俺が恋をした相手は

秋元智也

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01 出会い

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こんなのおかしい。
俺が変なのだろう。


「なぁなぁ~、どっちが好みだ?」

差し出されたのは一冊の雑誌だった。
そこに乗っているのは水着姿の女性ばかりだった。

「う~ん、こっちかな~、可愛いし…」
「そっかぁ~俺も♪」

みんなの話に合わせるので精一杯。
誰が可愛いって?
そう言うしかないじゃん。
誰を見ても興奮もしないし、興味もない。

高校生男子の会話といえば、どの女子が可愛いだの、エロいだの。
結局はSEXしたいという欲求だけだった。
それも、人としてのステータスを満たす為だけの口実だ。

「なぁ、稔は彼女いねーの?」
「う…うん。出会いが…ないからかな~…」
「そうだよな~俺ら出会いがねーからできねーんだよな~。出会いが
 欲しいぜ~」
「そ、そうだね。」

隣にいるのが安藤大輔。
運動部で万年補欠だ。
僕は和泉稔。そんなに人付き合いは好きではないが、いつも大輔のおか
げで男子の輪には入っていけている。
女子と話すのは苦手だ。
実は付き合っている恋人もいる。

学校が終わると電車で1時間。
学校から離れて郊外で待ち合わせをしている。
知り合いに見られると嫌だと言うのもあってか細心の注意を払っている。

学校を出ると私服に着替えて会いに行く。
メールには待ち合わせの場所と時間が書かれていて、いつも胸がドキドキ
する。

「稔くん、待ったかい?」
「あきらさん!今来たところだよ~」

年上の男性が声をかけてくると抱き寄せられた。
手を引かれ車へと乗り込む。
助手席へと乗り込むとキスを交わす。
タバコの味がして少し眉を顰めるが、それも彼の匂いに包まれていると思う
と興奮した。

「どうする?まずはご飯行こうか?」
「うん。」

彼には奥さんも子供もいる。
子供は俺と同じ歳で、今は高校生だと言っていた。
あきらさんと出会ったのは高校一年の時だった。

自分の性癖に悩んでいた時だった。

夜中家を抜け出して公園で一人でいた時だった。
声をかけてきたのが彼だった。

「一人かい?家は近くなのかい?」
「…」

泣き腫らした俺を見て少し驚いたようだったけど、色々話を聞いてくれて
そして泣き止むまで抱きしめてくれた。

「俺がおかしいのかな?…みんなみたいに女性に興味がないのっておかし
 いのかな?何でか自分でもわからないんだ…どうして…」
「なら、男性なら興味あるのかい?」
「…それは……気持ち悪いですよね…」
「そんな事ないよ。俺もそうだから…」
「でも、奥さんいるって…」
「そう、普通の生活がしたかったから。でも、どうしても悩んでしまうんだ
 このままでいいのかって…稔くん、これから試してみるかい?」

あきらさんの誘いに俺は我慢できずに乗ってしまった。
これが初めてだった。

ホテルへと行くとすんなり入れてしまった。
ラブホだけに煌びやかな装飾がされていて落ち着かない。

「緊張してるかい?」
「はい…俺…初めてで…えっと、あの…」
「いいよ。教えてあげる。まずは一緒に風呂にはいろうか?」
「はい。」

家族以外の誰かと一緒に入るなんて初めてだった。
背中を流し合うと壁に手をついてさっき会ったばかりの男性に尻を揉まれ
ている。

この状況は自分でも不思議だった。
確かに顔は好みだったし、体格もいい。
ちんこも立派で自分のが小さく感じた。

「あ…あの~…」
「恥ずかしいかい?すべすべしてて綺麗だよ?」
「あの…やっぱり自分で…」
「いいよ、今日は俺がやってあげる。始めてなら尚更痛いだろうしね?」
「は…はい…」

あきらさんの手が前にも触れてくる。
俺の乳首を優しく包むとクニクニと弄ぶ。
何度も触れられているうちに股間が熱を持ち始める。

「…ぁっ…あれっ…何でっ…」

自分の声に驚いていると後ろから笑われたしまった。

「いいよ。気持ちいいなら声を我慢しないでいいよ。」
「乳首だけで…俺なんか変なんです…」
「そんな事ないよ。ここ触って欲しかったかい?」

俺のちんこはいつの間にか涎を垂らすように液を滴らせて半勃ち状態に
なっていたのだった。

あきらさんが執拗に弄るせいか乳首がジンジンしてきてピンッと立って
きている。

「感じてきたね?それじゃ~こっちを洗うよ?」
「うん…」

入った事のない穴の周りを入念に洗われると泡ごと指が入ってくる。

「…あっ…あきらさん!…痛ぃ…」
「うん…ちょっとだけ我慢して?」

耳元で囁かれると尻の穴の付近を何度も出し入れされた。
最初は痛かったけど、しばらく何度も入り口だけを解されると慣れてくる。

「もう、大丈夫かな?」
「う…うん。」
「なら、指を増やすよ?」
「ちょっ…待って…あんっ!…あきらさっ…あっ…」

俺の静止も聞かず中が広げられる。
さっきより苦しくなる。
きゅうきゅうとあきらさんの指を締め付けると腰がひけてしまう。

「逃げないで…ここ洗ったらベッドに行こう…ね?」

耳元で囁かれると、全身があわだつ。
俺は期待しているのだと、意識してしまう。

あきらさんの指が奥のしこりに触れると腰が浮いてしまう。
まるで電流でも流れたかの様に震えてしまう。
我慢できずにちんこの先からは触れてもいないのに精液が飛び出ていた。

「えっ…嘘っ…なんでー…」
「ここ、気持ちよかった?なら、もっとシテあげるね?」
「やぁっ…ちょっ…、あきらさっ…あぁっ!身体が変に…なるッ…」
「いいんだよ。感じてて?」

あきらさんに奥を突かれる度に腰が揺れてびくびくと全身が痙攣する。
初めての感覚に戸惑う俺にあきらさんは優しく抱きしめてくれた。
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