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33 別れ話
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高校の入学式の終えて利久斗は新たな出発点を迎えていた。
病室での事はぼんやりとだが覚えている。自分の友人だと言っていた優馬。
ちょっとやんちゃな見た目だが、頑張り屋さんで自分に正直な青年だった。
毎日のように会いに来てくれて、過去には触れず、今の現実だけを見てく
れた。どうしても思い出せない過去には触れたくないし、怖くて思い出し
たくない。優馬はそんな利久斗の心を組んでか何も言わなかった。
記憶が欠落したのは転校する前からの記憶だった。
何があって転校したのかも、一切覚えていなかった。
多分苦しい記憶なのだとおもう。
思い出そうとすると胸を締め付ける様な痛みを伴う。
過去は知らないし、知りたくない!今は前だけを向いて行こうと決心
させてくれた友人と共に歩んで行こうと思い始めていた。
高校では新たな友達もできた。
でも何かが足りない気がしてならなかった。
部活もバスケ部に入り、体を動かすのはすっごく楽しかった。
クラスメートの近藤亜梨沙と付き合う事になり、今が充実している
のだと実感した。
アリサ「学校終わったらデートしない?今日って部活休みでしょ?」
リクト「うん。行きたいところある?」
アリサ「そうだな~、カラオケ行こう!」
リクト「おっけ~、日誌置いてきたら、下駄箱で」
アリサ「うん。」
彼女の笑顔に惹かれた。屈託のない笑顔。
二人は健全なお付き合いをしていた。夏休みを終える頃になると女子
は大人に近づいた人が増えた。
アリサ「ね~、りっくんは私の事どう思ってるの?」
リクト「もちろん好きだよ」
アリサ「今日ね、両親いないの。だーかーらー今から来ない?」
リクト「亜梨沙の事はすっごく好きだし、大切なんだ。良心に恥
じる事はしたくないんだ。高校卒業するまで亜梨沙を大
切にしたいんだ。」
アリサ「意気地無し」
頬を膨らませるといきなり走って行ってしまった。
前にも一度二人っきりの個室で同じ様な事があった。
亜梨沙は体を重ねたいと思って行くれてるのは知っている。
だが、いざキスして抱こうと思うと勃たないのだ。
心は好きだって思えるのに、体は反応しない。
原因がわからないので誰にも話せない。
亜梨沙に話してしまおうとも思ったが、怖くて言えなかった。
高校3年になって、亜梨沙がデートに誘ってこなくなった。
利久斗から誘っても、やんわり断られてしまった。
そんなある日、デパートで亜梨沙を見つけた。隣には他の学校の
男子がいた。
公衆の面前で堂々とキスをしていたのだ。
気になって後を追うとラブホテルへと入ろうとしていた。
リクト「亜梨沙!」
アリサ「え!なんでここにいるの?」
リクト「亜梨沙、これはどういう事なんだ?」
マサト「君は彼氏くんかい?亜梨沙ちゃんを満足させられない君
に口出す権利はないよ」
リクト「亜梨沙、どうゆう事だよ」
黙り込んだ亜梨沙に駆け寄ると真斗がそれを遮った。
マサト「君は亜梨沙に相応しくないよ」
アリサ「いつも、いつも私の事好きって言ってくれるけど、不安なの。
一度だって抱いてくれないし、それで言葉だけ信じろって?
