可愛こぶっても可愛くない

wano

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期末試験

冷たい教室

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「ツバキおはよ〜」
開けるか開けないかというところで呑気な声がかかり、なんだお前はドア番なのかなんて心の中でつっこみながら、俺ができうる限りの極上の笑顔を向けた。
「オハヨウ、飯田クン」
「やーん、そんないい笑顔でぇ〜下心?」
下心ねぇよ、そんな風に言っても可愛くねぇよ
女子みたいな言葉回しに、媚びへつらうような笑顔。
流石に仏頂面にならざるをおえず、ガタッと乱暴に自分の席に座る。
「で、説明してもらおうか?」
「えー、ツバキちょっと手が早い〜」
「椿って呼ぶな気色悪い。絞め殺すぞ」
「やん、熱烈ぅ」
机の下でヤツの足を蹴る。
若干目を細める程度は痛かったらしいが、すぐに笑顔を繕ったことからまだ痛くしても構わないことが分かる。
「そのままだよ、俺が全部後ろで手を引いてた」
「いや、方法なんざどーでもいいよ、聞いたところで意味がねぇ」
「えぇー聞いてよ
俺ねナガシマとセフレ関係なんだけど」
だからどうでもいいってなんて口に出そうとしてから、その言葉が脳に浸透して思わず固まる。
なんて言ったコイツは
「もっかい言え」
「えー、だからナガシマとセフレなんだけど」
「待て、」
飯田という人間は相当やばい人間だと評価を下していたが、今改めた。

関わっては行けない人間だ。

「そうか、もう、俺はこの件を不問に付そうと思う。
だからお前は今後一切俺に話しかけるな」
「えーやだなーそれは」
 「おめぇとオトモダチで居たくねぇの」
「容赦ないなぁ〜」
「容赦してたら、俺が死ぬ」
「殺さないよ〜」
「いや、お前なら完全犯罪くらいは軽く成し遂げられるだろう」
「わぁ、凄い評価。まぁできるとは思うけど」
「肯定すんなきもちわりぃ」
「有能な人間は自分の能力を正当に評価しているだけですぅ〜」
「あー殺される前に絞め殺してぇ!」
「情熱的だね、俺も殺されたくないから先に殺すけどね!」
「はぁ? 俺のが先に殺す!」

「はいはいはいはーい落ち着きなさい」
ヒートアップしすぎた喧嘩はいつしか周りへの注意もなくなりチャイムの音も無視していたようだ。
担任の適当なめんどくさそうな言葉で俺らは離される。
飯田は少し驚いた顔をしている。
俺は取り敢えず舌打ちをし、担任に謝る。
飯田はまた笑顔に戻ってまるで優等生のように謝り、自分の席に戻って行った。
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