あいつは悪魔王子!~悪魔王子召喚!?追いかけ鬼をやっつけろ!~ 

とらんぽりんまる

文字の大きさ
29 / 45

魔術クラブ捜査開始!

 

 今日もまた、学校が始まる。
 魔術クラブバッジは胸元に着けなくても、持っている事で効果が身体に移ってくるらしい。

「んー? 魔術クラブのバッジ? くれるのか? ありがと」

 サッカークラブで来れなかった空太にも、バッジをあげる。
 みんなに見えない教室のすみっこで、バッジをズボンにしまいながら空太が言った。

「この模様、光のじいちゃんにもらったカードと一緒だな」

「えー知ってる? おじいちゃんの部屋にあったんだけどさ。天使の加護の紋章なんだって」

 コソッと光が、耳元で話す。

「うん。これは鬼の意地悪を、跳ね返す強さをくれるよ。って言われて、カードをもらった」

「へぇーそんな事があったんだ」

「鬼ごっこでいっつも追いかけられてばっかで、イヤになって途中で帰った時に家の前で声をかけられたんだよ」

 空太の家は、前は光の隣にあった。
 でも今は、少し離れたマンションに引っ越したのだ。

「知らなかった」

 空太はもっと小さな頃、身体が小さくて気弱な面もあって意地悪される事も多かった。

 幼なじみの光は空太が意地悪されているところを見かけたら、すぐに助けに行っていたけど、いつもその場面にいられるわけじゃない。

「俺、このカードもらってしばらく持ってたんだけど、ある日どっかに失くしちゃった……でも役目を終えたんだよって言われたんだよな」

 失くした事がショックだった事が、空太の顔でわかった。

 でも空太はサッカーを習い始めて沢山練習するうちに足も速くなって、背も伸びて、何を言われても負けない男子になった。

「空太はもう強くなったから、カードは役目を終えたってことなんだね」

「へへっなんだよ急に」

 褒められて、照れたように空太は頭をかいた。

「へぇ~~空太君は、光のおじいちゃんと仲良しだったんだねぇ」

 二人の話を聞いて、ニコリと笑う麻那人が現れた。

「麻那人……そうだぜ! 仲良かった! お前もか?」

「僕は残念ながら、お会いしたことはないんだ」

「なんだぁそうかよ。まぁ俺は幼なじみ歴が一番長いからな!」

 ふふん! と得意げになる空太。

「ラー達とそんなに変わらないよ? 私は赤ちゃんの頃から、保育園でいっぱいお友達いたからね」

 光の言葉に、ぐぐっとなる空太。

「みんな仲良しのお友達でいいね。空太君、今度おじいちゃんのお話を僕に聞かせてよ」

「うーん。実は、この模様くらいしか特別な話はないんだ」

 あはは、と空太は笑う。

「そっか」

「(おじいちゃんの話を麻那人は聞きたいんだ?)今度、私が話すよ」

 光が言った。

「うん、楽しみだな」

 麻那人と光、二人で見合って微笑む。
 その間に割って空太が入り込んだ。
  
「おい! 麻那人!」

「ん?」

「昼休みは、俺とサッカーしようぜ!!」
 
 ビシィ! と空汰が言う。

「サッカーか。空太君誘ってくれてありがとう。うん、楽しみだな」

「空太でいいぜ! 麻那人」

「ん?」

「光は呼び捨てだろ! 俺も呼び捨てでいいぜ」

「うん。わかったよ空太」

 麻那人が微笑むと、空太も照れたように笑った。

 光は少しだけ情報収集をしてほしいな、と思ったのだが麻那人がクラスの男子と仲良くするのはいいことだし、と思った。
 今日の給食もペロリと食べて、麻那人は校庭にサッカーをしに行った。

「男子って元気ね」

 ラーが言う。
 本当はラーもドッジボールが大好きなのだけど、モデルをやるようになってからは昼休みは教室にいるようになった。

「みんなの話聞いてたらさ~。追いかけ鬼の歌は、誰がどこで歌い始めたのかわかんないって」

 リィはもう、みんなに聞き込みをしてくれたようだった。

 追いかけ鬼は『都市伝説』
 始まりを追うことは、さすがにできないだろう。

「とりあえず手当たり次第に聞いてみよっか!」

 光は教室を見渡した。

 校庭に行く子は、クラスの半分ほど。
 図書館に行く子は、その半分。
 残りは教室でおしゃべりしたり、本を読んだりしている。

「ど……どうやって聞こう」

 ルルが困ったように聞いた。
 
 光もそれをずっと考えていた。
 いつもだったら『みんな聞いてーー! 追いかけ鬼のこと知ってる!?』と聞いてたはずだ。
 でもあまり騒ぎにならない方がいい。

「一人ずつ聞いてみよう」
 
 光の提案だ。
 
「わかった」

 ラーもうなずく。

「あたし、隣のクラスに行ってみるわ。ルル行こう」

「うん」

 リィとルルが、一緒に隣のクラスへ行った。
 五年生は三クラスあって、光達は一組だ。
 昼休みだけでは、二組だけで精一杯。

 みんなそれぞれ頑張った。
 だけど五年一組、二組で追いかけ鬼の情報を知っている人はいなかった。
 麻那人はサッカーがすごく上手だ! とその後クラスで話題になった。


