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65 夢と現実
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体がふわふわとして意識がはっきりとしない中で自分が横になっている
のだけは分かる。
(なんでここにいるんだっけ?)
声を出そうにも声らしい声は出なかった。
ー誰か~。返事してくれよ!ー
視界はモヤがかかったみたいでここが何処なのかも分からない。
体が自由になるのを確かめると腕を動かす度にジャラジャラと音がする。
良く見ると、腕にも足にも鎖が繋がれている。
ー何なんだよっ!これ…僕は…ー
利久斗は記憶を探るが、何も思い出せないでいた。
ただ、長い鎖で何処かに繋がれている事と、常に霧がかかる頭の中で、
誰もいない、返事もしない。
音さえも反響しない場所に居るという事くらいしか分からなかった。
必死に考えるが、思い出せるのは自分の名前くらいだった。
ー誰か…誰かいないのか?助けて…?助けてって、一体誰に言ってるん
だろう?誰も居ない、誰かも思い出せない中、誰を自分は呼んでるんだ
ろう?ー
何も見えないのに一体誰に助けを求めているのか?
考えても何も思い浮かぶ事もなくただ虚無だけがそこにはあった。
ー誰でもいい。誰か…来てくれてよー
声にならない声は空に消えて響く事はない。
やけに鎖の音だけが耳につく。
不思議に思い片方の鎖を引いてみる。すると引いた方の鎖に引っ張られ
床に転がった。
硬くはないが、柔らかいわけではない床に体を打ち付けた。
起き上がろうとするといきなり何かに口を塞がれる感覚。
両腕も何かに押さえつけられている。振り返っても誰もいない。
何もないのに全く動かない!焦り始めると太腿を伝う感覚が這い上がっ
て来ていた。
見えない何かがズボンを脱がし、上着をも勝手に脱がされて行く。
恐怖に顔を引きつらせ必死に暴れるがどうにもならない。
両足は無理やり広げられ目一杯まで引っ張られ痛みさえ感じる。
乳首を這い回る様に誰か分からない手が何度も抓り、下半身には抑え
てくる手以外にも無数の手が我先にと秘部へと入ろうと指を入れてくる。
統一性のない動きに叫びたいが、口を塞がれ声すらだせない。
涙が溢れて何も見えないのに、見えないからこそ恐怖でしかなかった。
何もない…でも無理やり開かされた足は自分でただ開いている様にしか
見えないし、腕も押さえつけられているのに、ただ大の字に広げている
に過ぎない。
無理やり秘部をこじ開けて入ってくる指はなくて、ただお尻が自然に左右
に広がり穴がポッカリと広がって行く。
中を掻き回す様な違和感になす術なく悶えて苦しむだけだった。
ー助けて!誰か…誰か…タスケテ…ダレ…カ…ー
中を何かが出入りする感覚だけが刺激される。腰が浮き背をしならせる。
気が触れそうなくらい長い時間圧迫感に苛まれペニスの先端からは痛みが
生じる。
細い何かが意思をもって中へと入ってきたからだ。
目には見えない何かが奥へと進む。
根元まで辿り着くとそこで中でクネクネと動き始める。
何時間たったのだろう?終わりのない感覚に精神がおかしくなるくらいの
快楽の連続に次第に意識は落ちて行く。
塞がれていた口には手を入れられ、喉の奥に入って来た時には吐き気がし
て何度もえずいた。
しかし吐くものもなく、ただ苦しさが続く。
顎が外れるかと思うほど広げられ息さえできているのが不思議なくらい
だった。
ーこのまま死んだ方が…いっそ楽かも…ー
思考はだんだんと沈んでいく。
そんな時、ふと声が聞こえて来た。
自分の名前を呼ぶ声。誰かはわからないけど、微かに聞こえる。
ーここに自分はいる…でも、もういいや。このまま死んでも…死んでも?
