あいつは悪魔王子!~悪魔王子召喚!?追いかけ鬼をやっつけろ!~ 

とらんぽりんまる

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魔術クラブ会議! ルルのモンタージュイラスト!

 麻那人がラーに昨日の話をするように言った。
 ラーは追いかけ鬼に食べられそうになった事をリィとルルに話したのだ。
 
「追いかけ鬼が本当にいた……?」

 リィがあんぐり口を開けた。

「ラーちゃんが昨日の夜に襲われたのって……追いかけ鬼に?」

「そうよ」

 ラーのぱっちりした瞳は真剣だ。
 ジョークを言っているとはとても思えない。

「それで……光が助けてくれたって?」

 リィは驚きながら光を見る。

「そうなの! すごくかっこよかった! 魔法少女フェンリーみたいだったわね!」

 どうやらラーはあれが魔法王子・麻那人の力ではなく光自身の力だと思っているようだった。
 ラーに抱きつかれて、光はどうしよう……と思ってしまうが、麻那人はにっこりウインクする。

「その追いかけ鬼は、誰かが創ったものだ。だから多分また追いかけ鬼は出てくると思う」

 その麻那人の言葉に、少女四人は怯える。
 光とラーは襲われた経験があるから、恐ろしさは何倍も。
 リィとルルも恐怖でつばを飲んだ。

「なんで? 誰がそんなこと?」

「さぁ……わからない。愉快犯か、何か子どもを狙う理由があるのか……」

 愉快犯というのは世間を騒がせて、それを楽しむ犯罪や犯罪者の事を言う。
 光やラーはあれだけの怖い思いをしたのに、それを楽しむなんて許せない。
 他に理由があったとしても、子どもを食おうとする鬼を創ることが許されるわけがない!

「じゃあ……追いかけ鬼と犯人も全部たおさなきゃ」

 光が言った。

「うん、そうだね」

「その鬼を創った犯人を、たおさなきゃいけないってことね?」

 ラーが言った言葉に、麻那人が頷く。
 
「そ、そんな化け物相手にさ~! 小学生が太刀打ちできるの?」

 リィの言うことはもっともだ。

「警察に相談した方が……? 大人に相談しようよ」

 ルルの言うことも正しい。
 何か問題に巻き込まれたら、絶対に大人に相談するべきだ。

「うん……相談はいつでも必要だ。相手が人間で、警察の仕事の範囲内だとわかったら、直ぐに警察に行こう」

 麻那人はハッキリ言った。
 でも、なんだか変な言葉だった。

 みんなが首をかしげる。

「……人間じゃない場合があるの……?」

 少しのシーンから、光が言う。

「そうだね。人間じゃない可能性のほうが、高いかな」

 にっこりする場面じゃないのに、麻那人はにっこり微笑んだ。
 おかわりした紅茶が、どんどん冷めていく。
 不思議なことに、誰も『麻那人にはどうしてそんな事がわかるの?』とは言わない。

「(さいみん術なのかな……)」
 
「追いかけ鬼は、どんな子どもでも襲うの?」

 ラーが聞いた。

「一番に光を襲ってくると思う。光は妨害者、つまり敵として認識されてしまっただろう」

「うええええええええ!? そうなの!?」

 光は絶叫して思う。

 『聞いてないよ!!』と。

 雷を落として、ラーを追いかけ鬼から救った事は嬉しいと思った……。
 それでも今は犯人に敵! として攻撃対象になるなんて、あまりにひどい!!

「まぁそっちの方が、こっちからも犯人が追いやすいしね」

「がぁああ……ん」

 光はがっくりうなだれる。
 あんな怖い思いを、またしなければいけないのだろうか。

「犯人をみんなで探すんだ。子ども達の間で、あれだけ追いかけ鬼の歌が流行ってる。きっと追いかけ鬼に襲われたり見たことがある子どもは他にもいるはずだ」

「みんなに聞くんだね」

 光はガバっと顔を上げた。

「そう、こんな鬼を見たことはないか? って聞いてみよう」

「じゃ……じゃあ、私、絵を描こうかな」

「ルル! ルルの絵があったら、みんなに聞けるね!」

「それはいい考えだ」

 さっそく、ルルはスケッチブックと鉛筆を取り出す。
 サスペンスドラマで犯人のモンタージュ画像を作るみたいに、光とラーが追いかけ鬼を思い出しながらルルに伝える。

「私は、怖くてあんまり覚えてないとこあるけど……」

 ラーが言う。
 
「ん~目は二つで……口がめっちゃ大きいの!」

 あーんと、大口を開ける光。

「そんなんじゃわからないって……」

 リィが呆れる。

「……鬼……だもんね……こんな感じ?」

 サラサラ……と真っ白な紙に、ルルは鬼を描いていく。

「わ! すごい! そうそう! でもね顔だけなんだよ」

「そうなのね……」

 身体を描こうとしていた手を止めて消しゴムで消し、更に顔を描き込んでいく。
 
「すごく口の中が牙がいっぱいなの! ですごく腐ったような臭いがする」

「うんうん、わかるわ! 私も臭い! って覚えているわ」

 光の話に、ラーがうなずく。
 
「うわ~キモ」

 迫力のある鬼の顔の絵に、臭いという話を聞いてリィが顔をしかめた。

「すごいや。本当に絵が上手だねぇ。瑠流ちゃんは」

 ルルは本名も瑠流だ。

「えっ……そ、そんな……全然……私なんて」

 急に褒められて、慌てるルル。
 ルルは絵の賞を何度もとっているし学校で知らない人はいない。
 でもルル本人はいつも自信なさげだ。

「僕なんか、何描いても、まんじゅうみたいにしかならないよ」

「ふふ、絵はどんな絵でも全部素敵だよ」

 ルルが微笑む。
 光が自分で下手っぴだと思った絵をルルに欲しいと言われたことを思い出した。
 
「うん。瑠流ちゃんの絵も素敵だよ」

 微笑む麻那人に、ルルは頬を赤らめた。

「わ、私もね! ちょっとイラスト描いたりするのよ!」

 ラーが対抗しはじめたけど、ルルはそのまま追いかけ鬼の絵を描いて完成させてくれたのだった。
 
 
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