大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第六章

鬼の兵士

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 ……あ、立てない。

 今度も乗ったときと同じく、ヒョイと、身軽にさっさと馬を降りてしまったアルト。

 こちらに手を差し出すものの、私はと言えば、身体が固まって……。

 一番痛いのは散々縦に揺られて何度も鞍に打ち付け擦られた尻だけども、縦に横にと大いに揺れて振り回されて、それに対処する為全身に力が入り過ぎていたのか。

 全身が既に筋肉痛っぽい痛みに苛まれ、思うように動かせない……いや、動かそうとすれば不可能では無いけどとにかく痛みを伴う。

 そのせいで、油の切れた機械の様なぎこちない動作になってしまう。

 それをヒョイと抱えて降ろしてくれたはいいけれど、まるで生まれたての子鹿の如く、ふるふると足が震えてまともに立てもしない。

 「……7番よぅ。マジで女の扱いはもう少し学ぶべきだと思うぞ? 嬢ちゃんの様子からするに乗馬は初めてか、それに近い感じだろ? それをお前……軍事訓練受けたヤツの感覚で馬に乗せて走るとか無茶だろ」

 おじさん兵士がアルトに懇々と言って聞かせている。いいぞ、もっと言ってやれ!

 「座んな。水袋を置くから、ちと冷やすといい。たらいに水汲んで来るから足も冷やしとけ」

 もう一人の、も少し若い感じの兵士さんが私を気遣って世話してくれる。

 塔――ああ、ここは長く大きな壁の所々に設けられた、チェスの駒の形ママな見張り塔――の部屋に通され、簡素な椅子を差し出された。

 「ありがとうございます」

 この人たち、優しい。

 ……顔面はなかなかの強面なのにね。

 この人達の階級は知らないけど、ついつい“鬼軍曹”と呼びたくなってしまう。
 だって、彼ら、リアルに鬼なんだもの!

 四角い輪郭にした顎から上に伸びた牙が二本。
 太く立派な眉は吊り上がり、目力も強い。
 赤ら顔の方と青い顔の方が居るのに加えて、パンチパーマかけたみたいな癖毛から突き出た二本の角。
 ガタイも筋骨隆々でたくましい。

 そんな人が甲斐甲斐しく私の世話なんか焼いてくれる。

 ……あれだ。
 不良がネコを助けるとメチャクチャ良い人に見えるロジックに似た何かを感じるよ。

 「……スマン。歩けるか?」

 「ごめん、まだしばらく無料」

 「なら、俺が抱えて行くから、そろそろ出るぞ」

 「おい、もう少し休ませてやれ。必要なら誰か報告に人をやるからよ」

 「……しかし」

 「しかしもかかしもねぇよ。あの方はそういう事に目くじら立てる様な方じゃなし、嬢ちゃんだってこんな様でお偉方に謁見なんて、非公式だろうと御免だろうよ」

 うんうんうん。

 おじさんの言葉に私は必死で頷いた。

 アルトは渋々おじさんの意見を受け入れた。

 おじさん、グッジョブ!
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