大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第十五章

教祖にはなりませんよ?

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 「いやぁ、君のおかげで召喚をやろうとしてた国が軒並みそれどころじゃなくなっててねぇ。
 ……まあ、とある国の女帝の尽力もあっての事だけど。
 とにかく暫くはこの世界も安泰、消滅の危機は暫くは無くなったからね、そのお礼だよ」

 そう言って神様がくれたのは……

 「何、これ?」
 「うん、神器だよ」
 「……は?」

 何か無駄に存在感の有りすぎる杖。

 私は足も悪くないし、いざという時の鈍器にするには少々華奢過ぎて頼りなさすぎる。
 魔法の杖にしても、私自身は魔法なんか使えない。
 まさに無用の長物。

 「あー、うん。それね、お願い事を聞いてもらった時に、それがあると便利だよーって事で、ね?」

 そう言えばお礼とお願いとか言ってたな……
 普通神様って人の願いを聞いてくれる存在じゃなかったっけ? ……願いが叶うかどうかはまた別としても……ねぇ?

 「今、デタラメ混じりの宗教の信用度が下がっている内に、正しい情報を新たな宗教として広めてほしい。
 それで、今限りなく低くなっている召喚の可能性をできる限りゼロに近付けて、この世界の消滅確率を少しでも下げて欲しい」

 ……はぁ。
 理由と理屈はまぁ理解しなくもないけど、ね……

 「だが断る」
 「ええ、何で!?」
 「私は教祖になるつもりはないからね」

 幸いそれを喜んでやりそうな人員ならここに居た。

 「ほら、この娘を献上げるから、みっちり好きに詰め込むと良いわ。ついでに今なら護衛役もセットでおまけしてあげる」

 舞と勇者をセットで神に押し付ける。

 海上の移動だけは仕方ないから請け負うけど。
 わざわざ陸に上がって面倒な仕事はしたくない。

 幸い舞はホンモノの神様と言う事で無条件に言う事聞いてくれそうな。

 私は舞と勇者をチャペルに残し、さっさと甘いものでも食べにカフェへ向かった。

 カフェには、同じく甘い物を求めて頭脳労働職の者達が何人か先客で居た。
 あー、ケーキうまうま。
 うん、私は教祖なんてガラじゃないし。

 あ、そう言えば、杖持ったまま来ちゃった……

 後で舞に渡せば良いか。


 そして、半年以上神様直々の講習を受けた舞が例の杖を手に、勇者と共に旅立ったのは一年後の事。
 世界に正しく神の言葉が伝わるようになったのは、更にそれから十年後の事。

 完全に世界崩壊の危機が去った、と神様が再びお礼にと言ってもう一つ神器を置いていったのは二十年後の事になる。

 ――勿論そんな事は、今の私は知る由もなく。

 カフェのレアチーズケーキを紅茶と共に美味しく味わうのであった。
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