…いや、嫌だ!まだ死ねない!待ってる人がいるんだ!帰りたい…ー
ータスケテ…ユウマ…ー
声の主に必死で願うと押さえつけられていた腕も一気に消えて、中にあっ
た異物感もきれいさっぱり消えてしまった。
霧のかかったままだったところに光がさして、眩しさに目を瞑った。
病室では明け方目を覚ました利久斗の様子を優馬が心配そうに見ていると、
拘束具を外したせいか悲鳴を上げて暴れ出したのである。
何処を見ているのか分からない。ただ恐怖で何かから逃れようと叫び出し
たのだ。優馬は必死に押さえるが無我夢中で暴れられては手の施しようが
ない。
ユウマ「利久斗!りくと!俺だよ…気づいてくれよ」
叫び声に看護士が入って来るが気にせず利久斗を抱きしめていた。
何度も何度も引っ掻かれたが、ただ今やれる事はずっと呼びかける事だと
思っていた。
麻酔でまた眠らせたって、起きれば同じ事になるなら。
完全に目覚めさせるしかない。
きっと怖い目にあっているに違いない。
利久斗を好きになってからネットでの過去の映像を上げてる奴の特定や、
直接家に仲間連れて押しかけ、データを消して脅したりとやれる事はやっ
てきたつもりだ。
だが、心に植え付けられた恐怖を取り除く事はできない。
毎晩一人だと眠れていないのも知ってる。
わざと利久斗のベットに入り込みセックスしているのもゆっくり眠れる
様にだし。
毎日で負担をかけたくない時はずっと抱きしめて寝ていた。
仕事で朝帰りする時はいつもうなされているのを目にしている。
そんな彼がとても愛おしくて、手放せない存在になっていたのだ。
利久斗にとっても自分がそうであって欲しいと、願いながら名前を呼び
かけ続けた。
看護師は麻酔を打とうとしたが、決して打たせたくなかった。
先送りなんかしたくない!今、目を覚まして欲しい。
自分だけを見て欲しかった。
のだけは分かる。
(なんでここにいるんだっけ?)
声を出そうにも声らしい声は出なかった。
ー誰か~。返事してくれよ!ー
視界はモヤがかかったみたいでここが何処なのかも分からない。
体が自由になるのを確かめると腕を動かす度にジャラジャラと音がする。
良く見ると、腕にも足にも鎖が繋がれている。
ー何なんだよっ!これ…僕は…ー
利久斗は記憶を探るが、何も思い出せないでいた。
ただ、長い鎖で何処かに繋がれている事と、常に霧がかかる頭の中で、
誰もいない、返事もしない。
音さえも反響しない場所に居るという事くらいしか分からなかった。
必死に考えるが、思い出せるのは自分の名前くらいだった。
ー誰か…誰かいないのか?助けて…?助けてって、一体誰に言ってるん
だろう?誰も居ない、誰かも思い出せない中、誰を自分は呼んでるんだ
ろう?ー
何も見えないのに一体誰に助けを求めているのか?
