大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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幕間⑤

船上での邂逅

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 東へ向かう商船が一隻、穏やかな海をゆったりと航行している。

 積荷は主に食料品、あと少しの嗜好品。
 更にそれに加えて人も“乗客”として乗せていた。

 そのうちの一人、ルイス・カールトンは暇を持て余していた。

 取りあえずの目的地はこの船の寄港地の一つなのだが、最終目的地は未だ不明だ。

 つい先日までは、先にとある女帝の治める国の方を向いていたはずの磁石の針が、今度は東を示していた。

 よって、ルイスは取りあえず東に向かう船に乗っている。

 この船に乗って既に七日が経った。
 やることの無い船旅はひたすら退屈なもので、ルイスは二日で音を上げたくなったが、乗ってしまった以上は少なくとも次の寄港地までは船の上。
 降りるに降りられず、仕方無しに日がな一日寝台でゴロゴロダラダラ過ごしていた。

 「うあー、もー! 身体が腐る!」
 じっとしているのが性に合わないルイスは堪らず剣を掴み甲板へ出て、稽古でもしようと部屋を出た、ら――

 「グッ!」
 「あ、すんません! 大丈夫ッスか!?」

 開けた扉にジャストタイミングでおでこをぶつけた哀れな犠牲者を生んでしまったルイスは即座に謝った。

 よほど痛かったのか、被害者――割と長身な男が蹲っで呻いていた。

 ヤバイ、頭打ってるよな……!?

 怪我をしているかもしれないと様子を見――

 「ヒヨッ!」

 「……ん?」
 男のから妙な声がした。

 甲高い、鳥――それも雛の親を呼ぶ鳴き声のような……?

 「ヒヨッヒヨッ」

 自分も持ってるコンパス、土台はそれにとても良く似ていた、が、その上にでんと鎮座する黄色いヒヨコ。
 勿論実物ではないようだが。

 「……大丈夫か?」
 思わず複数の意味合いでその言葉を口にしてしまった自分は確かにうかつだったけれど、同時に仕方ないじゃないかって思う訳で。

 そいつが俺を睨みつけてくるその顔は、男の俺でも物凄く綺麗だと思う美形なのに、足元に落ちたヒヨコがその美貌を台無しにしてるんだ。

 「その……、悪い。少ないがこれで勘弁してくれねぇか?」

 ……正直妙な奴とあまり関わり合いになりたくない。

 だから、俺は路銀の中の貴重な金貨を一枚男に手渡した。
 金額的にはちと痛いが、面倒に巻き込まれるよりは、数日飯のメニューをケチる方がマシだしな。

 「いいえ、許しません。相手は違えど短期間の内に何故こうも人のとばっちりで痛い思いをせねばならないのです!」

 あ、ヤバイ。コイツ貴族か?
 あー、尚更面倒な事になる予感がしてきたぞ?
 貴族相手じゃ金貨一枚なんてはした金。

 「……悪いッ、忘れてくれ!」

 俺は悪いと思いながらもその場から即遁走した。
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