大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第十四章

命令違反

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 交渉決裂。

 女帝側からしたらこの結果はそう言う事なんだろう。
 悔しそうに船を降りていった。

 となれば、もうここに用はない。

 私は港を出ようと、ゆっくり船を動かし始めた。
 今回の騒動と関係のない船にぶつかりでもしたら面倒だし。

 なのに、だ。こちらの港を出る寸前、向こうの軍港から船が船団を組んでやって来る。

 掲げた旗に記された紋章は……

 「――皇帝軍の紋章、だな……」
 勿論私はこの国の紋章なんて知らないから、アルトが可愛そうなほど死んだ魚の瞳のままチベスナ顔で壁に凭れたまま動かなくなった。

 せっかくの彼の忠告を無視して来ちゃったんだもんなー。

 潜るにもまだ陸が近く海が浅瀬なもので、船体全てを海面に隠す事ができない。

 速度はこちらのほうが遥かに速い。

 どんどん遠ざかるこちらの船に焦ったんだろうか。

 ズドン、と腹に響く音がして、スグン、と船に衝撃が加わった。

 船体は――ノーダメージの様だが(耐久値は下がってた)、鉛玉がぶつけられた衝撃はそのまま伝わるらしい。

 研究中だったらしい研究者や、製作作業性だったドワーフ達からブーイングが飛んだ。

 あ、アルトが頭抱えて蹲っちゃった。

 彼には悪いが、先に手を出してきたのは向こうだ。ここで黙っていたら今後舐められる。

 「アルトの親切な警告を無視した事、後悔すると良い」

 機銃掃射の為の銃口が敵の船を捉え――私は一斉砲撃のボタンを押した。

 次の瞬間、雨あられと降り注ぐ数多の弾丸に、木製の帆船は、船体も帆も無くあっという間に穴ボコだらけとなった。

 無数の穴が空いて脆くなった帆桁や帆柱が次々に折れて落ちる。

 船上は阿鼻叫喚の地獄絵図と化している。

 一部火事も起きてるみたいだし。

 さて、このまま放置してももう追いかけて来ないだろうけど、ここは徹底的に潰しておくべきだろうか?

 その時、数居る戦艦の後ろから、一際大きい船が、白旗を振りながら船団の先頭に立った。

 その船から見慣れた鳥がこちらへ飛んでくる。

 「アルト」

 落ち込みまくりのアルトには申し訳ないが、彼しか受け取れないのだから仕方がない。

 そこに書かれていたのは――


 ――申し訳ない、護衛の近衛の暴走だ。彼は命令違反ですでに罷免し、軍には撤退命令を出した。これ以上の攻撃は止めてくれ。


 ……この話が真実かは分からない。
 あの護衛の近衛をトカゲの尻尾切りに利用した可能性は捨てきれない。

 だけど。

 身分証は、あの小国でも用意できるだろうが、召喚云々の情報を集められるのは大国だからだろうし、アルトも可愛そうだし。

 ここは引いてやろう。
 だけど、次はないから気をつけてよね、女帝様?
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