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期末試験
虚ろな朝
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昨日の夜は遅帰りでも両親は何故かそんなに文句を呈しては来ず、さっさとベッドに入ったものの眠れなかった。
犯される云々は割とどうでもいい...とは言えないが、やはり女でもないのにくよくよ悩むほどのことかという程度で、睡眠欲を破るほどの感情は無かったものの、その後だ。
桃との会話。
流石にそこで気丈になれるほどの勇気も、おちゃらけも無く。ただただ怖かった。朝どうやって桃と話そうかなんてらしくもなく頭をフル回転させながら天井を睨んでいたら、朝になっていた。
「おはよ」
「あら、今日は早いのね」
うん、まぁ。なんて濁しながら頬をかく。
着慣れた制服なのに妙に座りが悪くてそんな自分を自嘲する。
用意された飯を食べてスクバに手を掛けた。
「もう行くの?」
「いやー、桃の家」
「普段と逆なんて珍しい」
くすくす笑う母を睨みつつ、ドアを開いた。
晴れで、昨日の湿気が露になっていていつもより眩しく感じる。
鳥も久しぶりのからりとした晴れに喜んでいるのか至るところでぴよぴよ鳴いていて、ささくれだった心がイライラとザワつく。
「ふん」
面白くねぇなんて呟こうと口を開くと隣から鍵を回す音が聞こえた。
「桃」
「あれ椿ちゃん早いね」
「いや、たまにはな
行くか」
「うん」
いつもより若干硬い動きとぎこちない目線。他人行儀な響きの言葉。
まぁ相手して貰えるだけマシだと割り切って普段と同じようにどうでもいいことをぺらぺらと喋り続ける。
桃は時々相槌を打ったり、笑ったりいつもと同じようなことをしつつもぎこちない。
なんとも言えない距離感が出来てしまったのだと、改めて知らしめられてしまって、いやに綺麗な青空を塗りつぶしたくなる。
「じゃ、椿ちゃんまた昼休みね」
「おう、またあいつらにちょっかい掛けられたら言えよ」
「...うん」
流石に話題に出すのが早かったなんて後悔する前に、桃は行ってしまった。
ひんやりした廊下をすたすた歩きながらため息をついた。
もうただでさえ嫌な朝なのに、これからラスボス級に嫌なことが待っていると思うともうなんだか、全てほっぽりだしたくなる。
もう1回深いため息をついて、教室の戸に手をかけた。
犯される云々は割とどうでもいい...とは言えないが、やはり女でもないのにくよくよ悩むほどのことかという程度で、睡眠欲を破るほどの感情は無かったものの、その後だ。
桃との会話。
流石にそこで気丈になれるほどの勇気も、おちゃらけも無く。ただただ怖かった。朝どうやって桃と話そうかなんてらしくもなく頭をフル回転させながら天井を睨んでいたら、朝になっていた。
「おはよ」
「あら、今日は早いのね」
うん、まぁ。なんて濁しながら頬をかく。
着慣れた制服なのに妙に座りが悪くてそんな自分を自嘲する。
用意された飯を食べてスクバに手を掛けた。
「もう行くの?」
「いやー、桃の家」
「普段と逆なんて珍しい」
くすくす笑う母を睨みつつ、ドアを開いた。
晴れで、昨日の湿気が露になっていていつもより眩しく感じる。
鳥も久しぶりのからりとした晴れに喜んでいるのか至るところでぴよぴよ鳴いていて、ささくれだった心がイライラとザワつく。
「ふん」
面白くねぇなんて呟こうと口を開くと隣から鍵を回す音が聞こえた。
「桃」
「あれ椿ちゃん早いね」
「いや、たまにはな
行くか」
「うん」
いつもより若干硬い動きとぎこちない目線。他人行儀な響きの言葉。
まぁ相手して貰えるだけマシだと割り切って普段と同じようにどうでもいいことをぺらぺらと喋り続ける。
桃は時々相槌を打ったり、笑ったりいつもと同じようなことをしつつもぎこちない。
なんとも言えない距離感が出来てしまったのだと、改めて知らしめられてしまって、いやに綺麗な青空を塗りつぶしたくなる。
「じゃ、椿ちゃんまた昼休みね」
「おう、またあいつらにちょっかい掛けられたら言えよ」
「...うん」
流石に話題に出すのが早かったなんて後悔する前に、桃は行ってしまった。
ひんやりした廊下をすたすた歩きながらため息をついた。
もうただでさえ嫌な朝なのに、これからラスボス級に嫌なことが待っていると思うともうなんだか、全てほっぽりだしたくなる。
もう1回深いため息をついて、教室の戸に手をかけた。
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