考えても何も思い浮かぶ事もなくただ虚無だけがそこにはあった。
ー誰でもいい。誰か…来てくれてよー
声にならない声は空に消えて響く事はない。
やけに鎖の音だけが耳につく。
不思議に思い片方の鎖を引いてみる。すると引いた方の鎖に引っ張られ
床に転がった。
硬くはないが、柔らかいわけではない床に体を打ち付けた。
起き上がろうとするといきなり何かに口を塞がれる感覚。
両腕も何かに押さえつけられている。振り返っても誰もいない。
何もないのに全く動かない!焦り始めると太腿を伝う感覚が這い上がっ
て来ていた。
見えない何かがズボンを脱がし、上着をも勝手に脱がされて行く。
恐怖に顔を引きつらせ必死に暴れるがどうにもならない。
両足は無理やり広げられ目一杯まで引っ張られ痛みさえ感じる。
乳首を這い回る様に誰か分からない手が何度も抓り、下半身には抑え
てくる手以外にも無数の手が我先にと秘部へと入ろうと指を入れてくる。
統一性のない動きに叫びたいが、口を塞がれ声すらだせない。
涙が溢れて何も見えないのに、見えないからこそ恐怖でしかなかった。
何もない…でも無理やり開かされた足は自分でただ開いている様にしか
見えないし、腕も押さえつけられているのに、ただ大の字に広げている
に過ぎない。
無理やり秘部をこじ開けて入ってくる指はなくて、ただお尻が自然に左右
に広がり穴がポッカリと広がって行く。
中を掻き回す様な違和感になす術なく悶えて苦しむだけだった。
ー助けて!誰か…誰か…タスケテ…ダレ…カ…ー
中を何かが出入りする感覚だけが刺激される。腰が浮き背をしならせる。
気が触れそうなくらい長い時間圧迫感に苛まれペニスの先端からは痛みが
生じる。
細い何かが意思をもって中へと入ってきたからだ。
目には見えない何かが奥へと進む。
根元まで辿り着くとそこで中でクネクネと動き始める。
何時間たったのだろう?終わりのない感覚に精神がおかしくなるくらいの
快楽の連続に次第に意識は落ちて行く。
塞がれていた口には手を入れられ、喉の奥に入って来た時には吐き気がし
て何度もえずいた。
しかし吐くものもなく、ただ苦しさが続く。
顎が外れるかと思うほど広げられ息さえできているのが不思議なくらい
だった。
ーこのまま死んだ方が…いっそ楽かも…ー
思考はだんだんと沈んでいく。
そんな時、ふと声が聞こえて来た。
自分の名前を呼ぶ声。誰かはわからないけど、微かに聞こえる。
ーここに自分はいる…でも、もういいや。このまま死んでも…死んでも?
…いや、嫌だ!まだ死ねない!待ってる人がいるんだ!帰りたい…ー
ータスケテ…ユウマ…ー
声の主に必死で願うと押さえつけられていた腕も一気に消えて、中にあっ
た異物感もきれいさっぱり消えてしまった。
霧のかかったままだったところに光がさして、眩しさに目を瞑った。
病室では明け方目を覚ました利久斗の様子を優馬が心配そうに見ていると、
拘束具を外したせいか悲鳴を上げて暴れ出したのである。
何処を見ているのか分からない。ただ恐怖で何かから逃れようと叫び出し
たのだ。優馬は必死に押さえるが無我夢中で暴れられては手の施しようが
ない。
ユウマ「利久斗!りくと!俺だよ…気づいてくれよ」
叫び声に看護士が入って来るが気にせず利久斗を抱きしめていた。
何度も何度も引っ掻かれたが、ただ今やれる事はずっと呼びかける事だと
思っていた。
麻酔でまた眠らせたって、起きれば同じ事になるなら。
完全に目覚めさせるしかない。
きっと怖い目にあっているに違いない。
利久斗を好きになってからネットでの過去の映像を上げてる奴の特定や、
直接家に仲間連れて押しかけ、データを消して脅したりとやれる事はやっ
てきたつもりだ。
だが、心に植え付けられた恐怖を取り除く事はできない。
毎晩一人だと眠れていないのも知ってる。
わざと利久斗のベットに入り込みセックスしているのもゆっくり眠れる
様にだし。
毎日で負担をかけたくない時はずっと抱きしめて寝ていた。
仕事で朝帰りする時はいつもうなされているのを目にしている。
そんな彼がとても愛おしくて、手放せない存在になっていたのだ。
利久斗にとっても自分がそうであって欲しいと、願いながら名前を呼び
かけ続けた。
看護師は麻酔を打とうとしたが、決して打たせたくなかった。
先送りなんかしたくない!今、目を覚まして欲しい。
自分だけを見て欲しかった。
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