 
感想 24

あなたにおすすめの小説

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

【完結】またたく星空の下

mazecco
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 君とのきずな児童書賞 受賞作】 ※こちらはweb版(改稿前)です※ ※書籍版は『初恋×星空シンバル』と改題し、web版を大幅に改稿したものです※ ◇◇◇冴えない中学一年生の女の子の、部活×恋愛の青春物語◇◇◇ 主人公、海茅は、フルート志望で吹奏楽部に入部したのに、オーディションに落ちてパーカッションになってしまった。しかもコンクールでは地味なシンバルを担当することに。 クラスには馴染めないし、中学生活が全然楽しくない。 そんな中、海茅は一人の女性と一人の男の子と出会う。 シンバルと、絵が好きな男の子に恋に落ちる、小さなキュンとキュッが詰まった物語。

魔法少女はまだ翔べない

東 里胡
児童書・童話
第15回絵本・児童書大賞、奨励賞をいただきました、応援下さった皆様、ありがとうございます! 中学一年生のキラリが転校先で出会ったのは、キラという男の子。 キラキラコンビと名付けられた二人とクラスの仲間たちは、ケンカしたり和解をして絆を深め合うが、キラリはとある事情で一時的に転校してきただけ。 駄菓子屋を営む、おばあちゃんや仲間たちと過ごす海辺の町、ひと夏の思い出。 そこで知った自分の家にまつわる秘密にキラリも覚醒して……。 果たしてキラリの夏は、キラキラになるのか、それとも? 表紙はpixivてんぱる様にお借りしております。

異世界転移が決まってる僕、あと十年で生き抜く力を全部そろえる

谷川 雅
児童書・童話
【第3回きずな児童書大賞 読者賞受賞作品】 「君は25歳の誕生日に異世界へ飛ばされる――準備、しておけよ」 そんなリアルすぎる夢を見たのは、中学3年・15歳の誕生日。 しかも、転移先は「魔法もあるけど生活水準は中世並み」、しかも「チート能力一切なし」!? 死ぬ気で学べ。鍛えろ。生き抜け。 目指すのは、剣道×農業×経営×工学を修めた“自己完結型万能人間”! 剣道部に転部、進学先は国立農業高校。大学では、園芸、畜産・農業経営・バイオエネルギーまで学び、最終的には油が採れるジャガイモを発見して学内ベンチャーの社長に―― そう、全部は「異世界で生きるため」! そしてついに25歳の誕生日。目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。 武器は竹刀、知識はリアル、金は……時計を売った。 ここから始まるのは、“計画された異世界成り上がり”! 「魔法がなくても、俺には農業と剣がある――」 未来を知る少年が、10年かけて“最強の一般人”になり、異世界を生き抜く! ※「準備型転移」×「ノンチートリアル系」×「農業×剣術×起業」異色の成長譚!

【完結】森の中の白雪姫

佐倉穂波
児童書・童話
 城で暮らす美しいブランシュ姫。  ある日、ブランシュは、王妃さまが魔法の鏡に話しかけている姿を目にしました。 「この国で一番美しく可愛いのは誰?」 『この国で一番美しく可愛いのは、ブランシュ姫です』  身の危険を感じて森へと逃げたブランシュは、不思議な小人たちや狩人ライと出会い、楽しい日々を送ります。

由香、塾へ帰る

はまだかよこ
児童書・童話
母由美子はなんと自宅で塾を開くという 四年生の由美子は自分は関係ないと思っていたのに…… ちょっと聞いて下さい

【奨励賞】氷の王子は、私のスイーツでしか笑わない――魔法学園と恋のレシピ【完結】

旅する書斎(☆ほしい)
児童書・童話
【第3回きずな児童書大賞で奨励賞をいただきました】 魔法が学べる学園の「製菓科」で、お菓子づくりに夢中な少女・いちご。周囲からは“落ちこぼれ”扱いだけど、彼女には「食べた人を幸せにする」魔法菓子の力があった。 ある日、彼女は冷たく孤高な“氷の王子”レオンの秘密を知る。彼は誰にも言えない魔力不全に悩んでいた――。 「私のお菓子で、彼を笑顔にしたい!」 不器用だけど優しい彼の心を溶かすため、特別な魔法スイーツ作りが始まる。 甘くて切ない、学園魔法ラブストーリー!

オバケの謎解きスタンプラリー

綾森れん
児童書・童話
第3回きずな児童書大賞 奨励賞をいただきました! ありがとうございます! ――七不思議を順番にめぐると、最後の不思議「大階段踊り場の鏡」に知らない自分の姿が映るんだって。 小学六年生の結菜(ユイナ)が通う三日月(みかづき)小学校では、そんな噂がささやかれていた。 結菜は難関中学に合格するため、塾の夏期講習に通って勉強に励んでいる。 だが一方で、自分の将来にひそかな期待と不安をいだいてもいた。 知らない自分を知りたい結菜は、家族が留守にする夏休みのある夜、幼なじみの夏希(ナツキ)とともに七不思議めぐりを決意する。 苦労して夜の学校に忍び込んだ二人だが、出会うのは個性豊かなオバケたちばかり。 いまいち不真面目な二宮金次郎のブロンズ像から、二人はスタンプラリーの台紙を渡され、ルールを説明される。 「七不思議の謎を解けばスタンプがもらえる。順番に六つスタンプを集めて大階段の鏡のところへ持って行くと、君の知らない君自身が映し出されるんだ」 結菜と夏希はオバケたちの謎を解いて、スタンプを集められるのか? そして大階段の鏡は二人に何を教えてくれるのか? 思春期に足を踏み入れたばかりの少女が、心の奥底に秘めた想いに気付いてゆく物語です。