僕を抱いて下さい

秋元智也

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8 動悸の理由

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涼介が目を覚ますと暖かい温もりに一瞬驚いて起きあがろうとしたが
体が重くて戸惑った。
体のベタベタはないが、誰かに抱きしめられている様な感覚に戸惑っ
ていると、後ろから声が聞こえてくる。
 
 ケイ 「起きたした?時間あったので少し仮眠とってました。」
 リョウ「あの~、離して貰ってもいいですか?シャワー浴びたいので」
 ケイ 「ふふふっ、ちゃんと綺麗に掻き出しておきましたけど?」
 リョウ「それでもです!」
 ケイ 「でも、目隠ししたまま、シャワー浴びるんですか?」
 リョウ「あっ…向こうで外すのでいいです。」
 ケイ 「なら、僕が運びますね。」

そう言うと、涼介の額にキスを落とすと軽々と持ち上げた。
シャワールームの前に下ろすと出て行ってしまった。

 ケイ 「ごゆっくり~。では僕は帰りますね。そろそろちゃんと僕の
     事見てほしいんですけど。」
 リョウ「…」
 ケイ 「体無理させちゃったので、気をつけて帰って下さいね。」

それから涼介は目隠しを取るとゆっくりと湯に浸かった。
気持ちのいい倦怠感に初めて感じた快楽。
 
 (知らなかった…こんなところ感じるんだ~)

自分のペニスを弄りながらさっき入っていただろう尿道プラグを思い出す。
弄るたびに中がジンジンと軽く痛みが走るがそれも気持ちよくてすぐにでも
試してみたくてワクワクした。
前と後ろからの同時に刺激された時の快楽はしばらく、忘れられそうにはな
かった。
帰りにアダルトショップに寄ると尿道開発用プラグを数本セットのを購入した。
店員にはいやらしい目でじろじろ見られた。
早々に店を出ると早く帰ろうと足早に立ち去ろうとすると、後ろから声をかけ
られた。
  
 店員 「すいませ~ん、お客さーん!」
 涼介 「なっ…なんですか?」
 店員 「それ、自分で使うんだったらローションとかちゃんとしたやつお
     すすめしますよ。粘りの強いやつじゃないと中が傷ついちゃうので。
     よかったら試していきます?俺、手伝いますよっ!」

いやらしい視線が涼介の股間を見つめるのがわかる。
手伝うとはそう言う事なのだろう。

 涼介 「結構です。」
 店員 「そんな事言わなくても~。それに初めてなんでしょ?ちゃんと使い方
     もレクチャーしますよ。初めてって結構最初は痛いだけだったりする
     んですよ。ね?」

店員は引き下がる気はないのか、涼介の腕を掴むと店に引き入れようとする。
もう辺りは暗くて人通りも少ない。
 
 涼介 「やめて下さい。警察呼びますよ。」
 店員 「お兄さんも好きなくせに…それともそんなところにキスマークつけて
     誘ってるんですか?」
 涼介 「えっ…なんの事を?」

強引に引っ張られ店の裏に連れ込まれる。
体に力が入らないせいか振り払う事も出来なかった。

 店員 「やっぱり、嫌だって割には興味あるんじゃん。いいよ、お兄さんイケ
     メンだし、優しくしてあげるよ。」
 涼介 「違っ…んっ…」

いきなり唇を塞がれ苦しくて息を吸おうとすると中に舌が入ってきて離してくれ
ない。

 涼介 「ん…んん…んっ…」

長いキスに頭がぼぉ~っとしてくる。
ケイとした時もそれほどディープなのはしなかったし、それより全身を舐められた
り吸われたりと、全身で感じさせられたっけ。

 店員 「なに?よかった?それとも勃っちゃった?」
 涼介 「!!」

店員は無遠慮に涼介の股間に触れるとベルトに手をかける。

 涼介 「やっ…やだっ…やめっ…て…」
 店員 「痛くしないって…」

ズボンに手を入れると涼介のものを扱きあげる。
一回イカせてやろうと考えていたが、透明な液が出るだけだった。
それと少しペニスが腫れて熱を持っている気がした。

 店員 「あんた、これって…」

泣き出す涼介に慌てて店員も理解した。
はじめて来た客だっだしそういう趣味があるならこれからも、使ってくれるん
じゃないかと少しサービスのつもりでやったのだが、泣き出すは、震えている
のをみると、完全に萎えてきてしまった。

 店員 「悪かったって~。あんたもこっちの人かと思ったんだよ。おい、
     大丈夫か?」
 涼介 「ヒック…嫌だって…言ってたのに…」
 店員 「悪かったって…それに、キスマークつけて店に入ればそう思うだろう?
     って、このキスマークって合意じゃないのか?」
 涼介 「…」
 
一瞬戸惑ったが、店員はそれ以上聞かず、店の奥から粘り気たっぷりと書かれた
ローションと塗り薬を持ってきた。
 
 店員 「いつも何使ってるか知らないけど、コレ!使わないと本当に痛いから。
     それと、悪かったな。それと、腫れてる様だからそれ塗っとけ。」

涼介を立たせると服を直した。
その間も震えが止まらなくていっそ可哀想に思えてきた。

 店員 「あんたさ、こう言う店来る時は気をつけな!そう言う…あー、首筋の
     やつ付けてくるとさ出た後に誘ってるって勘違いされるからさっ!
     気づいてないのかもしれねーけど。」

それだけ言うと店に入って行った。
涼介は何を話しているのか分からなかったが、家に帰って鏡を見てはっきりと理解
した。
それはケイがつけた痕だった。

これでもかっというくらいに執拗に赤い痕がついていた。
最初の時はここまでではなかったし、痕を付ける事に対しては何も言わなかったの
で、それほど気にも留めなかった。
泣き腫らした自分の体につけられた痕。
それを見るだけでケイにされた事を思い出してしまい、顔が赤くなった。

 涼介 「どうしたんだろう?なんでこんな…ただの性行為なのに…」

ドキドキが止まらない自分に少し驚きを感じた。

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