…誰っ…あ!」
皆本 「久しぶりだな!田嶋ぁ~。あの日依頼学校も首になってな~、
お前のせいだよ」
リクト「痛いっ離して下さい…」
皆本 「自分だけ、普通の生活できると思うなよ!そうだ、俺に悪いと
思うよな?」
力強く押さえつけられ胸が圧迫されているせいか苦しさでもがくが、抜け
られない。
恐怖が蘇ると体が震えて力が入らない。
皆本 「大人しくなったか?」
リクト「…たすけ…て…」
皆本 「なーんだ?殺す訳じゃねーんだ。そう怖がるなよ。前の続き
といこうじゃねーか」
リクト「いやっ…許して…」
皆本はネクタイを外すと利久斗の腕を拘束した。
皆本 「残念だったな。ここには誰も来ねーよ。」
リクト「いやぁぁぁぁーーー、離せぇーーー」
大声で叫ぶと暴れだす。
皆本はめんどくさそうに利久斗の頭を掴むと机に思いっきり叩きつけた。
ガシャーンという大きな音を立てて長机は倒れ、利久斗は意識を手放し
昏倒したのだった。
嫌な予感しかしない優馬は式が始まる直前に抜け出そうと試みた。
糸田先生「どこへ行く?式はもう始まるぞ」
ユウマ「トイレだよ」
糸田先生「そのくらい我慢しろ。中学最後の行事だ。抜け出すのは認めん」
ユウマ「知らねーよ。利久斗はどこいったんだよ。あいつだって大事な
式だろ」
糸田先生「それもそうだ。連れてこよう」
ユウマ「俺も行く」
糸田先生「君は残りたまえ」
ユウマ「指図すんなよ」
糸田先生「だから不良は嫌いなんだ」
優馬の言うことも一理あった。田嶋も生徒だ。さっきの怪しい男とどんな
関係かも気になる。
いっそ、見にいけば良いのではないかと思い、席を立ったのだ。
まさか高橋優馬もついてくるとは思いもよらなかった。
廊下を歩きながら、質問を投げかけてみた。
糸田先生「田嶋が心配か?」
ユウマ「当たり前だろ?大事な友人だし、俺に勉強教えてくれるのは
利久斗しかいなかったし」
糸田先生「仲がいいんだな」
ユウマ「あいつは優しいけど、よえーから。」
糸田先生「ふ~ん。なんとなく仲がいいのは嘘ではないらしいか…」
ユウマ「なんだと思ってたんだよ」
高橋優馬が脅してパシリにしているのではと、ずっと思って来ただけに、
意外な一面をみた気がした。
職員室の横を通り過ぎた時、控え室のドアが開けっぱなしになっている
事に気がついた。
糸田先生「ん?何が?」
ユウマ「利久斗ー」
優馬が先に駆け出していた。部屋の前に着くと中には誰も居なかった。
長机は倒され荒らされた形跡があった。
糸田先生「一体何が起きたと言うんだ?」
ユウマ「なんなんだよ!利久斗はどこいったんだよ」
糸田に食ってかかるように胸ぐらに掴みかかった。
ユウマ「誰に呼び出されたんだよ!言えよ」
糸田先生「前の学校の教師だと言っていたのだが…」
ユウマ「前の学校…まさか!」
下駄箱の方に走りだすと、保健室の前を通り過ぎたとき、中で物音が聞こえた気がした。
ユウマ「おい、誰かいるのか?」
大声で叫ぶが、中は静まり返っていた。通り過ぎようと振り返ると呻き声が聞こえてきた。
ドアには鍵がかかっていて、開かなかった。糸田先生が追いついてくると、優馬を止めよう
としたが、静止を振り切ってドアごと打ち壊した。
中へ入ると仕切りのカーテンを思いっきり開いたのだった。
ユウマ「やったぜ!これで晴れて高校生になれるぜ」
リクト「おめでとう。高校は近くはないけど、いつまでも友達でいてくれる?」
利久斗の問いに優馬は満面の笑みを作ると頷くと利久斗を引き寄せる。
ユウマ「当たり前だろ!利久斗のおかげで受かったんだぜ、卒業まで勉強見て
くれてよな!」
リクト「え~、今度はちゃんと自分でやってよ~、たまになら考えなくもない
けど…」
優馬の腕の中でふてくされる利久斗に何気ない様にギュッと抱きしめた。
耳元で、小さな声で囁く。
ユウマ『サンキューな。俺はいつでもお前の味方だから。いつでも頼ってくれよ』
リクト「うん。ありがとう。」
あの日依頼、彼と体を交わる事はない。
たった一回の思い出。それからは誰ともしない。優馬のおかげで多少体に改善の
兆候は見えて来ていた。
それでも、これ以上優馬を巻き込みたくないという思いがあった。
誰にもゲイである事や、ネコでしか感じない事を言うつもりはなかった。これ
からも、そうやって生きて行こうと覚悟を決め、卒業式を迎えた。
糸田先生「あの不良が無事卒業とは…まぁ、安心ですな」
岸元先生「結構真面目でしたよ。ちゃんと授業も出てましたし」
糸田先生「どんなマジックを使ったのやら~、田嶋利久斗か。不思議な生徒
でしたな」
岸元先生「みんなに慕われる生徒でしたから。私は健やかに卒業して巣立って
行ってくれればいいと、思っていましたよ」
糸田先生「怪しいと思いつつも、何事もありませんでしたからな」
岸元先生「ん?あれはなんですかね?」
糸田先生「なんですか?校門のところにガタイのいい男性がいますなぁ、ちょっと
注意してきます」
そういうと糸田先生は卒業式が始まる直前に生徒を体育館へと案内しながら、校門
のところの怪しい男の方に歩み寄って行った。
