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反旗の英雄
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「さあ今宵もコスミックエリビアをごゆっくりとお楽しみ下さい!」
アナウンスが会場に鳴り響くと、静かに幕は上がった。
舞台には寂れた教会跡らしきものが浮かび上がる。そこには静かに祈りを捧げる女騎士、フィル・フォレスティアラの姿があった。立ち込める雰囲気には、ただならぬ決意が感じられる。瞳に映る鮮やかな炎は、街を焼く赤い戦火と重なり、人々の叫び声が脳裏に蘇る。フィルは立ち上がると、2人の騎士に言った。
「多くの同士が死に、最早この戦いは敗勢だ。だが我々は諦める訳にはいかない! ここで……こんなところで終わるわけにはいかないのだ。さあ天よ! 我らエリビアの騎士の誇りをご照覧あれ!」
士気高まる不屈の三騎士は、生死を超えた絆で結ばれていた。騎士の1人アリアは言う。
「例えこの身朽ちようとも、我らは真に生きる道を貫く。それをあの王子に見せつけるのです!」
フィルが頷いて号令する。
「狙いはクライエ王子だ! 行くぞ!」
王子のいる王の間までの道をたった三人で突き進む。三騎士の一人は大喝する。
「俺はエリビアの騎士、クロイツだ! 名を上げたい者よ、勝負するならば前へ出よ。さもなければ道を開けよ!」
「あわわわ! 当世きっての鬼神とここで鉢合わせるとは・・・」
警備兵達はすっかり腰を抜かして尻込みする。
「よし、それなら先に進ませてもらおう」
三騎士は悠々と王の間まで辿り着いた。この先に王子、クライエ・フィッツジェラルドがいる。
「しかし良いのですか、フィル隊長。この先の王子は貴女の幼馴染であり、恋人でもあったのでしょう。それを手にかけるなど」
「それは遠い過去の物語だ。今はもう遠い存在だ」
フィルは複雑な表情でそう答えた。
「行こう」
と言うや否や、不意にフィルは悪寒を感じ王の間の扉から飛び引いた。瞬間、その扉から炎が噴き出し扉は跡形も無くなってしまった。その先には二人の男が待ち構えている。一方は若い大男、もう一方は初老で白髪の小男。浅黒い大男が叫ぶ。
「流石に罠には掛からなかったか、まあ良い。この先へは行かせねえよ!」
クロイツは舌打ちする。
「ちっ、お見通しという訳か」
さりげなくアリアがフィルに耳打ちする。
「隊長……相手は二人……ここは私たちにお任せを。そして必ずや王子を止めて下さい……」
「分かった後を頼む!」
アナウンスが会場に鳴り響くと、静かに幕は上がった。
舞台には寂れた教会跡らしきものが浮かび上がる。そこには静かに祈りを捧げる女騎士、フィル・フォレスティアラの姿があった。立ち込める雰囲気には、ただならぬ決意が感じられる。瞳に映る鮮やかな炎は、街を焼く赤い戦火と重なり、人々の叫び声が脳裏に蘇る。フィルは立ち上がると、2人の騎士に言った。
「多くの同士が死に、最早この戦いは敗勢だ。だが我々は諦める訳にはいかない! ここで……こんなところで終わるわけにはいかないのだ。さあ天よ! 我らエリビアの騎士の誇りをご照覧あれ!」
士気高まる不屈の三騎士は、生死を超えた絆で結ばれていた。騎士の1人アリアは言う。
「例えこの身朽ちようとも、我らは真に生きる道を貫く。それをあの王子に見せつけるのです!」
フィルが頷いて号令する。
「狙いはクライエ王子だ! 行くぞ!」
王子のいる王の間までの道をたった三人で突き進む。三騎士の一人は大喝する。
「俺はエリビアの騎士、クロイツだ! 名を上げたい者よ、勝負するならば前へ出よ。さもなければ道を開けよ!」
「あわわわ! 当世きっての鬼神とここで鉢合わせるとは・・・」
警備兵達はすっかり腰を抜かして尻込みする。
「よし、それなら先に進ませてもらおう」
三騎士は悠々と王の間まで辿り着いた。この先に王子、クライエ・フィッツジェラルドがいる。
「しかし良いのですか、フィル隊長。この先の王子は貴女の幼馴染であり、恋人でもあったのでしょう。それを手にかけるなど」
「それは遠い過去の物語だ。今はもう遠い存在だ」
フィルは複雑な表情でそう答えた。
「行こう」
と言うや否や、不意にフィルは悪寒を感じ王の間の扉から飛び引いた。瞬間、その扉から炎が噴き出し扉は跡形も無くなってしまった。その先には二人の男が待ち構えている。一方は若い大男、もう一方は初老で白髪の小男。浅黒い大男が叫ぶ。
「流石に罠には掛からなかったか、まあ良い。この先へは行かせねえよ!」
クロイツは舌打ちする。
「ちっ、お見通しという訳か」
さりげなくアリアがフィルに耳打ちする。
「隊長……相手は二人……ここは私たちにお任せを。そして必ずや王子を止めて下さい……」
「分かった後を頼む!」
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