信じれる訳ないじゃん。」
リクト「亜梨沙。僕は君が大切だから。大事にしたいからっ」
アリサ「もう、うんざり。別れよう!もう、付き纏わないで!」
リクト「亜梨沙…僕は…」
それでも、引き留めようと彼女の手を握ろうとすると、真斗が立ち塞がった。
マサト「嫌われてるんだよ。意気地無し君!」
それだけ言い残し二人は消えていった。
就職活動も身が入らず、夜の街をふらふらと出歩く様になった。
公園のベンチで何気なしに眺めていると、茂みから喘ぎ声が聞こえてきた。
こっそりと覗くとそこで行われていたのは青姦であった。
もちろんお互い合意の上であろう。気持ち良さそうに喘ぐ姿に顔を真っ赤
にするとそっと離れた。
男同士での繋がりは少し刺激的で、疼くものがあった。
『もう帰ろっかな…』
ベンチでしばらく座っていたが、立ち上がろうとするといきなり声をかけらた。
コウイチ「君、ここで待ってるの?私に売る気はないかい?」
リクト「売る?」
コウイチ「あぁ、手持ちはこれだけだけど、どうかな?」
差し出されたのは現金で5万だった。
リクト「あの、それは…?」
コウイチ「少なかったかい?あ、そうだお腹空いてない?ご飯行こうお腹空い
てるだろう?」
病室での事はぼんやりとだが覚えている。自分の友人だと言っていた優馬。
ちょっとやんちゃな見た目だが、頑張り屋さんで自分に正直な青年だった。
毎日のように会いに来てくれて、過去には触れず、今の現実だけを見てく
れた。どうしても思い出せない過去には触れたくないし、怖くて思い出し
たくない。優馬はそんな利久斗の心を組んでか何も言わなかった。
記憶が欠落したのは転校する前からの記憶だった。
何があって転校したのかも、一切覚えていなかった。
多分苦しい記憶なのだとおもう。
思い出そうとすると胸を締め付ける様な痛みを伴う。
過去は知らないし、知りたくない!今は前だけを向いて行こうと決心
させてくれた友人と共に歩んで行こうと思い始めていた。
高校では新たな友達もできた。
でも何かが足りない気がしてならなかった。
部活もバスケ部に入り、体を動かすのはすっごく楽しかった。
クラスメートの近藤亜梨沙と付き合う事になり、今が充実している
のだと実感した。
アリサ「学校終わったらデートしない?今日って部活休みでしょ?」
リクト「うん。行きたいところある?」
アリサ「そうだな~、カラオケ行こう!」
リクト「おっけ~、日誌置いてきたら、下駄箱で」
アリサ「うん。」
彼女の笑顔に惹かれた。屈託のない笑顔。
二人は健全なお付き合いをしていた。夏休みを終える頃になると女子
は大人に近づいた人が増えた。
アリサ「ね~、りっくんは私の事どう思ってるの?」
リクト「もちろん好きだよ」
アリサ「今日ね、両親いないの。だーかーらー今から来ない?」
リクト「亜梨沙の事はすっごく好きだし、大切なんだ。良心に恥
じる事はしたくないんだ。高校卒業するまで亜梨沙を大
切にしたいんだ。」
アリサ「意気地無し」
頬を膨らませるといきなり走って行ってしまった。
前にも一度二人っきりの個室で同じ様な事があった。
亜梨沙は体を重ねたいと思って行くれてるのは知っている。
だが、いざキスして抱こうと思うと勃たないのだ。
心は好きだって思えるのに、体は反応しない。
原因がわからないので誰にも話せない。
亜梨沙に話してしまおうとも思ったが、怖くて言えなかった。
高校3年になって、亜梨沙がデートに誘ってこなくなった。
利久斗から誘っても、やんわり断られてしまった。
そんなある日、デパートで亜梨沙を見つけた。隣には他の学校の
男子がいた。
公衆の面前で堂々とキスをしていたのだ。
気になって後を追うとラブホテルへと入ろうとしていた。
リクト「亜梨沙!」
アリサ「え!なんでここにいるの?」
リクト「亜梨沙、これはどういう事なんだ?」
マサト「君は彼氏くんかい?亜梨沙ちゃんを満足させられない君
に口出す権利はないよ」
リクト「亜梨沙、どうゆう事だよ」
黙り込んだ亜梨沙に駆け寄ると真斗がそれを遮った。
マサト「君は亜梨沙に相応しくないよ」
アリサ「いつも、いつも私の事好きって言ってくれるけど、不安なの。
一度だって抱いてくれないし、それで言葉だけ信じろって?
信じれる訳ないじゃん。」
リクト「亜梨沙。僕は君が大切だから。大事にしたいからっ」
アリサ「もう、うんざり。別れよう!もう、付き纏わないで!」
リクト「亜梨沙…僕は…」
それでも、引き留めようと彼女の手を握ろうとすると、真斗が立ち塞がった。
マサト「嫌われてるんだよ。意気地無し君!」
それだけ言い残し二人は消えていった。
就職活動も身が入らず、夜の街をふらふらと出歩く様になった。
公園のベンチで何気なしに眺めていると、茂みから喘ぎ声が聞こえてきた。
こっそりと覗くとそこで行われていたのは青姦であった。
もちろんお互い合意の上であろう。気持ち良さそうに喘ぐ姿に顔を真っ赤
にするとそっと離れた。
男同士での繋がりは少し刺激的で、疼くものがあった。
『もう帰ろっかな…』
ベンチでしばらく座っていたが、立ち上がろうとするといきなり声をかけらた。
コウイチ「君、ここで待ってるの?私に売る気はないかい?」
リクト「売る?」
コウイチ「あぁ、手持ちはこれだけだけど、どうかな?」
差し出されたのは現金で5万だった。
リクト「あの、それは…?」
コウイチ「少なかったかい?あ、そうだお腹空いてない?ご飯行こうお腹空い
てるだろう?」
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