大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第十二章

石と鉄、煙の街

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 護衛艦付きでやって来た巡視船。

 これまでは船越しで許された手続きが、この国では軍人の格好をした人がこちらに乗り込んで来て行われた。

 ……うん。やっぱり帆船で来て正解だった。
 お陰で審査は通過できた。

 港に誘導され、支持された場所に船を繋いだ。

 今回は私も宿を取る。……こんなガッチリ船を管理されてちゃ気軽に沖になんか出られないからな。

 そんなわけでオズ滞在一日目のまず最初のミッションは、宿の確保。

 宿屋を探して街を歩くのだけど。

 「……煙臭い」

 東京都心ですら車の排ガスを除けば比較的空気の綺麗な日本で生まれ育った私には衝撃的な空気の悪さ。

 煙草の嫌なニオイとも違う、工業用油とすす混じりの黒い煙の臭いが染み付いた街。

 街は四角四面で整ってはいるが、どれもこれも汚れで灰や黒の建物ばかり。

 これもう公害レベルじゃないですかね?

 私はスカーフを首に巻き、それをすこーしだけ引き上げ鼻と口を覆った。……焼け石に水かもしれないが、あると無いとじゃやっぱり違う。

 やっとほっと一息吐いていると、ふと露天に並んだ商品に目が止まった。
 しわくちゃのおばあさんがやってるお店。
 端切れ布で作ったような、子供の掌にも収まるサイズの小袋。

 「……これは?」

 「匂い袋だよ。この国の空気はあまり良くないんで、こういうので誤魔化すんだよ。その様子じゃお嬢さんこの国は初めてだろう? 一つどうだい?」

 「そうだな、貰おう。模様の違いは見て分かるけど、香りは種類あるの?」

 「全部で四種類。試してみな」

 一つは花の様な甘い香り。
 一つは柑橘類のようなスッキリした香り。
 一つはミントみたいなスッとする香り。
 一つは茉莉花みたいな独特な香り。

 甘ったるい香りはあまり好きになれなくて。柑橘系のを選ぶことにした。

 「ところでいい宿屋を知らない? まだこれから宿を探すんだけど」

 「ほう、それなら広場の向こう三番目の通りの二軒目、“ディグラス”がおすすめだよ」

 「へぇ、早速行ってみるよ。ありがとう」

 買った小袋には紐がついていて、ペンダントの様に首から下げられるようになっていた。

 着けてみると、いい感じに香りが上がっくる。

 「そういう訳だから、行ってみよう。アレだったらまた別の人におすすめ聞いてみよう」

 「……市政の情報収集は優秀なんだよな」
 「そりゃ庶民だからね。まだまだ初心者ビギナーだけど、噂話に混じれないと女ってのは生きづらいんだよ」

 さて、おすすめの宿とやらはどんな所なのか。
 あんまり期待はせずに行ってみようか。
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