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第十五章
揺らぐ根幹
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「あれ、どこの船かしらね?」
気球を飛ばし始めて二月目にそろそろ届こうかという頃、潜水艦の頭上付近の海域を船がやたらとウロチョロする様になった。
「……あの旗は神国の物だな」
時折ばら撒かれる文書には、勿論神官様達も気付いて出処を探り、それが海の向こうから風に運ばれて来ている事までは把握したらしく。
しかし、気球を浮かべる一瞬だけ浮上し、全て飛ばしてしまえばすぐに水の中へと潜ってしまう私達の潜水艦を、かれらの巡視船は見つける事が出来ず、右往左往するばかり。
慌てて回収する見習い巫女や神官の姿も街で頻繁に見かける様になったが、全く追いついていない。
神官のお偉いさんは、どんどん離れゆく人々の心を何とか繋ぎ止めようと必死になりすぎて、見習いや新人の巫女や神官に無茶を言い、彼らからも最近では敬遠され、さらに焦っているらしい。
日に日にうろつく船の数はどんどん増えている。
暗い時間に一瞬だとしても、流石に見つかる日はそう遠くはなさそうだ。
「なら、そろそろ彼らにも私達の驚異を直に感じて貰おうかしらね」
潜水艦を、沈めたまま近づける限界まで陸に近づけば、当然巡視船の数は増える。
巡視船サイズではこの距離だと港からは点にしか見えないだろうが……
「……オルカ、海に落ちた奴は保護して確実に港に辿り着けるよう潮の調整をお願い。フィーネは火が大きくなり過ぎないよう風の調整をお願いね」
人的被害を出したいわけじゃないから、精霊に先にお願いをして、私はそのスイッチをポチッとな……
潜水艦から魚雷が放たれ巡視船の一艘の船底に命中、派手な爆発と共に船倉に穴を開ける。
それを見た周りの巡視船が何事かとわらわら寄ってくる。
「ポチッとな、ポチッとな、ポチッとな……」
それを全て魚雷で撃退していく。
……なるべく人的被害が出ない様に精霊にお願いはしたけど、流石に犠牲者がゼロになるとは思っていない。
少なからず死者や怪我人は出るだろう。
だが、相手の船は漁船や商船ではない。
賊ではないが、乗っているのは軍属の者のはず。
まあ、この世界の文化水準における海戦は、海上で船を突き合わせ、大砲や弓矢を撃ち合い、最終的には相手の船にこちらの兵士を送り込んで全滅させるなり拿捕するなり……と言うのが定石なわけで。
水底に敵が潜み、水中から攻撃を受けるなど思ってもみない彼らはパニックを起こし、揃って港へ逃げ帰り。
そんな情けない者達の姿を、港付近の住人は目の当たりにしたのだった。
そして彼らは思う。
「あれ、あいつら本当に尊敬出来る? ってか神様は守ってくれないのかよ?」
国の根幹が、本格的に揺らぎ始めた瞬間だった。
気球を飛ばし始めて二月目にそろそろ届こうかという頃、潜水艦の頭上付近の海域を船がやたらとウロチョロする様になった。
「……あの旗は神国の物だな」
時折ばら撒かれる文書には、勿論神官様達も気付いて出処を探り、それが海の向こうから風に運ばれて来ている事までは把握したらしく。
しかし、気球を浮かべる一瞬だけ浮上し、全て飛ばしてしまえばすぐに水の中へと潜ってしまう私達の潜水艦を、かれらの巡視船は見つける事が出来ず、右往左往するばかり。
慌てて回収する見習い巫女や神官の姿も街で頻繁に見かける様になったが、全く追いついていない。
神官のお偉いさんは、どんどん離れゆく人々の心を何とか繋ぎ止めようと必死になりすぎて、見習いや新人の巫女や神官に無茶を言い、彼らからも最近では敬遠され、さらに焦っているらしい。
日に日にうろつく船の数はどんどん増えている。
暗い時間に一瞬だとしても、流石に見つかる日はそう遠くはなさそうだ。
「なら、そろそろ彼らにも私達の驚異を直に感じて貰おうかしらね」
潜水艦を、沈めたまま近づける限界まで陸に近づけば、当然巡視船の数は増える。
巡視船サイズではこの距離だと港からは点にしか見えないだろうが……
「……オルカ、海に落ちた奴は保護して確実に港に辿り着けるよう潮の調整をお願い。フィーネは火が大きくなり過ぎないよう風の調整をお願いね」
人的被害を出したいわけじゃないから、精霊に先にお願いをして、私はそのスイッチをポチッとな……
潜水艦から魚雷が放たれ巡視船の一艘の船底に命中、派手な爆発と共に船倉に穴を開ける。
それを見た周りの巡視船が何事かとわらわら寄ってくる。
「ポチッとな、ポチッとな、ポチッとな……」
それを全て魚雷で撃退していく。
……なるべく人的被害が出ない様に精霊にお願いはしたけど、流石に犠牲者がゼロになるとは思っていない。
少なからず死者や怪我人は出るだろう。
だが、相手の船は漁船や商船ではない。
賊ではないが、乗っているのは軍属の者のはず。
まあ、この世界の文化水準における海戦は、海上で船を突き合わせ、大砲や弓矢を撃ち合い、最終的には相手の船にこちらの兵士を送り込んで全滅させるなり拿捕するなり……と言うのが定石なわけで。
水底に敵が潜み、水中から攻撃を受けるなど思ってもみない彼らはパニックを起こし、揃って港へ逃げ帰り。
そんな情けない者達の姿を、港付近の住人は目の当たりにしたのだった。
そして彼らは思う。
「あれ、あいつら本当に尊敬出来る? ってか神様は守ってくれないのかよ?」
国の根幹が、本格的に揺らぎ始めた瞬間だった。
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