好きになっていいですか?

秋元智也

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34 出会いと突然の別れ

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そういうと利久斗の手を握って近くに高そうなお寿司屋さんに
連れて行かれた。

 リクト「え!高っ!」
コウイチ「なんでも頼むといい。私は池谷浩一。ただのサラ
     リーマンだよ」
 リクト「いいの?でもどうして僕なんかに…」
コウイチ「寂しそうだったからかな。好きなの注文していいよ」

ネタも新鮮で美味しかった。
こんな親切な人がいるんだなって思いながら、タクシーにのせ
られ池谷の家に連れて行かれた。 

 リクト「池谷さんって、結構お金持ち?」
コウイチ「そんな事はないさ。君はいつから売りやってるの?」
 リクト「ん?いつからって?」

ソファーに押し倒されると唇に暖かい感触が伝わってきた。
キスしているのだと認識するがゆっくりと、味わうようなキスに
頭がぼうっとしているとシャツに中に手が入ってきた。
いろいろあって疲れきっていたのもあって、抗う思考もなく、さ
れるがままになっていた。次第に息が上がるのがわかる。
ズボンはとうに下され整った池谷の顔が利久斗の下半身のモノを
しゃぶっていた。
勃たなくなっているそれをしゅぶっていたが、諦めたのか滑りけの
あるものが割れ目に塗られた。
懐かしいような、初めてのような感覚に頭が混乱していると、利久斗
の中に指が入れられた。

コウイチ「大丈夫?痛くない?」
 リクト「うん…なんだろう?変な…感じがする」
コウイチ「そう、なら続けるよ」

そういうと中に指が増えて、ゆっくりとかき回す。ふわふわした気分
になり、自分の体じゃないみたいに気持ちが昂って来ていた。
中を擦られると声が漏れそうになる。

コウイチ「いいよ、声出して」
 リクト「あっ…あぁ…あ…なんか…へん…」

腰が勝手に浮き、池谷の指をきゅうきゅうと締め付ける。

コウイチ「じゃー。いいかな?入れるよ」
そういうと、四つん這いにされるとお尻を突き上げる形になって恥ずか
しさで起き上がろうとすると、利久斗の中に太くて暖かいものが侵入し
てきた。

 リクト「あっぁ…やっ…苦し…い…」
コウイチ「もうちょっとだから…」
 リクト「あぁ…いたっ…いっ…」
コウイチ「ほら、全部入ったよ。ゆっくり動くね」
 リクト「ひゃっ…あぁ…ダメ…おかしく…なる…」
コウイチ「それは感じてるって事だね。どんどん感じてっ!」
 リクト「あぁ…ぁあ…あっ…あっ…あんっ…」

出し入れされる度に声が漏れて、自分では止められなかった。

コウイチ「あぁ、勃ってきたね。」

そう言われて、下半身を見るとしっかりと勃起していたのである。
全く反応しなかった、自身の聳え立って姿に涙が滲んできた。

 リクト「勃起してる?ちゃんと勃つんだ…」

そのまま泣き出した利久斗を後ろからそっと抱きしめてくれた。

コウイチ「悩んでいたんだね。大丈夫。君は正常だよ」
 リクト「うん。彼女の前でも勃たなくて…振られちゃって…」
コウイチ「ん?彼女?君、売りだよね?」
 リクト「…売りってなんですか?」
コウイチ「……」

しばし沈黙が流れた。

コウイチ「すまない、私の勘違いで、こんな事を…だがもう少し
     付き合ってくれないか?途中で止めるのは辛いんだ。
     私も、君もだろ?」

そういうと、さっきの続きを始めた。後ろから何度も突き上げ、
その間も利久斗の前も擦りあげられる。
同時に刺激され何度目かでやっと白濁色の液を飛ばしてソファー
に倒れ込んだ。
そのあと、シャワーを借りてリビングで向かい合って座っている。
池谷はすまなかったと頭を下げた。

コウイチ「てっきり、君は売りで、買い手を待っていたのかと思っ
     たんだ」
 リクト「いや…そんなに謝らなくても…」
コウイチ「いや、勘違いして連れてきたのは私だ。あそこの公園は
     そういう人の待ち合わせに使われていてね。だからてっ
     きり…」
 リクト「知らなかった僕も…あの~池谷さんって指輪してますよね?
     奥さんいるんですか?」
コウイチ「あぁ、情けない限りだが、バイなんだ。妻ができてからは
     他の女性に手を出すわけには行かなくてね。男を抱いている
     んだ。本当に悪かった。」
 リクト「あの~、僕で良ければ。また会ってくれませんか?」
コウイチ「構わないが、君は売りではないんだろう?」
 リクト「えぇ、ですが…さっきの気持ちよかったので…。それに僕は
     これまでずっと勃起しなかったんです。それで苦しくて、誰
     にも言えなかったんです」
コウイチ「あぁ、君さえ良ければ、こっちは歓迎だよ。体の相性もいい
     みたいだし」
 リクト「じゃー、連絡先交換しましょ?僕は利久斗。りくって呼んで
     下さい」
コウイチ「わかった。君みたいな可愛い子に声かけて正解だったかな?」

亜梨沙と別れてから、新しいセフレができた。
いろんなところに連れて行ってくれるし、美味しいご飯も食べさせてくれた。
ベッドではとっても優しく、抱いてくれた。高校も卒業を間近に迎えていた。

コウイチ「進学はどうするんだい?」
 リクト「迷っているんです。このまま医療に進むべきか…特にやりたい
     事もないし…」
コウイチ「そう焦る事はない。ゆっくり考えるんだ。それとね、今日はりく
     に言わなきゃいけない事があるんだ。」
 リクト「な~に?今度の休みの事?」

真摯な眼差しで見つめると、利久斗の唇を貪るように執拗に触れた。

 リクト「んんっ…んっ…ん~…」

鼻にかかって声が漏れてもっとと言うように腕を首に回す。

コウイチ「大事な話は後でな!今は…君を抱きたいかな」

そう零すと利久斗をベッドへと押し倒した。細い腰を持ち上げながら
自分の上に乗せる。
さっきまで入っていたところは難なく奥まで飲み込み、利久斗は池谷
の上で腰を振って快楽を貪った。


お互いいつも以上に激しく求めあった。
そのせいか、一向に起き上がれなかった。

コウイチ「すまない、本当にすまないと思ってる。これで終わりに
     しよう」
 リクト「えっ…何で?僕が嫌になったの?」
コウイチ「違うんだ。妻の仕事の都合で、海外へ行かなくてはいけ
     なくなったんだ」
 リクト「う…そっ…いつ帰って来るの?」
コウイチ「もう、向こうで定住する予定だから、帰ってこない…」
 リクト「そんな…」
コウイチ「これ、少ないが受け取ってくれ」

渡されたのは封の切っていない札束だった。

 リクト「そんなのいらない!お金何て欲しくない!」
コウイチ「悪いと思ってる。りくを置いてくのは心苦しい。でも連れ
     て行けないんだ」
 リクト「もう、いい。帰る」

そういうと利久斗は服を着だした。まだ中には大量に出された精液で
溢れて来ていたが構わず着ると、外へ飛び出した。
途中で止められたが、それを振り切って走ってきた。家まで着くと
風呂場に直行した。
ズボンの横から白い液体が流れて来ていて気持ち悪かった。
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