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第三話
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クラス中がざわざわと騒がしくなると、一年の教室に柿崎先輩が
来ていた。
「あ!綾音~よかったー朝メール送ったのに返信なかったから
心配したんだ。ちゃんと返信しないとここまで見にくるから
な?それと今日も一緒に帰ろうな?」
「へっ…あのっ、先輩!」
花園の側まで来ると頭を優しく撫でると微笑んでくる。
「尊すぎる…」
「何か言ったか?」
「いえ…なんでもないです!」
「恋人の様子を見にくるのは当然だろう?あ、言ったらまずかっ
たのか?」
「いえ、大丈夫です」
(その為の恋人のふりなので)
小声で言うと真っ赤になりながら先輩を見送った。
「本当に顔だけはいいな…顔だけは…」
「それは言わないで、僕の恋人なんだから…」
「そうだったな…」
周りの女子がその日はずっと騒ぎ立てていた。
部活の時間になると鞄を持って田辺と一緒に向かおうとすると、
今日に限ってか、女子生徒が前に立ちはだかってきた。
「話があるの!ちょっと来てくれる?」
「ここでは話せない事なの?」
どこかへ行こうとする女子生徒に花園は普通に話しかけていく。
「ここでは…ちょっと…」
顔を赤らめて話す事から多分、先輩の事だと見当をつける。
まだクラスには何人もの生徒が残っている。
「もし柿崎先輩の事なら本当ですよ。僕、先輩と付き合ってるんです」
「…っ!」
「真相が聞きたいんですよね?事実ですよ。もう部活の時間なんで」
「ちょっと待ちなさいよ!男同士でできるわけないじゃない!先輩は無類
の女好きなのよ!ふざけないでよ!」
「そうですね!でも、今は違うみたいですよ?」
牽制する様に笑って見せると余裕がないのか女子生徒はその場に崩れ落ち
ていた。
「なぁ~、やりすぎたかな?」
「いいんじゃねーの?最初にマウント取ろうとしたのはあっちだし、ざ
まぁ~だろ?」
「そうだね…」
最近言い寄ってくる女子どもが減った気がする。
それも綾音が付き合っていると周りに公言してからだいぶ楽になった。
見た目だけで擦り寄ってくる女とは何度か寝たがそれはただの生理現象
をおさめる為だけだった。
みんな変わらない。
本気になれる人などいなかった。
そして最近、面白い後輩に出会った。
媚びてくるでもなく、ただ虫除けとして付き合ってくれという。
考える前に了承していた。
部室に行くと全く見向きもしないくせに触れると真っ赤になって恥ずか
しがるのだ。
あんなに堂々と付き合おうと公言した奴の行動とは思えなかった。
朝、教室にいくと友人と親しげに話していた。
何故かイラつく。
帰りに少しからかってやろうと教室に行くと女子生徒に絡まれていた。
助けに入ろうとしたけど、彼は堂々と退けたのだった。
あんなにはっきりと言ってのける後輩が恋人だと思うと心臓が高鳴った。
来ていた。
「あ!綾音~よかったー朝メール送ったのに返信なかったから
心配したんだ。ちゃんと返信しないとここまで見にくるから
な?それと今日も一緒に帰ろうな?」
「へっ…あのっ、先輩!」
花園の側まで来ると頭を優しく撫でると微笑んでくる。
「尊すぎる…」
「何か言ったか?」
「いえ…なんでもないです!」
「恋人の様子を見にくるのは当然だろう?あ、言ったらまずかっ
たのか?」
「いえ、大丈夫です」
(その為の恋人のふりなので)
小声で言うと真っ赤になりながら先輩を見送った。
「本当に顔だけはいいな…顔だけは…」
「それは言わないで、僕の恋人なんだから…」
「そうだったな…」
周りの女子がその日はずっと騒ぎ立てていた。
部活の時間になると鞄を持って田辺と一緒に向かおうとすると、
今日に限ってか、女子生徒が前に立ちはだかってきた。
「話があるの!ちょっと来てくれる?」
「ここでは話せない事なの?」
どこかへ行こうとする女子生徒に花園は普通に話しかけていく。
「ここでは…ちょっと…」
顔を赤らめて話す事から多分、先輩の事だと見当をつける。
まだクラスには何人もの生徒が残っている。
「もし柿崎先輩の事なら本当ですよ。僕、先輩と付き合ってるんです」
「…っ!」
「真相が聞きたいんですよね?事実ですよ。もう部活の時間なんで」
「ちょっと待ちなさいよ!男同士でできるわけないじゃない!先輩は無類
の女好きなのよ!ふざけないでよ!」
「そうですね!でも、今は違うみたいですよ?」
牽制する様に笑って見せると余裕がないのか女子生徒はその場に崩れ落ち
ていた。
「なぁ~、やりすぎたかな?」
「いいんじゃねーの?最初にマウント取ろうとしたのはあっちだし、ざ
まぁ~だろ?」
「そうだね…」
最近言い寄ってくる女子どもが減った気がする。
それも綾音が付き合っていると周りに公言してからだいぶ楽になった。
見た目だけで擦り寄ってくる女とは何度か寝たがそれはただの生理現象
をおさめる為だけだった。
みんな変わらない。
本気になれる人などいなかった。
そして最近、面白い後輩に出会った。
媚びてくるでもなく、ただ虫除けとして付き合ってくれという。
考える前に了承していた。
部室に行くと全く見向きもしないくせに触れると真っ赤になって恥ずか
しがるのだ。
あんなに堂々と付き合おうと公言した奴の行動とは思えなかった。
朝、教室にいくと友人と親しげに話していた。
何故かイラつく。
帰りに少しからかってやろうと教室に行くと女子生徒に絡まれていた。
助けに入ろうとしたけど、彼は堂々と退けたのだった。
あんなにはっきりと言ってのける後輩が恋人だと思うと心臓が高鳴った。
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