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3 狂気の沙汰
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本田圭佑、彼はいつも周りにちやほやされていた。
父の会社は誰もが知る大手企業だった。
そんな父から35歳までは他の会社で勉強がてら学ぶ機会を得た。
顔もいいし、センスもいい。程よい筋肉と誰もが憧れるハンサム
だと自負している。
大学でも何人もの女性と同時に付き合ったが、結局は誰も自分を見
てはくれなかった。
女どもが見ているのはいつも僕の後ろについて回る父の事だった。
そんな時、あるバーで初めて男を抱いた。
見ず知らずの奴だったが女とたいして変わらなかった。
いや、むしろ自分に媚びてこない分、清々しいくらい身体だけの関係
で終わった。
後腐れもない。
こんな関係があるのかとどんどんハマっていった。
会社に入って、一番驚いたのは自分より綺麗な男がいる事だった。
真っ先に自分に言い寄ってくるはずの女どもは今はそいつの方に向い
ていた。
何気に腹が立ってみに行ったりもした。
(たしかに綺麗な顔立ちだな…でも…何かがおかしい…)
群がる女どもには目もくれず時間になったら逃げる様に帰ってしまう。
上司の娘との縁談がいくつもあったらしいが、全部断ってしまったらしい。
それもあってか、今度は自分の方に白羽の矢が立ったわけだ。
(女なんて適当にあしらっておけばいいものを…)
真面目に付き合うのなんて馬鹿を見るだけだ。
最近は少し彼に嫌がらせをするつもりで、何度も持ってきた書類を突っぱ
ねてはやり直しをさせている。
その度に、圭佑の元を訪れなければならない様に仕向けていた。
久しぶりにネットで相手探しをしていると彼と似た名前を見つけた。
男は初めてだと書いてあった。
すぐに返信すると、彼も返事を返してくれた。
チャンスとばかりに週末に会う約束をした。
週末が楽しみだ。
機嫌がいいので、今日は彼の書類はすんなり通すことにした。
いつもちゃんとできているのがだ、やり直させるのはただの憂さ晴らしだ。
何故かモヤモヤする気持ちを紛らわせるための口実。
でも、今日は機嫌が良かった。
「そこに置いておいてくれ。」
どうせ今日もちゃんとできているに違いない。ならそのまま通してやろう。
予想外という様な表情が見れただけでもよしとしよう。
週末になり何を持っていこうかと散々迷った挙句、鞄には色々と玩具を詰め
込んだ。
指定されたホテルに着くと部屋の暗証番号が送られてきた。
もう、先に待っていてくれるらしい。
ロックを解除して中に入るとベットに見慣れた人物がいた。
「目隠ししてやってもらうことは可能でしょうか?」
そのメールを受け取った時は一瞬戸惑ったが、すぐに承諾した。
ヤってる時は相手が見えていても見えていなくても一緒だからだ。
サイドテーブルには縄やローションが置いてあった。
服を脱ぐと早速ローブを脱がせ彼の上に跨った。
いつも会社で見ている彼が目の前にいる。
しかも、自分に犯して欲しいと頼んできたのだ。
これほど滑稽な事はあるだろうか?
つい笑みが溢れた。どうしてくれよう…このまま何をしても分からないの
ではないか?
手を伸ばして彼に触れると、ビクッと反応し体を預けてくる。
耐えきれずスマホの録画ボタンを押していた。
縄で彼の根元と腕を縛り上げた。
これで、もう、逃げる事は愚か自慰すらできない。
今、自分は彼を自由にできるのだ。荒川涼介を犯しているのはこの自分
なのだと…。
それからは興奮していてあまり覚えていない。
撮影した記録があるのでまた見返せばいいだろう。
ベッドで乱れていく彼に心躍ったのも事実だった。いつぶりだろう?
初めて彼女ができた時より鼓動が早くなっている気がする。
彼は圭佑の事を知らない。
ネットで知り合っただけの、ケイという人物としか知らない。
事情が終わったあとで目隠しを取ってしまおうか?
お前を抱いたのは、この本田圭佑だと。打ち明けてしまおうかとも思って
いたが、バスルームに運び体を洗うとさっきまで入れていたものが元気を
取り戻していた。
(呆れたな…僕はこんなに底無しじゃないんだが…)
そのままゆったりと湯船に浸かると、さっきまで刺激していた彼の乳首を
揉んだり、抓ったりして遊んだ。
もちろん彼の下半身が徐々に勃ち上がってくるのを確認すると後ろから抱
きしめる様に手を回しさっきまで圭佑を受け入れていたところを何度も弄
る。
彼の息遣いが荒くなったのを確認して自身を擦りつける。
もちろん慌てた彼を押さえ込むなんて簡単だった。
目隠しを外そうとしないのを良いことにバスルームに彼の喘ぎ声が響き渡
る事になったのである。
ぐったりした彼をベッドまで運ぶと、身支度を済ませた。
彼とはまた会う約束をした。が、本当に連絡は来るのだろうか?
不安を抱えながら彼の持ち物を漁る。免許証から住所を写メするとそっと
戻しておいた。
「これでいつでもいけるね。待っていて涼介。君はもう僕のものなのだから」
彼を置いて部屋を出た。
時間を少し追加しておくと、家へと帰っていった。
今日は実にいい日だった。
次はどんなプレイをしようか?痛いのもきっと喜ぶだろう?
