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期末試験
嫌な汗
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桃が泣き止んだ頃、俺は口を開いた。
「まぁ、知り合いの話だが」
「うん」
「そいつも俺みたいに、手のかかる弟分がいたわけよ」
手のかかるというところで少し体が固くなったのを横目でみつつ、言葉を継ぐ
「でな、なんとなく好きになってしまったんだよ」
「そのひと」
「男。いわゆる、同性愛?で、まぁ悩んだらしい」
「うん」
桃は少し驚いたらしいが、嫌悪感とかは無かったらしくまたこっくりうなづいた。
俺としてはいつこの話が、俺の話だとバレるかなんて考えるとジメジメしている公園が余計そう感じてヌルヌルした汗が背中に流れる。
「で、まぁ、しばらくしたら落ち着いたらしいのよ」
「...うん」
「なんだけどな...
ま、いい帰るか」
「え、続きは!?」
続きなんざねぇよと大嘘はいて黒々した地面を踏みしめ立ち上がる。
そしてさっさと歩いた。
自分は今何を言おうとしたのか。
好きだとでも言おうとしたのか。
それを考えるとブルりと寒気が起きる。
「椿ちゃん」
「あんだよ」
少し息を切らした桃が俺の一歩後ろから話しかけてくる。
さっきまで話していた話を突っ込まれるかと思うと、地面が揺れるように感じてしまう。
「椿ちゃんはその話どう思ったの」
真摯な声だった。真っ直ぐでとても眩しい言葉。
俺は少し目を細めながら呟いた。
「...不自由な話だと思った。し...俺もな...うーん...まぁいいか」
「良くないよ」
「......桃をな好きになるなと思ったんだよ
だってほらただでさえ、なんつーのかわいいだろ?昔から見てるわけだし」
自分の事なのに自分の事じゃなく、言いたいことなのに言いたくない言葉を言うのは、喉をしめられるような気持ち悪さがあった。
それでも続けるしかなかった。
「それでな、ここんところ思うんだよ...桃はは大きくなった...なー、なんて
すっとさあー、なんとも言えないような気持ちが湧いてくんの
何なんだか分かんねぇけど」
すべて本当のこと。回りくどく話しているだけで、こんなのは告白と何も変わらない。
所々街灯が照らす道がさっきより薄暗く見える。
「俺な、桃のこと...好きだなぁって思ったんだよ」
もう何を言ってるか分からないが、言ってしまったということだけは分かった。
後ろで桃が息を呑む声がする。
それだけで俺はもう怖くなって背筋がゾッと寒くなる。
「いや、違くて、あの」
「椿ちゃん...は、俺のこと好き?」
慌てて振り返って桃によくわからないフォローをしようと話している言葉を切り裂いて、桃の呟きが俺に届く。
昏い響きだった。
「...」
「ねぇ...椿ちゃん...」
「...」
「椿ちゃんってば!」
珍しく荒らげた声が、責めているような響きに感じられる。
俺の心臓はズタボロだ。
犯されかけても殴られても傷一つつかなかったのは、桃という存在のためならだ。
その桃に拒否されたら。
「俺先帰る」
昏い夜道を走った。
嗚咽が噛み締めた歯の間から漏れる音が他人のもののように感じられた。
「まぁ、知り合いの話だが」
「うん」
「そいつも俺みたいに、手のかかる弟分がいたわけよ」
手のかかるというところで少し体が固くなったのを横目でみつつ、言葉を継ぐ
「でな、なんとなく好きになってしまったんだよ」
「そのひと」
「男。いわゆる、同性愛?で、まぁ悩んだらしい」
「うん」
桃は少し驚いたらしいが、嫌悪感とかは無かったらしくまたこっくりうなづいた。
俺としてはいつこの話が、俺の話だとバレるかなんて考えるとジメジメしている公園が余計そう感じてヌルヌルした汗が背中に流れる。
「で、まぁ、しばらくしたら落ち着いたらしいのよ」
「...うん」
「なんだけどな...
ま、いい帰るか」
「え、続きは!?」
続きなんざねぇよと大嘘はいて黒々した地面を踏みしめ立ち上がる。
そしてさっさと歩いた。
自分は今何を言おうとしたのか。
好きだとでも言おうとしたのか。
それを考えるとブルりと寒気が起きる。
「椿ちゃん」
「あんだよ」
少し息を切らした桃が俺の一歩後ろから話しかけてくる。
さっきまで話していた話を突っ込まれるかと思うと、地面が揺れるように感じてしまう。
「椿ちゃんはその話どう思ったの」
真摯な声だった。真っ直ぐでとても眩しい言葉。
俺は少し目を細めながら呟いた。
「...不自由な話だと思った。し...俺もな...うーん...まぁいいか」
「良くないよ」
「......桃をな好きになるなと思ったんだよ
だってほらただでさえ、なんつーのかわいいだろ?昔から見てるわけだし」
自分の事なのに自分の事じゃなく、言いたいことなのに言いたくない言葉を言うのは、喉をしめられるような気持ち悪さがあった。
それでも続けるしかなかった。
「それでな、ここんところ思うんだよ...桃はは大きくなった...なー、なんて
すっとさあー、なんとも言えないような気持ちが湧いてくんの
何なんだか分かんねぇけど」
すべて本当のこと。回りくどく話しているだけで、こんなのは告白と何も変わらない。
所々街灯が照らす道がさっきより薄暗く見える。
「俺な、桃のこと...好きだなぁって思ったんだよ」
もう何を言ってるか分からないが、言ってしまったということだけは分かった。
後ろで桃が息を呑む声がする。
それだけで俺はもう怖くなって背筋がゾッと寒くなる。
「いや、違くて、あの」
「椿ちゃん...は、俺のこと好き?」
慌てて振り返って桃によくわからないフォローをしようと話している言葉を切り裂いて、桃の呟きが俺に届く。
昏い響きだった。
「...」
「ねぇ...椿ちゃん...」
「...」
「椿ちゃんってば!」
珍しく荒らげた声が、責めているような響きに感じられる。
俺の心臓はズタボロだ。
犯されかけても殴られても傷一つつかなかったのは、桃という存在のためならだ。
その桃に拒否されたら。
「俺先帰る」
昏い夜道を走った。
嗚咽が噛み締めた歯の間から漏れる音が他人のもののように感じられた。
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