糸田先生「なんですか?貴方は、誰かの保御者なら、ちゃんと許可証が出ている
でしょ?」
皆本 「いや、俺は…教子の卒業という事で、気になって来たんだが。」
怪しさ満点の男は自分は教師だという。
前に受け持った教え子の卒業式を見に来たというのだ。
糸田先生「誰の事ですか?」
皆本 「田嶋だ、ここに1年前に転校して来たと聞いたんだが?」
糸田先生「本人からではなく、誰から聞いたのですか?」
皆本 「いるんだな?ここに。やっと会えるな~」
糸田先生「どういう関係かは知りませんが、お引き取り下さい」
皆本 「ちょっと話をするだけだ。きっと田嶋も喜んでくれる。挨拶が言い
たいだけだから呼んで貰えないか?式が始まる前にすぐにすむから」
どうしようか迷ったが、すぐ済むならこのままここで待機されるよりはいい
だろうと判断した。
式が始まる直前に田嶋を呼ぶと皆本を控え室に案内し、そこへ行くように言った。
糸田先生「田嶋、お前に用があるって人が控え室で待ってるから、さっさと用事
を済ませてこい」
リクト「僕に?知り合い?」
糸田先生「早くしないと式が始まるだろうが、早く行ってこい」
リクト「はい。わかりました」
首を傾げながら、誰だろうと不思議がりながら控え室に向かった。
列の後ろの方で優馬が利久斗が式を抜け出すのを不思議そうに眺め、見送った。
コンコン
リクト「失礼します。」
先生達も式に参加すべく体育館にいる。
誰に呼ばれたのだろうと職員室の横の控え室へ入った。今職員は全員体育館
の方に出払っていた。
部屋に入るや否や腕を掴まれ机に押し倒された。
リクト「なっ…誰っ…あ!」
皆本 「久しぶりだな!田嶋ぁ~。あの日依頼学校も首になってな~、
お前のせいだよ」
リクト「痛いっ離して下さい…」
皆本 「自分だけ、普通の生活できると思うなよ!そうだ、俺に悪いと
思うよな?」
力強く押さえつけられ胸が圧迫されているせいか苦しさでもがくが、抜け
られない。
恐怖が蘇ると体が震えて力が入らない。
皆本 「大人しくなったか?」
リクト「…たすけ…て…」
皆本 「なーんだ?殺す訳じゃねーんだ。そう怖がるなよ。前の続き
といこうじゃねーか」
リクト「いやっ…許して…」
皆本はネクタイを外すと利久斗の腕を拘束した。
皆本 「残念だったな。ここには誰も来ねーよ。」
リクト「いやぁぁぁぁーーー、離せぇーーー」
大声で叫ぶと暴れだす。
皆本はめんどくさそうに利久斗の頭を掴むと机に思いっきり叩きつけた。
ガシャーンという大きな音を立てて長机は倒れ、利久斗は意識を手放し
昏倒したのだった。
嫌な予感しかしない優馬は式が始まる直前に抜け出そうと試みた。
糸田先生「どこへ行く?式はもう始まるぞ」
ユウマ「トイレだよ」
糸田先生「そのくらい我慢しろ。中学最後の行事だ。抜け出すのは認めん」
ユウマ「知らねーよ。利久斗はどこいったんだよ。あいつだって大事な
式だろ」
糸田先生「それもそうだ。連れてこよう」
ユウマ「俺も行く」
糸田先生「君は残りたまえ」
ユウマ「指図すんなよ」
糸田先生「だから不良は嫌いなんだ」
優馬の言うことも一理あった。田嶋も生徒だ。さっきの怪しい男とどんな
関係かも気になる。
いっそ、見にいけば良いのではないかと思い、席を立ったのだ。
まさか高橋優馬もついてくるとは思いもよらなかった。
廊下を歩きながら、質問を投げかけてみた。
糸田先生「田嶋が心配か?」
ユウマ「当たり前だろ?大事な友人だし、俺に勉強教えてくれるのは
利久斗しかいなかったし」
糸田先生「仲がいいんだな」
ユウマ「あいつは優しいけど、よえーから。」
糸田先生「ふ~ん。なんとなく仲がいいのは嘘ではないらしいか…」
ユウマ「なんだと思ってたんだよ」
高橋優馬が脅してパシリにしているのではと、ずっと思って来ただけに、
意外な一面をみた気がした。
職員室の横を通り過ぎた時、控え室のドアが開けっぱなしになっている
事に気がついた。
糸田先生「ん?何が?」
ユウマ「利久斗ー」
優馬が先に駆け出していた。部屋の前に着くと中には誰も居なかった。
長机は倒され荒らされた形跡があった。
糸田先生「一体何が起きたと言うんだ?」
ユウマ「なんなんだよ!利久斗はどこいったんだよ」
糸田に食ってかかるように胸ぐらに掴みかかった。
ユウマ「誰に呼び出されたんだよ!言えよ」
糸田先生「前の学校の教師だと言っていたのだが…」
ユウマ「前の学校…まさか!」
下駄箱の方に走りだすと、保健室の前を通り過ぎたとき、中で物音が聞こえた気がした。
ユウマ「おい、誰かいるのか?」
大声で叫ぶが、中は静まり返っていた。通り過ぎようと振り返ると呻き声が聞こえてきた。
ドアには鍵がかかっていて、開かなかった。糸田先生が追いついてくると、優馬を止めよう
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中へ入ると仕切りのカーテンを思いっきり開いたのだった。
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