もっと、もっと、気持ちよくさせてあげよう。
僕なしじゃいられないくらいに身体に刻み付けなくては…。
笑いが込み上げて来て止まらなかった。
整った顔立ちは今や崩れ、狂気に満ちた目が前方を見据えていた。
父の会社は誰もが知る大手企業だった。
そんな父から35歳までは他の会社で勉強がてら学ぶ機会を得た。
顔もいいし、センスもいい。程よい筋肉と誰もが憧れるハンサム
だと自負している。
大学でも何人もの女性と同時に付き合ったが、結局は誰も自分を見
てはくれなかった。
女どもが見ているのはいつも僕の後ろについて回る父の事だった。
そんな時、あるバーで初めて男を抱いた。
見ず知らずの奴だったが女とたいして変わらなかった。
いや、むしろ自分に媚びてこない分、清々しいくらい身体だけの関係
で終わった。
後腐れもない。
こんな関係があるのかとどんどんハマっていった。
会社に入って、一番驚いたのは自分より綺麗な男がいる事だった。
真っ先に自分に言い寄ってくるはずの女どもは今はそいつの方に向い
ていた。
何気に腹が立ってみに行ったりもした。
(たしかに綺麗な顔立ちだな…でも…何かがおかしい…)
群がる女どもには目もくれず時間になったら逃げる様に帰ってしまう。
上司の娘との縁談がいくつもあったらしいが、全部断ってしまったらしい。
それもあってか、今度は自分の方に白羽の矢が立ったわけだ。
(女なんて適当にあしらっておけばいいものを…)
真面目に付き合うのなんて馬鹿を見るだけだ。
最近は少し彼に嫌がらせをするつもりで、何度も持ってきた書類を突っぱ
ねてはやり直しをさせている。
その度に、圭佑の元を訪れなければならない様に仕向けていた。
久しぶりにネットで相手探しをしていると彼と似た名前を見つけた。
男は初めてだと書いてあった。
すぐに返信すると、彼も返事を返してくれた。
チャンスとばかりに週末に会う約束をした。
週末が楽しみだ。
機嫌がいいので、今日は彼の書類はすんなり通すことにした。
いつもちゃんとできているのがだ、やり直させるのはただの憂さ晴らしだ。
何故かモヤモヤする気持ちを紛らわせるための口実。
でも、今日は機嫌が良かった。
「そこに置いておいてくれ。」
どうせ今日もちゃんとできているに違いない。ならそのまま通してやろう。
予想外という様な表情が見れただけでもよしとしよう。
週末になり何を持っていこうかと散々迷った挙句、鞄には色々と玩具を詰め
込んだ。
指定されたホテルに着くと部屋の暗証番号が送られてきた。
もう、先に待っていてくれるらしい。
ロックを解除して中に入るとベットに見慣れた人物がいた。
「目隠ししてやってもらうことは可能でしょうか?」
そのメールを受け取った時は一瞬戸惑ったが、すぐに承諾した。
ヤってる時は相手が見えていても見えていなくても一緒だからだ。
サイドテーブルには縄やローションが置いてあった。
服を脱ぐと早速ローブを脱がせ彼の上に跨った。
いつも会社で見ている彼が目の前にいる。
しかも、自分に犯して欲しいと頼んできたのだ。
これほど滑稽な事はあるだろうか?
つい笑みが溢れた。どうしてくれよう…このまま何をしても分からないの
ではないか?
手を伸ばして彼に触れると、ビクッと反応し体を預けてくる。
耐えきれずスマホの録画ボタンを押していた。
縄で彼の根元と腕を縛り上げた。
これで、もう、逃げる事は愚か自慰すらできない。
今、自分は彼を自由にできるのだ。荒川涼介を犯しているのはこの自分
なのだと…。
それからは興奮していてあまり覚えていない。
撮影した記録があるのでまた見返せばいいだろう。
ベッドで乱れていく彼に心躍ったのも事実だった。いつぶりだろう?
初めて彼女ができた時より鼓動が早くなっている気がする。
彼は圭佑の事を知らない。
ネットで知り合っただけの、ケイという人物としか知らない。
事情が終わったあとで目隠しを取ってしまおうか?
お前を抱いたのは、この本田圭佑だと。打ち明けてしまおうかとも思って
いたが、バスルームに運び体を洗うとさっきまで入れていたものが元気を
取り戻していた。
(呆れたな…僕はこんなに底無しじゃないんだが…)
そのままゆったりと湯船に浸かると、さっきまで刺激していた彼の乳首を
揉んだり、抓ったりして遊んだ。
もちろん彼の下半身が徐々に勃ち上がってくるのを確認すると後ろから抱
きしめる様に手を回しさっきまで圭佑を受け入れていたところを何度も弄
る。
彼の息遣いが荒くなったのを確認して自身を擦りつける。
もちろん慌てた彼を押さえ込むなんて簡単だった。
目隠しを外そうとしないのを良いことにバスルームに彼の喘ぎ声が響き渡
る事になったのである。
ぐったりした彼をベッドまで運ぶと、身支度を済ませた。
彼とはまた会う約束をした。が、本当に連絡は来るのだろうか?
不安を抱えながら彼の持ち物を漁る。免許証から住所を写メするとそっと
戻しておいた。
「これでいつでもいけるね。待っていて涼介。君はもう僕のものなのだから」
彼を置いて部屋を出た。
時間を少し追加しておくと、家へと帰っていった。
今日は実にいい日だった。
次はどんなプレイをしようか?痛いのもきっと喜ぶだろう?
もっと、もっと、気持ちよくさせてあげよう。
僕なしじゃいられないくらいに身体に刻み付けなくては…。
笑いが込み上げて来て止まらなかった。
整った顔立ちは今や崩れ、狂気に満ちた目が前方を見据えていた。
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