あいつは悪魔王子!~悪魔王子召喚!?追いかけ鬼をやっつけろ!~ 

とらんぽりんまる

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お祭り前に、クッキー作りにスライム調教!

 

 今日は日曜日。
 お父さんがクッキーを作ろうと誘ってくれたので、クッキーを作る事になった。

「僕、お菓子を自分で作れると思ってなかったよ」
 
「クッキー大好きだから、お父さんとたまに作るんだ。お父さんのクッキーレシピはサックサクで美味しいし、みんな喜ぶんだよ」

「麻那人君、好きな型で抜いていいからね」

 お父さんはクッキーの型抜きを集めるのが趣味で、お母さんも海外の珍しいクッキー型を買ってきたりする。
 光も今年のバレンタインデーには、可愛いハートのクッキー型をプレゼントした。
 
「これで好きなカタチにできるわけだ。面白いね」
 
「でしょ。可愛い型いっぱいあるよ。星に月にウサギに~お花に~。あ、見て。悪魔の型」

 光がみつけたのはハロウィンの時に作るカタチ。
 悪魔やお化け、カボチャ、コウモリの型抜きだ。

「へぇ、悪魔かぁ……みんな悪魔の形のクッキーなんてもらって嬉しいのかな」

「え、うん。嬉しいんじゃない?」

「悪魔でも?」

「悪魔だって……うん、いいと思う」

「ふぅん。悪魔が食べられちゃうんだね」

「あはは、そうだね」

 楽しそうに、麻那人はクッキー型を手に取った。

 小麦粉にバターに砂糖。ココアパウダーも。
 ボウルに泡だて器、伸ばし棒。
 楽しいクッキー作りの始まりだ。
 
「おじさん。ドキマカ祭の前の日にも、クッキー作ってもいいですか?」

「お祭りの前の日? うん、もちろんいいよ」

「何かの作戦?」

「いや、みんなで食べたいなーって思ったんだよ」

「……麻那人」

 麻那人はやっぱり、ドキマカ祭の新月の日に帰ってしまうつもりなのではないかと思う。

 それを考えると、光の心はギュッとなってしまう。

 悪魔なんか迷惑で冗談じゃない! 早く帰って! って思ってたのに。
 どうしてだろう?

「光は何の型で抜く?」
 
「え? あーっ……天使かなぁ」

「ふふ、僕が食べても平気かな?」
 
 クッキー作りはとっても楽しくて、クッキーもとても美味しかった。
 でも光はちょっと切ないような気持ちになって、それは何故なのかよくわからなかった。

 ◇◇◇

「よし!完成だーっ!」

 展示物が全て出来上がって、クラスで歓声があがる。

 壁に貼る展示も、ルルのイラストが映えた楽しい出来栄えだ。

 学校と裏山の模型も、立派にできた。
 
 肝だめしの準備を覗くと今年は追いかけ鬼を沢山作ったようで、キャーキャーみんなで追いかけ鬼の歌を歌っている。

 祭は3日後。

 夕方に光が帰り道を歩いていると、何か気配を感じて振り返る事もあったが襲われることはなかった。

 家に帰れば今日も、スライム調教。
 鍋に作ったスライムは、とりあえず動かないようにその場所に留まらせることはできるようになった。

「ステイ……ステイ」

 『ステイ』とは犬のしつけをする時に使う『待て』の意味。

 最初は麻那人が用意した『ステイの魔法陣』の上で練習させて、何度か伝えているとコポコポ……と数分はそこにいてくれるようになった。

「なんだかホコリが混ざってきちゃった」

「あははスライムだもんね」

「(麻那人がいなくなっちゃったら、スライムもどこかへ行っちゃうのかな。駄菓子屋『ぺってぽりん』にも行けなくなっちゃうのかな。……麻那人とも、もう会えないのかな……)」

 光は色んなことを考えてしまう。

「どうしたの?」

「え?」

 ジッと麻那人の顔を見てしまった光は、慌ててしまう。

「ドド、ドキマカ祭、楽しみだね」

 子ども達はみんな楽しみでワクワクしている。
 光もワクワクしている。

「うん。僕はこんなお祭りは初めてだしね」

「追いかけ鬼もザボも必ず捕まえようね、麻那人」
 
「うん」

 おじいちゃんの部屋が光と麻那人の部屋になったけど、麻那人がいなくなっちゃったら一人で寝るのはちょっと寂しいかも……。
 そう思いながら、ハンモックでプラプラ揺れながら寝る麻那人を見ながら光は眠った。
 
 


 
 
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